狙撃
インターベンションを手にした海斗は突き落とした不良たちのチームを探した。すると赤く髪を染めた松山を発見した。次々と降りてくる不良チーム。海斗はそのチームは飛んですぐパラシュートを開いてたことに気づいた。
「なーんだ。あんなことは平気でやるのにさ、自分がやると怖気づいてすぐ開きやがった。ま、俺からしても好都合だけとな。」
祐介がそろそろ着地するときに海斗が狙撃を始めた。海斗は人ではなく、パラシュートを狙った。海斗が引き金を引くと、轟音とともに、インターベンションが火を噴いた。
「意外とうるさいなこれ。」
「海斗、何無駄玉使ってるんだ。」
「何のことだ?」
海斗は休まず撃ち続けた。すると、不良たちのパラシュートがしぼみだした。その後、少ししてから、海斗の横に様々な武器が転移してきた。MAC10、MP5(サブマシンガン。近接型)M16,SCAR-H(アサルトライフル中距離型)デザートイーグル、M9、(ピストル)KSG12(ショットガン)L96A1 (通称 AWP )(スナイパー)、M60(マシンガン)そして片手剣。
「十個あるな」
「それが、どうしたの?」
「あいつらを全滅させたってことだよ。これであいつらのクリスタルは俺らの祠の中にあるはず」
「どうして、あいつら何もしてないのに。どうして簡単に殺せるの?」
「殺すとあいつらの武器が手に入るし、あとで有利になるからかな。あと殺されかけたことで彼らとは敵対関係だとはっきり分かった。」
「でも、冗談だったと思うけど。」
「冗談でもあいつらは俺を殺そうとした。だから、俺もそうする。あんな下衆で躊躇なく人を殺そうとした奴らは、世の中のためにも。俺はこんな状況は、あの強盗事件と同じだと思う。殺さなければ、殺される。」
祐介は言い返す言葉も見つからない。彼は海斗と違って、生死が掛かってる状況に置かれたことがない。その上、親を殺された海斗は痛いほどわかっていることも承知の上だった。
「ま、あいつらを平気な顔で殺してる俺も大差ないけどな。」
「そういうところが海斗だよな。何やっても人格は一緒。先生に怒られても、いじめにあってでも、船が沈んでも。」
小学校からの付き合いの祐介は海斗の発言を軽く受け流す。いわゆる、親友の中で分かりあってるところがある。
「船はまだやってみたことがないな。」
「あはははははは。そう言うとやってみたいように聞こえるよ。」
「この武器の中でほしいものはあるか?好きなのをやるよ。」
「まじか。じゃあ遠慮なくM16もらっとくよ。」
二人は話しながら、祠に向かった。
祠には、残りの女子四人と男子四人がすでにいた。彼らは銃よりも剣などの接近専用武器や生活アイテムを手にしていた。他の奴らにチームに入れてやるからこの武器にしろとでも言われて騙されたんだろう。
皆集まったところで話し合いが始まった。海斗が最初に話し始めた
「ここに一チームのクリスタルがある。俺らの祠には合計二個あることになるが、俺がどう手に入れたのか聞くか?」
「どうせろくでもない方法だろ?」
と日向が聞いた。彼は目立たず、なじまず、友だちがいないことで噂になっている。逆に、根はいい人と聞くこともある。
「ああ、皆殺しだ。ゆっくり降りてきてる奴らを一人一人撃ち落とした。」
「ヒヒッ、人殺し。お前についていくと、俺らまで殺される。こいつなんか置いて行っていこう,他のグループに避難しようぜ。」
「確かにね、彼は小6の時に人殺してるしね。日向のほうがよっぽどマシだよね。」
とギャルの大田が続ける。
日向に大田、小林、渡辺、阿部、後藤、青木そして平野がついていった。小林は、男で、夏休みの後に入った編入生でなじめず隅で本を読んでることが多かった。渡辺は、美人だが気弱な女の子で体が生まれつき弱くいじめられ気味だった。海斗に助けてもらったことは何度かあるが、これが原因でさらにいじめられたこともある。阿部は、陸上部のエースで様々な男子に人気だったのが原因で前の学校でいじめにあっていた。だけど、この学校に来てかろくに部活もせずに、女子カーストに入り込んでいた。後藤は盛り上げようとして毎回煙たがれる様なお調子者。みんな彼を嫌がる事が多い。青木は頭が悪い上に、不器用だ。彼は細かい作業をすると何かしらと周りが怪我してた。平野はメガネかけた運動音痴の女の子。噂では眼鏡取ると超美人だとか。。。
とにかく戦力になりそうじゃないメンツだ。
海斗は諦め、二人だけになった海斗たちはアイテムカードを探しに行った。
最初にカードを見つけたのが祐介だった。
「お、ここにMREのカードがあったぞ」
「よし、食べ物は最低限は困らんな」
「やっべー、弾丸詰め合わせボクスのカードを見つけた。なになに、『スナイパー、マシンガン、ショットガン、などなどの全種類の銃の弾丸が入ってます』とよし、これで弾数にも困らんぞ。」
「お前、運良すぎるだろ。俺なんて一つも見つけてないのに。」
その時、渡辺の悲鳴が聞こえた。