第二話 スーパーファミコン ーComputerー
【お昼休みのグラウンドにて。サッカーゴール内】
「マジかよ!そんな事あったのかよ!笑」
ユウヤが昨日のコンビニで、小野瀬達にやられそうになった事をお弁当を食べながら笑っていた。
流石に、助けてくれたゴーグルの様な眼鏡をした女子生徒の事は格好悪いから伏せて置き、「猛ダッシュで逃げた」と報告した。
ユウヤは小野瀬の事が嫌いだから、この話はどうでもいい感じで、さっさと自分の弁当を食べ終え。僕の弁当に鳶の様な目で僕のハムカツをパクッと食べ、ユウヤのマイボールのサッカーボールをリフティングし始めた。
「あ!僕のハムカツ!」
「うめぇー!!やっぱアサタの弁当は世界一だ!」
(なんで、そこまで行く?世界って・・)
そうだ。昨日助けてくれた彼女から渡されたメモ、ポケットに入れっぱなしだった。
確か、今日何処かに来て下さいって言っていたな。えっと何時だったかな。(夕方18時に!?って書いてある)汗
「お!なんだなんだ。アサタ!コソコソとして、さては好きな子できたな〜笑」
「ちょっ、ちっ違うよ!?変な当て付けやめろよ!」
「ハハ!ムキになるほど怪しいな。よし今からこのサッカーボールでPK対決だ!もし俺に勝ったらすぐ忘れる!だがもし俺に負けたら素直にその怪しいメモ用紙を見せる事だ!ワッハッハ!」
いやいやいや、全国レベルのお前に勝てる訳ねぇじゃんかよ。
【時は遡り。異世界の話】
かつてはこの大地は、緑の生きた幾多の命が溢れ、大自然の大森林だった。
コズエル・サク首相による「炎魔術」で全ての空気と酸素を作る葉も源になる水も枯れ、この大地に住む魔物、動物、植物、人間、多くの生息者達が犠牲になり、生き残ったものは限られていた。
叔父上の言った通りだった。予言はデタラメだって、200年前にケスアハルコ遺跡の地下空間で「予言書」が発見されてから、何世紀も渡り、書かれていた予言には、何一つも当たらなかったって。この世には「救世主」ってのはいないんだと皆諦めていた。
次第に、政府と軍が暴走化し「平和への約束法」と言う法律と政界と組織を作り、エゼル王国栓が全世界に発令されてから一向にも安定と平和はほど遠く、豪族と民との格差社会、食料不足、餓死、飢饉、病原菌、戦争が生まれ。
今日まで混乱と混沌と絶滅の道に生息者達は信頼性が無くなり、「生命停止」の風景が広がる一方だった。
それでも、私は「予言書」に書かれていた言い伝えを信じていた。
「世界が混乱と混沌の時代に変わる時、大空から勇敢な救世主が現れ、全世界を明かりに灯すだろう。」
いつか「平和への約束法」を破り、政府と軍の組織と使者達を倒してくれると夢を見ていた。
【現実世界 堺浜高校 グラウンド】
お昼休みの鬼しんどくて地獄のPK戦ゲームがいきなりユウヤの悪ノリで開催され、
思い出して欲しい。僕は運動神経0の全くのど素人だ。対するユウヤは、小学と中学とサッカー、一筋で県大会も優勝へと導き、名門高校幾多からもスカウトされるほどのスーパースター高校生。(既に春の全日も決まっている)どう考えても不利すぎる。結果・・・
0:3の期待した通りのボロ負け。
最初から勝敗も決まっていたゲームに、僕はつまらない感じで、いきなり先行ジャンケンまでも平和に祈る終わる様込めたピースが負けた。
そして、遂にあの「メモ用紙」の事を早速追求しにやってくる。
でも残念だったなユウヤ。
僕はとっさに君がシュートエリアに向かう途中、予備にフェイクメモ用紙のパソコンクラブ案内を用意していたんだ。
「まぁいいや。パソコンクラブ良い部活だといいな!」
「そういえば、全日の試合近いんでしょ?」
ユウヤはこの四月下旬に、所属している全国日本高校生選手団サッカーの春の大きな大会が迫っていた。
この大会でMVPや印象をプロ達に見せつけれる夢の舞台にチャンスと日本代表の選抜メンバーになる看板に燃えていた。
「おー!小学校から憧れていたからな。ここで俺のスーパーハットトリックで全国の奴らをゴールまでぶっ飛ばして、選抜目指すぜ!」
やっぱ、ユウヤはサッカー天才で人脈もあって、凄いや。僕なんかと全然、世界が違うよ。パク!ん?
「あ!また僕のハムカツ!?」
【夕方 放課後】
一日の最後の8時間目の授業が終わり、他のクラスメイト達は既に部活動が決まっている個々の部室へと移動し、本日「日直当番」だった僕は数学基礎の問題が書かれた黒板を綺麗に消し、ズレた机の位置など直して、もう一人の日直当番だった女子生徒が所属しているバレー部に急ぎの為、今日一日の出来事を担任の宗茂先生に提出しなければならない連絡帳を「変わりに行って来て」と頼まれ、教室のカーテンを閉じ、教室のドアを鍵をかけて職員室にむかった。
職員室でコーヒーのブラックを飲みながら仕事をサボっている宗茂先生に連絡帳を渡し、今日も。
「おー!サンキュサンキュー。あ、部活決まったか?」
とりあえず、今日はパソコンクラブを見学しに行く事を言い、帰り際にコーヒーを飲ませてくれた。
【指定された場所】
ゴーグルの様な眼鏡をした黒髪の彼女に指定された場所に指定された時間よりも少し早く着いた。
「この教室かな。旧多目的教室。」
旧多目的教室は堺浜高校の校舎反対側の校舎一階の奥だった。
「ちょっと、10分早く着いちゃったな。」
今なら、帰るなら今しかない。
そもそも、彼女に助けられたのは本当に感謝をしている。
しかし、突然、「契約?」など「借り」や「この教室に来い」を言われ、確実に普通じゃない。
なんであの時、僕だけ彼女の声が聞こえたのか。
とにかく不思議な事だらけだ。
うん。そうだ。怪しすぎる。
そもそもあの大金のお金も・・・
「何を一人でぶつぶつ喋っているのですか。」
いきなり、僕の背後から女子の声が聞こえた。
「!?」
「集合時刻より8分早く到着ですか。真面目ですね。」
昨日、小野瀬達から救ってくれたゴーグルの様な眼鏡をした彼女だった。
「少し早いですが。教室に入りましょうか。」
彼女のスクールバッグから「青いカードキー」らしき物をだし、旧多目的教室のドアに向けて、気のせいか機械の反応した様な起動音がドアから発動した。
ピピッ!ピッ。
「コンニチワ。”ミヤサカ″サマ。タダイマ、ドアヲアケマス。」
「え?・・今、ドアが喋ってなかった?」
「はい。この教室はAlシステムになっています。ハイテクな盗難守護用機能です。」
は、はぁー。(AIシステムって、なんだこの教室は、)
気づけば、僕は旧多目的教室に彼女と入り、
帰るにも出遅れ、仕方なく従ってしまった。
(仕方ない。助けてくれたのは事実だし、せめて何か彼女にお礼を返したい。)
ん?
そういえば、この旧多目的教室。なんかおかしいな。
この旧多目的教室の教室内は、
長細いデスクトップにハイテクなパソコンやノートパソコンが置いてあり、
奥の壁際に置いてある机にはお菓子や駄菓子、コーヒーを作るバリスタとミニ冷蔵庫まであり。
とにかく巨大なスクリーン画面と、その画面に向かって教室内の中央に五角形なステンレスの様な土台と土台内に無数に置かれた、まるでカプセルの様な丸く見たことのない特殊な機械で出来たマシンが五角形の土台に設置してあった。
「なんですか・・・ここは??」
彼女がハイテクなパソコンがあるデスクに座り、ノートパソコンの方のキーボードのエンターキーを押したとたん、先の五角形の土台の中央から
まさかの「コンピュータ」が中央から出てきた。
「これって、スーパーファミコン??」
スーパーファミコン。今はあまり見なくなってしまった、テレビゲーム機の初代とも言えよう。90年代初頭に発売された、型番SHVC-001の「スーパーファミコン」が五角形の台から出てきた。
凄い懐かしいな、僕が小学校2年生まで持っていたゲーム機だ。
昔、行方不明になった父が蒸発する前、父が持っていて、そのまま僕が貰う事になって物心付いた頃から遊んでいた。
父もかなりのゲーマーだったらしく、前の家ではたくさんのゲームソフトが置いてあった。
格闘ゲーム射撃ゲーム探偵ゲームと色々クリアした。結局最後は弟に壊されたんだっけ。
「あなた。結構なゲーマーの様ですね。〝ショウジ″さんと同じか楽しみです。」
「あ、あの。・・ここは一体なんなんですか、それにあなたは、」
「すぐに、全てを理解します。時間です。」
その時、教室のドアから大きな声で怒鳴りながら入ってきた人が入ってきた。
【第三話へ続く】