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第147話

楽しんで読んでくださると幸いです。

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江戸への移転を上級家臣一堂に発表してからも僕は仕事を頑張っていた。何日かは徹夜をする必要があるほどだった。そうして忙しい毎日を食っていたある日、僕は突然倒れてしまった。仕事をしていると急に意識が朦朧としてきたのだ。

「若殿っ!」


誰かが叫んでいる。視界が狭く、暗くなって今何があるのかもわからない。僕の意識は暗闇に落とされた。

ーーーーーここからは側近であってずっと側に控えていた佐野二郎の目線


若殿が倒れられた。大変だ。

「藤田三郎、南川清十郎、今すぐに布団を持ってきてくれ。若殿を寝かせてさしあげるぞ」

私はこの中では恐らく1番立場が高い。若殿の親衛隊を率いる立場だから。福島殿が戻られたらまた別だが、今は若殿に任せられた仕事で忙しいようだしな。

「「はっ」」

私は同じくすぐ側に控えていた2人の小姓に指示を出した。今は私が抱えているが、そのようなのは恐れ多い。早く布団に寝かせなければ。

「竹千代殿は、御殿医を呼んでくれ」

「はっ」

仕事を割り振っていく。しかしどうすればいいのかが全くわからない。奥様にも伝えるべきだろうが、まずは太守様か。しかし先に、寝かせて差し上げなければ。


布団を近くから持ってきた藤田三郎殿と南川清十郎殿は急いで布団を引いた。

「若殿を運ぶ。手伝ってくれ。」


私は2人がかりで若殿を布団に寝かせた。

「私は太守様の元に行って参る。若殿の様子を見ておいてくれ。何があるのかわからぬゆえ絶対に離れないでくれ」

「もちろんです。我々をはじめとした小姓、近習は若殿に多大なる恩があります。それに返す必要があります」

「頼んだぞ」

「はっ」

私は駆け足で、太守様の元へ向かう。とは言ってもあってくださるかわからないが。

本館に入ると、太守様の執務室に向かった。その前には側近が待機されていた。

「これは佐野殿、何用ですか。」

「緊急事態です。若殿のことで話が。」

「なっ太守様に許可をすぐに取らせていただきます。」

私は部屋に入ることを許された。

「佐野次郎とやら申したな、彦五郎に何があった?」

「はっ、とても深刻なことにございます。若殿が倒れられました。竹千代殿に御殿医を呼ばせに行っています。」

「なんだと!状態は?」

「某の見立てですと、意識が無いのかと。しかしながら某は医学には疎いので本当かは分かりませぬ。御殿医に見ていただく所存です」

「そうか。今行く。案内せよ」

「はっ」


私は太守様を若殿が眠られている場所へお連れした。既に御殿医はついているようだった。

「太守様、ご機嫌麗しゅうございます」

「良いから彦五郎の様子を申せ」

「はっ、脈は少し早い程度です。おそらく過労でしょう。このまま寝かせて差し上げるのが一番です。それ以外は何もできることはありませぬ。過労は休ませることしか」

「そうでしたか。若殿はとても忙しくされていた。ご成婚の後はさらに忙しいようだった。我々は助けることができずに見ているだけで辛かった。若殿の力になりたいのに」

「そうだな。今までは1国だけだったが、今は14カ国任せている。まあ大幅に忙しくなったのも理解できる。更には様々な業務があったからな。それ故か。しかしいずれはすべて任せる必要があるのだがな。彦五郎には、補佐官などの、代理が許されている人間はいないのか。そうでないと終わらない量だぞ。重要なものは自身でやる必要があるが」

「若殿は全て一人で行っておいででした」

「なっ!それができる業務量だとは思えないが。いや、彦五郎ならば可能か。あやつは天才だ。しかし、補佐官は絶対に任命させる必要があるな。誰か彦五郎の側近でいないか。そうでなければまた倒れる」

「福島殿ぐらいしか若殿の側近で文官はおりませぬ。某を始めとしたものは、武官です。または国衆の嫡男で小姓や近習となっているものが多いです」

「そうか。小姓や近習からいきなり補佐官にはできぬ。福島伊賀守か、考えておこう。もしくは有力家臣の子弟を側近とさせる」

「若殿、失礼いたします。福島伊賀守真正です。駿府代官屋敷の件で報告があり参りました」

福島殿が来られた。福島殿は私と並んで若殿の側近だ。最近は若殿の命で駿府代官邸の造営を行っていたそうで、忙しくされていた。しかし、なんともまあ偶然だ。

「入るが良い」

「失礼致します」

福島殿がやってきた。




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