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雪山

作者: まめこ

大学を出て、坂を下る途中だった。

折り重なるように連なる山々の隙間に、割り込むように建っているこの大学に通って、もう四年が経とうとしている。

標高の高さ故に冬の寒さは厳しい。

四年のうち雪の降らない年はなかった。

今年もたった1日のうちに足が埋まりそうなほど積もり、街はもちろん山々も真白い雪に覆われたのだった。

積もる時は一瞬だが、溶けるのには時間がかかる。

道路や歩道の雪が退けられた代わりに、積み上げられた雪山が広いY字路の丁度車が通らない空間に我が物顔で聳え立っていた。


大学前の坂道からしか見えない山がある。位置の問題か、標高が違うのか、日の当たり方が他の山と異なっているのが印象的で帰り道など好んで見みながら歩いたのだった。


大学での用事を済ませて、雪に足を取られないように、俯いて坂を下る。すれ違う学生は、音楽を聞いたりしているが、同じ様に俯いて進む。


顔を上げた時だった。あの山の美しさが目に映った。

真っ青な山の頂上が白く染まっているのではない。もっと近くにあるから、木々まで見える。山の地面に白く積もる雪が見える。枯れ木が見える。


快晴の日差しが山をよく照らした。表面がなだらかではないからなのだろうか、まだらに青く、白く、暗く、明るく見える。山全体が光っているような不思議な美しさに、目を離すことが出来なかった。

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