再会
夏休みが開けて、学校が始まった。
「沙耶」
「ん?」
「夏休みどこ行ってたの?」
「ちょっと京都に」
「なにしに?」
「家族で旅行だよ」
「そっかー」
友達には嘘をついた、だって陰陽師の修行だなんて信じてもらえないから。
「そろそろ体育館に集合して」
「はーい」
あれから安部君とは連絡はつかないし一体どこで何してるのやら、さっぱりだった。
それから体育館に集まって全校生徒が一堂に会した。
校長先生の退屈な話しを聞いて、それから生活指導の先生から夏休みでは事件はなかったのでこの調子で進めてほしいって言ってた。
事件がないならそれで言わなくてもいいのにって思ったがそれも必要なことなのだろう。
そんなことを考えていたら、一人の教員が大声を上げていた。
「おい、なにしてるんだ?!」
そこに立っているのは安部君だった。
俺は遅れて全校集会が行われてる体育館に向かいばれないように、一番後ろに座って教員の話しを聞いていたのだが異変は起きた。
「あー、これ来るな」
「太一…」
「分かってる、戻ってきてから早々に仕事ですか」
俺は体育館のドアを開けてその場に立った。
「お前なにやってるんだ?」
なにやら後ろから声が聞こえるが今はこの異変だ、これは脅威と言うより、殺意が籠っているなにかがこちらに向かっている。九尾もそれに気づいたのだろう。
「直ぐに自分の場所に戻れ」
「はいはい、これが終わってからね」
「お前教師にそんな口ぶり、なめてるのか?」
「それより、来ますよ」
「は?」
「ほら、もう雲の下に」
「え!!」
上を見ると炎を纏った龍がこちらに向かってきていた」
「うわーー!!」
教師が体をかがめてうずくまっている。無理もない。
俺は両手を下につけて、上に上げる。そうすると結界が龍が向かって来ている方向に体育館を守る結界が張られた。
「さてどうする?」
龍は結界に正面衝突してそれで終わったかと思った瞬間散らばり、正面から後ろに何体かに分裂して中に入って来た。
「しょうがないな」
俺は結界を体育館の中に張って生徒を守りながら、呪符を使い使い魔を分裂した龍にぶつけた。
体育館の中は阿鼻叫喚だった、生徒は悲鳴を上げて収集がつかないが龍は使い魔によって瞬殺された。
「なんなんだあれ」
「先生?」
「ん?」
「生徒の安否を」
「え?あ、分かった」
それからようやく、自分の仕事を思い出したのか生徒に怪我人はいないか確認をとっていていた。
俺は体育館の中に入ってきた龍が纏っていた炎の欠片が体育館の中心の地面に落ちて火は灯っていた。
俺はその炎に向かって歩きその場にいる生徒をどけた。
「ごめんね、ちょっと離れて」
「安部、何やるつもりだ?」
「ちょっと仕事を」
「は?」
俺はその炎に呪符を付けて、印を結んで地面に手を付け五芒星を描く。
瞬間、風がざわめき、空気が震える。結界の中心に描かれた五芒星が青白く輝き出し、教室の床にひび割れが走った。
空が裂けるような轟音と共に、蒼い稲光が奔り、巨大な龍の影が浮かび上がる。しなやかな体躯をうねらせ、金色の瞳がこちらを見下ろした。
「青龍、この炎を出してきた主の下に行き呪詛返しを」
青龍は頷き体育館を出て行った。
周囲を見回すと生徒や教師は現実味がないという感じでぼーっとしていた。




