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第114話

またしても投稿が遅れてすみません。

楽しんで読んでくださると幸いです。

ブクマ、評価、いいねが大変励みになっています

 福島に色々命令した後、僕は軍事関係の書類を見ていた。現在、銃隊の試験が終わって、すべての国に配備が始まっている。渡された報告書によると、1000の単位からの切り捨てで、陸軍海軍合わせて、28万ほどいるらしい。自衛隊の兵数を超えている。僕たちの人口的には多いと言われかねないが、戦国の世は違う。後、この大軍の維持は今川家の保持する類稀な財力によって支えられていると言えるだろう。


 まあ、この職業軍人の中には未だ訓練中の兵士たちもいるが、これだけの人数とそれに合う装備を集めるのはかなり大変だと思う。まあ三好を警戒して、悪いことはない筈だけれど。後は武田家に妹を嫁がせる予定だが、上杉とどうやって関係を強化するかだ。上杉家に娘を嫁がせるのは困難だし、当主は結婚する気がないらしい。しかし、そうなると後継ぎになる人物がいない。どうするのか気になるものだ。


 しかし、報告によると僕らが保持している大砲の数は、150門。そして、銃は各国軍に配備したのを除いて、400挺用意できたそうだ。後は馬の養殖だが、まだまだ足りない。自動車の開発は一向に進まないし、どうすれば良いものか。実際に作られた時代よりだいぶ前なのは理解しているけれどなあ。戦闘機の作成も一向に進まないし、不満が溜まる。千吉がいるから、レーダーとか、暗号回線みたいのはできているらしいのだけれど。他にも転生者がいないかなあ。それも軍事に詳しい。そういう人がいたら助かるんだけれど。はあ。軍事面の発展はすごいけれど、僕がいた時代と比べると便利さはまだまだだ。もっと、頑張らなければ。


「若殿、南蛮の商人をお連れいたしました。」

「入れ」

僕は商人との話の結果、印刷機の輸入契約を行った。これでお金を作るのに一歩前を進んだ。お金を作るのは江戸の予定だ。江戸の街にはまだ建物が無く、城だけが進んでいるが、僕はそこに、お金を作る鋳造局というのを作らせた。もちろん警備は厳重にだ。まあ城ではないし、結構早くできるだろう。大きい軍の基地も江戸にあるし、商業は駿府な一方で、僕は政治を江戸に移す準備を整えていた。


「若殿、来客がいますが通してよろしいでしょうか」

「何者だ?斎藤佐渡守がおいでです」

「わかった。通せ。検知の結果だろう。余が自分の家臣ばかり使っているから父上の家臣も使えと言われて、任せた者だな」

「はっ」

「若殿、検知の結果が出ましたので報告に参りました。ただ紀伊国はいまだ済んでいません。現在開始しています」

「そうか。現在の状況でいいから教えてくれ」

「はっ」

斎藤佐渡守は僕に紙を渡してきた。そこには全国の石高が書いてある。


「見てくださればわかると思いますが、改良した新種の米が、盛んに育てられています。また、各地の開拓や、堤防の設置などにより、石高がかなり高いかと。それで、紀伊国を抜いた今川家の石高が1542万8千石です」

「そうか。よくやったな。思ったより多い。何故だ?」

「はっ、開拓事業、さらに太守様が主導された、便利な農具の設立と貸出などでしょう」

「ほう?それは面白いな。そのようなことをしているなんて知らなかった。いつその取り組みは始まったのか?」

「はっ、若殿の出陣中に決められたことです。確か上洛戦の途中に。財政に余裕があったので、作業効率の向上のために決定したと小耳に挟んでおります。その結果各地で米の量が増えたのかと」

「生産量が増えたことにより、余った米はどうしているのだ?」

「はっ、備蓄に回しています。また、米以外にも若殿が進めている、南蛮野菜の生産もかなり良く、一部の物は特に南蛮人から大変人気で、莫大な利益を築いています」

「そうか、それはよかった。よくやったな」

「はっ」


 米の生産を始めとした、今川家の収入がかなりあるようでよかった。色々、今川家でやっている政策がうまく行っているようだ。しかし父上もすごいな。父上みたいな名当主にならなければ。僕は内政をまともにせずに、戦に明け暮れたなどと後世で描かれたくない。




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