第136話
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僕は江戸にて、政務を行ったり、城下町の様子を見たりした。後は武家の区画はまだ完全に決まっていなくて、その境界線になりそうなあたりでは、何も建物が立っていないのだが、早く建物とかが立って、僕も江戸で暮らしたい。
前世は東京に住んでいたから、江戸の方が親近感があるし。まあもちろん前世の東京と今の江戸の姿はだいぶ違うけれど。僕は江戸の区画整理などをさせていたんだけれど、江戸には基本的に全ての道は7m以上開けさせている。道によっては14m以上空いているところもある。
まあそういうのはだいたい大通りだが。そうすることによって、将来、車が完成した時に動かしやすくしている。また、軍事行動などが行いやすく設定した。日本の道は狭くて不便だったから、戦車なども動かせるようにしておく必要があった。そういう道の普請などは未だ行われている。大通りにする予定の道は作られたが、小さい道や、路地はまだまだだ。そのような状態だが、江戸城は立派に完成している。武田殿も少し驚くだろう。
「若殿、武田太郎殿がおいでになさられました。松姫様も伴っておいでです。久しぶりに家族に会いたいであろうとのことです」
「そうか。父上はいないのだが。何故であろうか?余は父上と母上以外の家族と会ったことはほとんどない。幼い頃から離れにて暮らしていた。病を患うことも多かったし、嫡男として様々なことがあったからな。だから兄弟とは別に親しいわけではないがまあ良い。行こうか」
「若殿、恐れながら少しは待たすべきです」
「なぜだ?」
「若殿は今川家の嫡男である前に、東国管領の立場を賜っておいでです。太守様をはじめとした守護の方々よりも力はともかく幕府の立場では格上です。太守様は父君ですので、長幼の序に従うべきですが、太郎殿は少し違います。太郎殿は未だ嫡男の身。この若さで公卿に為られている若殿よりも明確に身分は下。少し待たせなければ、若殿が舐められます。これが道理というものにございます」
「そうか。ではここまで終わらせたら行こう。」
「はっ」
そして体感だが、未来の時間でいう10分ほど経ってから、僕は部屋を出発して、太郎殿を待たせている部屋に行った。
「太郎殿、お久しぶりですね」
「ええ、今川様もお久しぶりです」
「我が妹も連れてきたとか?」
「はい、松、兄君へご挨拶を」
「お兄様、お久しぶりでございます」
「こちらこそ、お久しぶりです」
「思ったより堅苦しいのですが、お二人の間に何かあったのでしょうか?」
「何もありません。兄弟ですが、私は一人で離れに暮らしていて、他の兄妹は母上や父上と暮らしていました。幼い頃はとてもよく病気にかかっていたため、離されていたのです。病気が改善した後も、後継ぎとしての教育や独自の家臣団を与えられていましたので離れにて暮らしていました。それゆえに、殆ど会ったことがありません。会うのは年に一度ぐらいでしたもので疎遠でして」
「意外でした。松と話していると、御兄弟やご家族同士とても仲が良いように見えるので、連れてきたのですが」
「私以外の兄弟は関わりがあったそうです。そことは仲が良いのかもしれませんね。私には妹が三人と弟が一人居ますから。私一人だけ離されていましたし」
「そうだったのですか。それは失礼いたしました」
「気にされる事はありません。立場の違いですから。松との仲はどうですか?」
「松はとても良い妻です。本当に私は松を妻に迎えられ幸せ者だと日々感じています」
「私も、太郎様は良い旦那様だと思います。このようなお方に嫁がせてくださったことを父上に感謝を申し上げたいです」
「私から父上には伝えておきましょう。しかし仲睦まじいようで重畳です。これからも武田殿とは仲良くしたいですから」
「ありがとうございます」
「太郎様、お兄様は私が嫁ぐ時に、見送りをしてくださらなかったのです。私はこのお兄様以外の兄弟とは仲が良いのですが、兄弟全員このお兄様とは皆疎遠です」
「そうでしたか。私と四郎やその他の庶出の弟達との関係と似ているな」
「仲が悪いのですか?」
「悪いというわけではないが、まともに話したことはない。松も会ったことが一度しかないだろう?」
「確かに。婚姻の折に挨拶した時のみです」
「そういうことだ。宰相様も少し違うがそのような感じということですか」
「まあそうですね。話すことはほとんどありませんし、会いません。彼女らは奥に住んでいましたが、私は本館に行ってもいいです。表で父上と会うだけでしたし、母上も私の元にたまに来られるだけでしたから。それに懐妊の折は、全く会えませんでした。奥は当たり前ですが入れる者に規制があり、入るのに時間がかかりましたから」
「ご苦労されたのですね」
「まあそのおかげで、領内に同い年や年上の、人間を見つけては小姓や近習として、側近を作れたのですが。その側近の一部は仕えはじめた時点で元服していましたが、ほとんど私と同年代か1、2個年上のもの達です」
「宰相様の側近は智勇兼ね備えていると有名です。私は傅役に頼ってばかりでした。宰相様はとてもすごいですね」
「ありがとうございます」
「それと、江戸城の完成おめでとうございます。とてもご立派なお城ですね。ここまでとは感心いたしました」
「ありがとうございます。それで本命のニカ国の協力についての話し合いは、後に松を抜いていたしましょうか」
「そうですね。よろしくお願いします」
「ではまたのちに。先に宿泊場所に案内させます。旅路でお疲れでしょうからゆっくりなさってください」
「ありがとうございます。お世話になります」
「いえいえ、同盟相手の次期当主ですから。お互いの仲も深めて、次代の今川、武田の仲を深めましょう」
「はい」




