第17話
上様との謁見が終わった後は公家との会談に移った。今日は摂関家の人と順にあって行った。その中で1番仲良くできそうだったのは、近衛殿で逆に九条殿とは仲良くできなそうだった。だけれど摂関家の方々も、僕が足利家の分家である今川家の血筋だという事は知っているし、今川家は非常に力のある家だからか馬鹿にすることはなく、話しやすくて助かった。公家のような技術を習得しといてよかった。 本当の氏真は蹴鞠がうまかったらしいが、僕も蹴鞠は結構できる。近衛殿が「明日蹴鞠をやるので今川殿もどうぞ」と呼んでくれたので、公家の方々と蹴鞠なども行う予定だ。そうして人脈を広げられるといいが。人脈というのはあって損する者ではないし。 そして、僕は寺に戻ると寺に残していた家臣から帝に明日呼ばれていることを知った。父上が束帯を持たせてくれて助かった。しかし束帯は初めてだから緊張する。帝に会うのは初めてではないといえどもちろん緊張している。今日はよく眠れないだろう。
次の日、束帯を着て、朝一番に御所に向かった。今回もすぐに帝に謁見することを許された。
「源朝臣氏真、表をあげよ。」
「はっ」
帝は今回も御簾を垂らしていなかった。ただし今回は予想できたので驚きはせず、顔を変える事はなかった。
「源朝臣氏真、其方を従四位下、権左近衛中将に任ずる。また、権左近衛少将を解任致す。美濃守は引き続き努めよ。」
「ははっ」
「氏真、よく美濃を取ったな。朕は命じたもののこのような速さで平定するとは予測できなかった。義藤から聞いたぞ。其方と義兄弟の契りを結んだと。また、権左近衛中将と治部大輔に推薦するとな。そして源朝臣義元を正四位上、治部卿に推薦すると。」
「ははっ、義兄上にはお世話になっています。」
「義藤は其方を大層気に入っていたそうだな。兄と呼ばせるほどな。それは良いことだ。義藤と共に日の本を戦の無い世にいたせ」
「はっ」
「源朝臣義元と治部大輔の件は駿府に勅使を送り行おう。」
「ありがたき幸せ。」
「後、左大弁にも任じよう。義藤は其方を参議にしたかったようだ。左大弁になった者はなる事が可能な故な。それも駿府にて行わせよう。」
「ありがたき幸せ」
「其方には義藤も朕も期待しておる。義兄弟の契りも結んだのだし2人で協力して朕に仇をなす、京におる無辜の民を襲う輩を倒すように。」
「ははっ、しかしながら未だ京まで我が領内から来るのは難しゅうございます。海路では兵を送るのが難しいですし、陸路では近江を通る必要があります。近江六角は敵ではなく同じく義兄上に忠誠を誓っている仲ですので。」
「うむ、では伊勢と大和を取れば良かろう。」
「はっ帝のおっしゃる事は正論ですが一向宗などの強敵が多く。」
「ならばそこを平定するように勅命を出そう。」
「帝、恐れながら大和より伊賀の方が近いかと。伊勢と伊賀平定をする方が良いと存じます。」
「わかった。三国全て取れ。」
「はっ。勅命をいただきたく存じます。」
「うむ。源朝臣氏真、伊勢、伊賀、大和国を平定せよ。これは勅命である。」
「ははっ」
こうして今川はまた戦争する事になった。ただ伊賀を取れるのは大きいはずだ。伊賀は忍びの国。僕としては忍びが欲しい。小さくても味方にすれば強力な存在だ。伊勢は北畠がいる。彼等は傲慢だ。いかにして倒すか。調略では意味がない。滅ぼす必要があるだろう。それに東国も四カ国取る必要がある。駿府に戻ったら早急に帝の勅命を行い、東国仕置きは後にするか。




