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第115話

楽しんで読んでくださると幸いです。

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僕はお金のデザインとかも考えながら、毎日仕事と訓練をして過ごしていた。ある日、福島がやっと帰ってきた。

「若殿、後藤四郎兵衛殿をお連れしました」

「うむ、単刀直入に言いたい。これから、我が配下として、お金の鋳造をしてくれないか」

「勿論にございます。今川様から声を掛けられ、こちらに来た以上、そのつもりです」

「そうか。其方には年、70貫を俸禄として与える。それで、余のために働いてくれ」

「はっ、これより、我が一族郎党今川様のために務めさせていただきます」

「頼んだぞ。今川家は江戸に拠点を移す意向だ。それ故に、実際に働いてもらう建物は江戸にある」

「はっ」

「お金の形や、図形などは後で話そう。今日はゆっくりせよ。旅で疲れたであろう」

「ありがたきお言葉、お言葉に甘えさせていただきます」


 お金作りもこれで一歩進んだ。後は、分国法の作成と江戸城の完成か。そして、江戸城に結婚の前に最後に視察に行くか。後は、後藤もついでに連れて行こう。婚姻は来月の中旬、そう父上から聞いた。


 そして、ゆっくりと来るそうだ。予定表を見せてもらったが、少しずつ進んで、3週間ほどかけてここに来るのだと。海辺のルートを取るそうで、京を出発したら、まずは大和に入る。大和から、伊勢、尾張、三河、遠江、駿河と来るらしい。各国の守護代からも挨拶を受けて、中心の城には、絶対に泊まることになっているらしい。もう後、一週間ほどで京都を出発すると聞いた。さらに近衛兵が、今日、三千人ほど、迎えに上がる為、駿府を出発した。


 僕の考えでは、江戸に移ったら史実の江戸幕府に基づいた役職を作ろうと思う。まあ今の体制も続けて、うまく融合させるつもりだ。そもそも、近衛兵は実際に僕たちの身辺警護はしない。その代わりに、僕らに使える中級武士ぐらいが、実際の警護を務めているのだ。近衛兵は屋敷などの警備が基本として、更に、軍事行動を起こす時は、本陣の周りの警備、そして、示威を示すことに使う。


 今回の迎えでは、近衛兵だけではなく、瀬名氏俊が、別に500率いて、近衛兵の指揮権も預けられた。これが僕の妻を迎えに行くためのようだ。なんでこんなに大掛かりなことをするのかはわからない。まあ今川家としても、将軍家から正室が嫁ぐなんて初めてだし、力が入っているのだろう。僕が1人だけ興奮していないようだ。


 それに、僕が、住んでいる離れが少し改装され始めていた。今までは僕の一人暮らしだったが、これからは妻が来るからだ。しかし、婚姻が近付いて、現実味と準備が進められるに連れて、僕自身は寂しかった。妻なんて欲しい訳ではない。僕は普通とは違った。幼い頃から武器や歴史、戦争、政治などのみに興味を抱き、その他のことは興味を持たなかった。勉強も全て自分の将来の夢を行うためだったし、こっちに来てからは、生き残る。更には歴史に名を残すためだ。


 僕は別に女性には興味がない。駿府がお祭り騒ぎになっていくのに伴って、愛する事もできなそうだし、自分は喜べないことに、僕は居心地悪く感じて、江戸に行く予定の視察を前倒しにすることにした。既に、お金のデザインなどの話し合いは終わっていて、後は実際に業務に取り組むだけだ。まあこんな性格の僕は変わっているのだろう。政略結婚は嫌だけど、今の生活も幸せだし、自分が恵まれていると思う。






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