第129話
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次の日、僕は駿府代官屋敷の設計図を作り終えた。そしてそれを福島に渡すために呼び出した。あと、駿府に必要なもので町奉行所は既に設立されているから大丈夫だし、駿府は代官屋敷の完成とともに新体制に移る準備ができるだろう。しかし、もっと頑張る必要がある。
あとは江戸だ。様々な機関のための、建物は完成している。それはいい。それに、評定衆は彼らの屋敷の建築を始めたとの報告を受けた。しかし、僕は、今度江戸に行くことにした。まあ色々と江戸でやったほうが早いことがあるのだ。なるべく早く新体制に移行するためにもな。あとは、忍びたちを、僕の配下とだけではなく、正式に今川家の中に入れたい。そちらのほうが指揮系統も固まって、楽だ。未来の世界のロシア軍みたいにはなりたくないし。
そして、福島が受け取りに来た。
「福島、これが設計図だ。この通りに作るように。もう一つ、政姫様に会ってきてくれ。全く会わないで申し訳ないと、しかし仕事が忙しいので落ち着くまで待ってほしいと」
「若殿自ら行ってください」
「無理だ。今日は遠江と尾張、美濃そして駿府より西を視察に出かける。帰ってくるのは、5日後だ。少し美濃で鉱山が見つかった。そのついでに、他のところも見ることになった。昨日の夜決まったことだ。その準備をする必要があるから頼む」
「わかりました。その後、予定地に建て始めます。すでに作業員は集めています」
「頼む。丈夫に作るように」
「はっ」
近頃、僕は本当に忙しい。まあ権力が増えた結果でもあるんだけれど。僕は旅装に着替えると、少し残っていた早めに終わらせないといけない書類を終わらせて、巳の刻に駿府を出発した。もちろん馬だ。僕は輿が好きではない。今は籠も作られるようになったがどちらも同じだ。そのため、常に馬で移動する。まあたまーに権威を見せるために、輿とかにも乗るけれど。
そもそも馬の方が動きも早いし。僕は、佐野次郎をはじめとした150騎余を連れていた。全員騎乗だ。移動効率を重視した結果と言えるだろう。そういえば、少し前に妹の松が結婚した。僕との関係は非常に薄かったため、気にしていなかったが、父上は少し寂しそうだった。確か美濃は信濃と国境を接しているし、武田殿に会わないかと誘おうかな。同盟を結んだ以上、こまめな連絡は大事だ。今までは、母上の死により、少し関係が疎遠になっていたが、再び近づいたのだ。この機会を利用して、武田家との関係を深めたい。上杉も同じだが、少し遠いしな。近くに来たついでだ。手紙をしたためよう。
しかし、民は僕が来ると、平伏をしてくる。しなくて良いといって働いているのを見るが、元気で痩せこけているようにも見えないし、今川家の政策に感謝を言ってくれる。自分の立案したものとかが評価されるとやはり嬉しいな。これからも民の笑顔を守って、武器の開発費用を得るために頑張らなければ。




