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第108話

更新が遅れてすみません。楽しんで読んでくだされば幸いです

僕は、京での仕事を終えると、もう帰る準備をさせた。京に長居するつもりはないし、帝に会う予定もない。それより、早く帰るほうが重要だ。京都より西には、僕の影響力が低い。もちろん、東側では絶大な権力を持っていて安全なのだが。西側は今の所、三好の勢力圏だ。まあこれから先どうなるのかはわからないが。御所から帰ろうとした時、声をかけられた。

「今川宰相様、少しお時間をいいでしょうか?上様が少し会いたいと」

「わかった。今行く。」

義兄上、急になんだ。明日には、やることがないし帰ろうと思っているのだが。3日間は必要かと思ったけれど、結局、初日から動いたら、短縮できると思って、実際にそうだったし。色々忙しいし。今川家分国法の制定をするって前、父上が言ってたし。未だ正式に始まった訳ではないみたいだけれど。

「彦五郎、参りました。」

「入れ。」

「義兄上、何用でしょうか。」

「畿内とその周辺について、相談があってな。」

「なんでしょうか。」

「畿内では、摂津は幕府に従っている。幕臣の多くもそこに領地を持っている。そして和泉は直轄領、大和は今川領だ。山城国では、安定している。しかし一部は従っていない。そこは未だマシだが、河内国だ。あそこは、戦乱が続いている。困ったものなのだ。」

「義兄上、直轄領にいたせば良いかと。武威も示せますし、権威も上がりましょう。大和から国軍にて、引きつけましょう。そこを攻められなさいませ。そうすれば畿内は平定が完了いたします。」

「河内は解決したか。彦五郎、ありがとうな。実地する際には連絡する。」

「わざわざ駿府ではなく、大和郡山に連絡して下さいましたら、守護代が行います。」

「そうか。頼んだぞ。」

「はっ」

「それでだ、問題は紀伊だ。」

「紀伊ですか。あそこは様々な勢力がおり、危険ですね。」

「そうなのだ。余の力では何もできぬ。そこでだ、頼まれてくれぬか。」

「なんでしょうか。」

「今川家に紀伊守護職を与える。そして、紀伊を配下に入れて欲しい。」

「紀伊ですか。雑賀集などの曲者が多い上に、鉄砲もあり、危険ですね。」

「わかっている。頼む。将軍家では無理だ。それに他の大名家も難しいし、飛地になる。守護である畠山は任務を放棄しているため、取り上げる。周りは今川領と直轄領のみ。頼む。彦五郎だから頼んでいる。」

「わかりました。検討しておきますが、婚儀が3ヶ月後に迫っていますが。」

「わかっている。今川家なら一月ぐらいでできる筈だ。」

「それは我らを買い被りすぎです。」

「いや、これは事実だろう。紀伊の平定が成し遂げられたら、京より東は安定する。摂津は未だゴタゴタしているが、三好の存在がなあ。排除はできないものか。」

「今は未だ難しいでしょう。それにそのようなことをおっしゃると消される可能性があります。一応表向きは三好家と今川家で支えていますから。まあどう見ても、某と、義兄上で回していますが。」

「わかった。三好は抑えておこう。しかしいずれ戦うと思う。三好は今の立場が満足できない筈だ。彦五郎、準備しておけ。そして紀伊を取れ。」

「了解しました。」

「うむ。駿府に帰ると良い。今回はすまなかったな。忙しいだろうに。紀伊を頼んだぞ。なるべく早くにな。」

「はっ」

義兄上にお願いされたことは面倒くさいが、協力した方がいいだろう。どうせ、いずれ戦うんだから。それが早くなるだけと思えばいいか。しかしこのまま攻める方が、早いがきつい。軍勢が圧倒的に足りない。雑賀衆のみ、調略するか。他は攻め滅ぼすでいいだろう。雑賀衆は巨大で鉄砲を使う。要はそれだけの財力を持っているということだ。そして鉄砲は警戒する必要がある。やっぱり勝つためにも、道案内が居た方がいいしな。まあ地侍の調略もさせるけれど。僕らは信長とは違って、西というより、東を重視していた。しかしこれからは西に行く必要がある。滅びないためにも。頑張らなければな。紀伊を配下においたら、一種のラインができる。そこから先は敵だらけだ。どうなるのやら。






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