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第149話

楽しんで読んでくださると幸いです。

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今回も引き続き佐野二郎視点です。彦五郎の意識が戻るまではそう進めます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

松井殿が去ったあと、私を始めとした若殿の側近は皆静かに若殿の様子を見守っていた。若殿はずっとねておいでだった。


「失礼します。松井七郎です。奥様がお見舞いに参られるとおっしゃったため、お連れいたしました」


松井殿が奥様をお連れして戻ってきた。奥様が御自身から来ると申されたみたいだが、驚きでしかない。なんでだ?仲が悪いのでは。若殿との対面の回数はほとんどないと思うのだが。私の勘違いだったのだろうか。謎すぎる。


「奥様、よく参られました」

「それで、宰相様が倒れられた原因はなんなのかしら?」

「それは仕事による過労です」

「では不倫をなさられていたわけではないのね。私以外の女性と先に子を作るなどの、家督争いの原因はないと」

「そのようなことを若殿はなさっていませぬ。今後はわかりませぬが、今はなさっていないとこの命に換えても誓えます」

「私も同じく」

「「「「「「「私も」」」」」」

「まあなんと忠誠心が高い家臣なこと。それで宰相様は何処に?」

「こちらです。若殿は眠っておいでなのでゆっくりさせていたきたいとおもいます」

「そう。ありがとうね」

「はっ」

「次郎殿、松井殿、此方へ来てくれないか」

「なんですか?伊賀守殿」

「なんでしょうか?」


福島殿がとても小さい、奥様が聞こえないぐらいの声で話し始めた。

「奥様が来られたことについてだが、若殿と奥様の関わりがあまりないのはまずい。それを奥様もわかっている。だから来られたのだろう。奥様なりのお考えがあるのだろう。今川家とてを切れば、将軍家はかなり危ういと私の見立てでおもっている。恐らく将軍家は権力を維持するのが困難になるだろう。そして、奥様は友好の証。奥様と若殿の仲が深まれば深まるほど政治は安定する」

「ということは伊賀守殿はこの機会に若殿と奥様の距離を縮めたいと考えているのでしょうか」

悔しい。松井殿に私の考えていることを先に言われてしまった。私も伊賀守殿がそう考えていたことは理解できるのに。

「その通りだ。お二人に仲が睦まじくなっていただき、今川家の後継問題を解消させる。後継問題があるのは危険だし、若殿の負担が増える。お世継ぎが成長された暁には若殿も楽になられるだろう」

「一理はある」

「同じく」

「この度はその機会であろう。若殿の回復の後は、業務量を減らす。または補佐官が任命されるであろう。その時に奥様と仲睦まじくなっていただきたい。全ては我々が忠誠を誓う若殿のために」

「若殿も愛される方がおいでになさると無理されることも減るでしょうし、癒やされるでしょう。しかし実際にどうされるのですか?今の所男色にも目覚められず、女も興味を持っていないようですが」

「それは要相談だ」

「そうでしたか。私も協力させていただきます」

「此方も同じく」

「松井殿、次郎殿ありがとうございます」

「若殿の為ですから」

「私は松井家屋敷の中で肩身狭い思いをしていた私を重用してくださいさった若殿に大恩があります。それに報いるまで。若殿への恩返しです。私が唯一忠誠を誓う相手なのです」

松井殿が熱く語っているが私も若殿から大恩をいただいている。皆ここにいるものは同じ気持ちだろう。しかし奥様はただ座っているだけで何をなさるために来られたのだろうか。







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