第163話
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僕はそのまま大広間を退出すると、割り振られていた、仕事をやって、屋敷に帰った。その次の日も、同じだった。その日の夜、僕の元に家臣がやってきた。
「若殿、畠山殿が到着いたしました。」
「そうか、思ったより早かったな。」
「はっ」
僕はもう少し遅いと思っていたが、早くきた分には問題はない。義兄上に早く、使者を送り、伝える必要がある。義兄上に伝えるのと、畠山と藤枝美濃守を連れて参れ。」
「はっ」
藤枝美濃守も畠山はすぐにやってきた。まあ藤枝美濃守は既になんのことかわかっている様子で、普通に家臣の位置に座った。畠山は、下座だ。
「若殿におかれましてはご機嫌麗しゅうございます。畠山右衛門督在氏と申します。」
「よくきたな。其方は現在畠山氏の当主であったな。」
「はっ、尾州の奴らに奪われていましたが、若殿お陰で取り戻せました。河内も奪われていたので、助かりました。心から感謝していますが」
「それはよかった。其方に提案だ。管領にならないか?」
「管領ですか。確かに畠山は三管領家の一家ですがそのような勢力はありませぬ。それゆえにすぐに倒されるのでは。」
「わかっている。幕臣になるということだ。義兄上は、守護の地位を一か国与えるということだ。実際に権力はあまりないが、三好の管領就任を止めるためだ。今川に味方をしてくれれば良い。私が推薦した。実際はここにいる藤枝美濃守が助ける。藤枝美濃守は我が腹心だ。彼に任せれば良い。今川の後ろ盾があれば大丈夫だ。」
「三好は憎き尾州に味方をし、我々の勢力を落とした奴ら。許せませぬ。わかりました。私も三好は嫌いです。今川には恩義があります。管領となって若殿のために働きましょう。」
「頼んだぞ。後、呼び方だが、若殿ではなく官職で呼んでくれ。一様、これからは陪臣ではなくなる。直臣になるからな。」
「わかりました。宰相様、よろしくお願いします。」
「うむ」
畠山は了承してくれたようだ。了承してくれて本当に良かった。
「発表はいつかはまだ決まっていないが、私の滞在中になるだろう。畠山殿には、京に屋敷を作ってもらう。直臣となるのだから、独立したものをだ。しかし、私が手を回し、京都奉行所の隣にするつもりだ。そちらの方が話をしやすいだろう。頼んだぞ。」
「はっ」
「若殿、お話の途中失礼致します。上様よりの命令です。今すぐに御所に参るようにと。」
「わかった。2人ともついて参れ。」
「「はっ」」
義兄上も早く話を進めたいのだろう。この話がまだ公表されていないということを忘れないで欲しいんだけれどなあ。まあここ二日間2人でずっと話す機会なんかなかったし。僕は任された仕事をして、義兄上は大名にあっていた。色々あるしな。朝廷への挨拶も明後日行くし、京都滞在中って大体幕府の仕事で忙しいんだよなあ。まあ義兄上が大変なのは理解しているから、少し肩代わりしてあげているけれど。




