第139話
大変遅れてすみません。完全に忘れていました。
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次の日、僕は武田家一行を見送った後、城に戻って、建物を建てる許可を出したりと、江戸の街の立ち上げに関する業務を行っていた。僕は今まで、自分で城を作るのを主導したり、まちづくりをしたことがなかったが、こうして実際にしてみて、すごく大変なんだなと勉強した。まあその分、無事にできた時の達成感はすごいのだろう。
「若殿、佐竹家一行は参られました」
「またせておけ。これが終わったら行く」
「はっ、そのようにいたします」
忘れていたが、今日は武田殿が帰るが入れ替わりに佐竹徳寿丸が来るのだった。今の江戸城は留守居役がいるけれど、そこまでの人がまだいないのもあって、使用人が少ない。そこは少し僕にとって問題だった。使用人をもっと雇う必要があるだろう。もしくは駿府から移転させることを考える必要がある。
今回、僕は江戸に来るにあたって、江戸城は殆ど何もない状態から変わって、少しずつ物が運び入れられた。僕が三週間の間暮らすためだ。しかし、普通ならそこまで大掛かりなことはしない。僕が物を運び入れさせたろしたのは、いずれ僕らが引っ越してくるからだ。
後々のためにも、引っ越しの準備は早めに進めた方が良いと思ったのだ。引っ越しは大変だし、今川家なんて身分が高いから余計にだ。付き人とかもいるし。そのため、僕が今回来るにあたって、来年引っ越してくるときに持ってくることになる荷物も一部ではあるが運ばせていた。
そして、江戸城では表向きは公表していないが僕の意向で空襲などを警戒して、倉庫などは全て、地下にした。もちろん侵入も困難だ。いろいろ工夫されている。表向きには完全に完成されたが、実は倉庫などはまだ少し作られているものがある。もちろん秘密経路などは完成済みだし、防空壕なども完備されているけれど。それどころか、防空壕の中で生きていくことも可能なように作ったし。
そして、僕は佐竹殿を四半刻ほど待たせてからいった。佐竹家は与力といえど、事実上、今川家の配下だから待たされたと文句を言われる所以はない。対等だと待たせるのは失礼だし、目上に対しては言語道断だが、この世界において格下を待たせるのは当たり前だ。逆にそれをしないと、自分の地位を下げているも同然だ。
僕は別に待たせるのが好きではないけれど、佐竹を待たせているのはそれが主な理由だ。まあその待たせる時間も、どれぐらい格下かなどによって変わるんだけれど。ただ、緊急に用事などで呼び出した場合は例外だけれど。
色々な儀礼や礼儀作法は僕にとってはとても面倒だ。まあそのような気持ちを持つのは現代人だからなのかもしれないけれど。僕や他の転生者の存在が、文明や、技術を著しく押し進めたが、まあ根本的に進むのは難しいのだろう。それに、進んだ技術は今川領内でしか、使われないし、情報漏洩はとても警戒されているから起きるのは低いと思うが。
しかし、佐竹は領地をうまく経営できているのやら。一度、国衆に反乱を起こさせてしまったしな。その影響で家臣団の数も減ったようだし、大変だろう。どうなるんだろう。
そういえば佐竹家当主佐竹徳寿丸はいつ元服で、妻はどうするんだ。今川家に取り込みたいが。まあまだ9歳だからその話は少し先だが、早めに婚約させといた方がいいかもしれないな。まあ父上と相談しておこう。まだ当主ではないから、僕の独断で決めることは出来ないし。でも今川家の親類や今川と関係の深い家があてがわれることになるだろう。




