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第11話

美濃を無事に平定して、僕は稲葉山城から城下を見下ろしていた。美濃は僕が差配することになっている。とはいえど僕は駿府に戻るのだけれど。

「綺麗だな。」

「はっ」

「勘助、余は城下で楽市楽座を行うことを考えている。商売を活性化させる。」

「それは面白い案だと思います。」

「そうか。それを施行し、然るべきものを城代にする必要がある。誰がいいと思うか。」

「通常なら岡部殿と言いたいところですがここは重要拠点です。清洲城と同じく今川家のものとして、鵜殿殿を城代といたすのは?一門衆でもあるので信頼もできますし。」

「うむ。そうだな。そうしよう。楽市楽座を行ったら、鉛が出るところがあるそうだからそこに寄ってから帰る。弾丸の生産を開始させる。」

「了解しました。」

「次は北条と戦を行うことになるだろう。」

「何故ですか?確かに敵対していますが主な動きはないのでは?」

「今北条は上野などで忙しい。武田や上杉と争ってな。後ろからやられれば武田にとっては助かる。甲駿同盟の関係もよくなるだろう。そして、確か昔奪われた土地を取り返したい。家柄にいうつもりはないが、元は家臣だった家がこうなったのは脅威だ。」

「わかりました。対北条の策を考えておきます。」

「頼む。よし、行くか。」

僕は簡単に美濃の采配をして、一部の家臣には銭に変えて領地を与えて、鉛の採掘などの指示も出し、駿府に帰った。父上はげっそりと痩せていた。


「父上、今川美濃守只今戻りました。」

「彦五郎よくやったな。」

「父上、元気はないようですが?」

「定の死でな。ここだけの話だが隠居も考えている。」

「父上に隠居されては困ります。」

「彦五郎はまだ14だもんな。隠居はせぬ。」

「して美濃の話ですが.........」

僕は父上の承認を得て何人かの家臣の領地を美濃に移したりなど様々なことを行なった。そして評定の場にて提案したい事柄があった。評定は月一で行われる。


僕が待ちに待った評定がついにきた。

「父上!発言の許可を。」

「うむ。彦五郎、如何した?」

「はっ某は相模北条を攻めるべきかと思います。」

「なっ、北条は巨大な相手だ。彦五郎、それを判っていっているのか?」

「もちろんです。状況を見たところ現在は武田、上杉、北条が戦っています。北条は上杉、武田と戦う一方佐竹、里見、古河公方などと戦っています。更に管領家も未だに健在。北条家はここで今川に攻められるとかなり苦しい。」

「確かにそうだが。」

「北条の本城までとらなくていい。伊豆ぐらいまで取れれば和睦でいいでしょう。北条は強い。ですが3方面はきついのでは。」

「確かにな。わかった。彦五郎、やるか。この度は余も出る。余を総大将とし、彦五郎は副総大将だ。留守居は岡部元信。岡部、頼んだぞ。」

「ははっ」

「性急に準備せよ」

こうして今川対北条の戦の準備が整っていった。

「後もう一つ、常備軍を作るべきかと。農民の次男や三男を雇い、専門の訓練をこなすと練度も上がりましょう。」

「それも良いな。確かに我らは次男三男を優先的に徴兵しているしな。だから農繁期でも兵を動かせるのだが。後武田にも北条の件を伝えよう。」

「はっすぐに使者を用意します」

「頼んだぞ。」


僕は父上の御前をさがると早苗休運を呼んだ。以前出資をしてやった恩があり、僕の家臣で諜報活動も行っているほどだ。

「休運、頼みがある。小田原城下に潜入してくれ、できたら城内もだ。」

「わかりました。部下にやらせましょう。」

「頼んだぞ。」

「若殿のためですから」

僕は休運を使い小田原に自分の手を潜り込ませていた。これは何かに使えるはずだ。












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