第153話
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そうして2週間ほど経った。明日には京に向けて出発する。今日、作成を命じていた馬車が納品される予定なのだ。既に荷造りは家臣団が行っている。僕はただ馬車を見ればいいだけだ。作成を命じた8台のうち、2台は豪華だ。様々な装飾をさせた。儀礼用だということだ。まあ他の6台も、まあまあすごいものにした。
そして、ここが一般的な馬車とは違うことだろう。僕たちの馬車は、平らで椅子などはない。その代わりに畳が引いてあるのだ。結構意外だと思う。
最近僕は研究所に関わっていなかったし、報告書を見た時は少し驚いた。現物を見るには今回が初めてだが、楽しみだ。後、過保護が減って、仕事も今までよりは楽になった。まあまた、仕事が行くために忙しくなったから、疎遠になったけれど。後は親衛隊副隊長は松井に兼任させた。今回の上洛にあたって、二郎と七郎に官位を与えられないか相談するつもりだ。僕の腹心だし、朝廷や対外関係において官位はかなり重要だ。自称ではない官位があるだけで陪臣だとしても格が明らかに上がる。
「若殿、馬車が到着したようです」
「そうか、今行こう」
僕は席を立って、庭に向かった。とは言っても離れのだ。離れのも結構広い。馬車8台など、余裕で入る。まあ今向かっている庭は、離れの中で1番大きいものだしな。
「若殿、こちらです」
「うむ」
僕は馬車の中を見たりしたが、どれも満足のいける仕上がりだった。普通の6台も領外に持っていくこともあって、漆に、家紋が入っていて、少し金で作られた装飾が入っているが、豪華な2台は桁違いだ。普通の胴体だけではなく、屋根や、馬をつなぐためのもの、それだけでなく御者席や、車輪も豪華になっている。まあ車輪は鉄に黒い色が塗られたぐらいだが、もう屋根の装飾はすごい。それにデカデカと家紋が書いてあるから、今川家のものだと簡単にわかる。予想以上だった。
「凄いな。よくやったと伝えておけ」
僕はそう運んできた人に言うと去った。明日の御者には側近ではないが、信頼できる家臣を置いた。ここ2週間習得に行かせたのだ。まあ後は家臣に任せるだけだ。僕の仕事はもう終わりだ。
「はっ」
次の日、京に出発する日になった。僕は旅装を着て、本邸の庭に行った。そこには軍勢と、荷物持ち、さらには馬車に人や荷物が既に勢揃いをしていた。更には僕の変えの馬もある。また、親衛隊1000人と、近衛兵4000人がいる。近衛兵は全員馬に乗っている。親衛隊はそうではないが、服装が統一されていて、威厳がある。これが僕が率いる軍人だ。
そして、政姫様もやってきた。
「宰相様、おはようございます」
「おはようございます」
「若殿、親衛隊隊長佐野次郎兼親以下、1000人出立の準備完了いたしました」
「うむ」
「近衛隊も同じく」
「そうか。父上、ご機嫌麗しゅうございます」
「うむ、彦五郎、政姫様、行って参るが良い」
「はっ、出立いたします」
「彦五郎、頑張れよ」
「はっ、でわ失礼します」
「うむ」
僕は父上に背を向けると、馬車に乗り込んだ。政姫様にはもう一つのに乗ってもらおうと思ったのだが、同じ馬車に乗ってきた。そして、僕率いる5000弱は駿府を出立した。ただの上洛にしてはかなりの大軍勢だ。戦もないが、すごいと思うだろう。京でびっくりするだろうなあ。




