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あの日の後悔。  作者: 太郎
序章
2/4

鹿川 なずな

「なんで僕の名前を知っているんですか?」僕はここが地獄ということよりも真っ先に浮かんだ疑問を解消すべくこの幼女にそう問いかけた。そうすると幼女は先述の通り人形のように「それは、私がここの空間ー始まりの間の管理人だから。」と僕の疑問を解消した後また新たな疑問を投げかけてきた。「始まりの間って?」


「それも含めて説明するから聞いておいて。

まず、ここは始まりの間といってその名の通り始まる場所。

何が始まるかはさっき言った資格に関係してくるよ。

貴方は生まれ変わる資格が閻魔様から与えられた。

だけど、生まれ変わる為には閻魔様の所まで行かなければならない。その為には試練が必要なんだ。」


「試練?それは一体どんな内容なんですか?そもそも、試練は受けなければならないんですか?」


「試練は受けなくても良いけれど、受けないということは資格の破棄と同様。貴方は地獄で一生暮らさなければならなくなる。それでも良いならお好きにどうぞ。それと、試練の内容はもう1人が来てから説明する。」


「もう1人ってことは俺の他にも地獄に落ちて生まれ変わる資格を与えられた人間がいるんですか?」


「そう言ったのだけど。まあ、その人が来るまで待っててよ。」


それから数分経った時、そのもう1人の方が俺が先程来たところからこちらへ向かってくるのが見えてきた。近くまで来ると全体の輪郭もはっきりと見える。髪は長く、生前の僕と同じ位の年齢。そして、僕は彼女を知っている。彼女は僕を刺殺した鹿川 なずなその人だった。


鹿川さんとは同じ会社の同期であり、住むマンションもお隣であった。そんな訳で僕的には仲良くやれていると思っていたのだが、あの日。

僕が仕事が終わらなくて残業していた所を鹿川さんは笑顔で手伝ってくれた。そして、仕事も終わり2人で帰って家に着いた時に鹿川さんに「明日はオフだから今夜一緒に飲まない?」と言われ、僕からの返事をうけとると、「じゃあ、30分後に私の部屋に着てね。」僕は言われた通り30分後に鹿川さんの部屋に行った。鹿川さんの部屋は整理がいきとどいていて、とても綺麗だった。いや、綺麗というよりも物が少なすぎたのかもしれない。とりあえず座ってと言われたのでリビングの真ん中に設えられている座布団に腰を下ろしゆっくりしていた時。不意に、背中がぞわりとした。僕はその正体を知るために後ろを向いた。そこには包丁を持ち、憎悪に満ちた表情をしている鹿川さんがいた。その光景を見た時、僕は理解が追いつかず、数秒硬直していた。数秒後、硬直した脳が正常になった時にはもう手遅れであった。僕はその時、刺殺されているということを理解した。しかし、刺殺されたことを理解したものの、何故刺殺されたのかは理解できなかった。そもそも、そんなことを考えることすらできず、僕は段々と意識が薄れてーー。「私は貴方を....い。この...を待....い...の。....を殺...たこと....え。」

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