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第23話 決闘の果てに(Ⅳ)

 天音メイリとウッドゴーレムたちの死闘は続いていた。

 振り下ろされる枯れ葉の剛腕。

 拒絶するように()ぐ疾風の刃。

 切り崩された木偶(でく)が風に乗って舞い上がる。されどひとたび目を離せば、再び舞い戻って新たな木偶の(いしずえ)となる。

 一進一退の攻防といえば聞こえはいいだろう。

 その実、着実に追い詰められているのはメイリだった。


「――<フレイム>」


 暴風を振るって周囲のゴーレムを蹴散らしたメイリが、つかの間の間隙を活用し、温存していた利き手で改めて魔法陣を描く。

 簡素な魔法陣から放たれるは炎の魔弾。

 その一撃が、ゴウッ! と音を立てて1体のゴーレムを焼却した。

 真っ黒な燃え殻となって風に流れていくゴーレムの残骸。その場には核をなしていた魔法陣が残り、再び胎動せんと輝きを放つ。が――なぜか、枯葉の魔人は再生しない。

 遅れて、残った魔法陣もサラサラと空気に溶けて消えていく。

 それはまさしく、ゴーレムの撃破に成功したことを(てい)していた。


「おヤおヤ、気付かれてしまいましたか。そう、ウッドゴーレムの弱点は炎! 燃やされて灰になってしまえバ、そこから再生することはできまセン! デスがぁ……」


 弱点が露呈(ろてい)したというのに、ベーゼルの表情から余裕が消えることはなかった。

 むしろ増長したように口角を釣り上げ、それに連動してゴーレムたちが(ふる)い立つ。


「この数のゴーレム。燃やし尽くすのにどれだけの時間がかかるんでしょうネェ?」


 ベーゼルがつけあがるのも最もだった。

 メイリが<フレイム>の魔法陣を描き上げ、術式鍵語(エフェクトコード)を唱え、射出して1体のゴーレムを撃破するのに、かかる時間はおよそ3秒。

 確かに早いが、すべてのゴーレムが倒されるまでにはそれでも途方もない時間を要する。この方法でメイリが勝利することは事実上不可能なのだ。

 さらにベーゼルは、やろうと思えば後からいくらでもゴーレムを追加することが可能である。素材さえ足りているのならゴーレムの錬成に特別な手順などいらず、魔法陣を1つ描き上げるだけなのだから。

 実際、ベーゼルは残存するゴーレムの指揮の(かたわ)ら、隙を見ては新たな魔法陣を構築。戦力を追加投入して軍勢の強化を図っていた。

 今や視界一面ゴーレムの波。すでに森全体がゴーレムで埋め尽くされてしまっているのではないかと想像しても無理のないことだ。

 それでもなお、少しでも敵の数を減らそうとメイリは魔法陣を描き始める。


「おォっと、させませんヨォ?」


 けども、黙って看過することのないのはベーゼルも同じだ。未然に妨害するためすぐさま新たなゴーレムをけしかけた。


「さァさァゴーレムタチヨ! 果ての果てまで進むのデス!」


 一糸乱れぬ行進で圧殺せんと迫るゴーレムの軍団。

 これを寄せつけまいと、やむなくメイリは魔法陣の描画を中断。


「――<テンペスト>」


 吹き荒れる嵐の隔壁を360度展開し、防衛に回る。

 暴風に踏み込んだゴーレムの手足は刈り取られ、木片へと分解された上で放り出された。

 しかし、戦闘が始まってすでにかなりの時間が経過している。

 それこそ、軍団を統率するベーゼルが、その壁の欠点を把握し終えるのに十分な時間だ。


「キヒョヒョヒョヒョ! そんな(もろ)い壁で防ぎきれるとお思いデスかァ?」


 指揮棒の振り方を変え、ベーゼルがゴーレムの行動進路を変更する。

 敵を倒せ。拠点を守れ――など、事前にインプットされた単純な行動しか行えないのが、本来のゴーレムという存在である。

 けれどベーゼルにおいては、指揮棒型の魔導具で魔法式を与えることにより、後から新たな命令を付与する技術を確立していた。

 さらにはごく少数(といっても数百はくだらないが)に限り、指揮棒を介して直接的な操作を行うことも可能であり、生身の人間が編成する軍隊にも劣らない統率力を有する。

 これらの技能を用い、直接操作する指揮官機と、その個体の制御下に入る多数の随伴機で構成された小隊を軍団内部に編成することで、隊列や陣形を組織することさえ可能にする高度な連携能力を獲得するに至っているのである。

 今まさに、ベーゼルの(たく)みな指揮によって軍団が編隊を再構築し、嵐の壁を攻略せんとする新たな陣形を組み上げた。

 一切無駄なく、足並みを揃え、寸分(たが)わぬ編成を整えるその様は、超一流のオーケストラが奏でる旋律を幻視しているかのように、見る者の心を震わせる光景だ。


「包囲ィ!」


 360度全方位を網羅する嵐の壁に、対抗して360度。

 枝一本の隙間もないほど(みつ)に並んだ、城壁のようなゴーレムの円がメイリの周囲に築き上げられる。

 一回り大きな円を同じように構成したゴーレムの一団が、少し立ち位置をズラしてその後ろについた。

 さらに後ろ、そのまた後ろにも、ゴーレムの円が作り上げられていく。

 やがて、螺旋を描くゴーレムの円陣がメイリを完全に包囲した。


「からのォ、突撃ィ――!」


 ベーゼルの指示で、ゴーレムたちが一斉に進攻を開始する。

 中央の輪をただ(せば)めていくだけの、愚直な行進だ。

 最初の一群は、吹き荒れる真空の爪牙によってあっさりと壊滅した。

 けれども、何体かは運よく風圧の弱い位置に飛び込んでいたらしい。進むことはできないが弾き飛ばされることもなく、小さな()みのようにその場に踏みとどまる。

 続いて第二群が進撃。やはり大部分は消し飛ばされたが、先に残った個体の風下に立ったものや風圧の強い部分を運よく切り抜けたものが、新たに壁の内部に残る。

 第三、第四の軍勢が踏み出し、小さな染みに等しかった壁内部の障害物は、無視できないほど体積を拡大していった。

 さらに第五、第六の軍勢が進撃。もはや嵐はそよ風へと格落ちし、枯葉の壁を時折斬りつける程度でしかなくなった。踏みとどまっていた個体も、後方から迫ってくる壁に押し出されるようにさらに内部へと突き進む。

 そして、第七。

 ついに枯葉の腕が、中心に立つ雪白の魔女をその射程に収めた。


「……っ」


 これはメイリ自身も予期していたことである。

 以前、将軍率いるエルフィアの軍勢と対峙した際にも露見(ろけん)していたことであるが、この<テンペスト>は全方位をカバーすることが可能な代わりに、風の密度がそれほど高くない。数か所、影響力の及びにくいスポットがどうしても発生してしまう。ケーキのスポンジに穴が開くようなものだ。

 そうして開いた穴に飛び込まれ、あまつさえ穴が拡大されてしまえば、壁は一瞬で虫食いだらけの薄板以下へと成り下がる。

 総当たりで弱点を探し出す根気と物量。それこそがすなわち、この魔法の天敵なのである。

 くしくもそのどちらをも兼備するベーゼルのゴーレム団に、これが攻略されるのは必然といえた。


「<アップドラフト>」


 迫る枯れ枝が柔肌に触れる寸前、メイリは<テンペスト>を強制終了して新たな魔法を発動した。

 それにより、足元から木片はおろか岩石すら巻き上げられるほどの強烈な上昇気流が発生。草木や土塊を伴ってメイリの体を天へと放り投げる。

 一瞬の(のち)には、メイリの姿は(はる)か頭上。ゴーレムの軍勢全体を見下ろせる天空にあった。


「<ダウンバースト>」


 落雷を(もたら)す神々のように。あるいは判決を下す法官のように。

 空中に(とど)まったまま、メイリが眼下に向けて左腕を振り下ろす。

 その動きに連動して、さらに上空から雷霆(らいてい)さえ彷彿(ほうふつ)とさせる怒涛(どとう)の下降気流が到来した。

 上級魔法にも匹敵する破壊力を秘めた風の大槌が、足元に群がる衆愚(しゅうぐ)を粉砕せしめる。さらには勢い余って、周辺の木々や撃ち込んだ大地までもへし折り叩き割るほどだ。

 けれどさも当然のように致命傷には至らず、(ちり)と化したゴーレムは再び細片を拾得して元の姿を取り戻した。


「逃がしませんヨォ!」


 破損した個体の再生も待たず、ベーゼルは残ったゴーレムに新たな指示を与える。

 命令に反応したのは雑兵ではなく、ベーゼルの操縦を直接受けつける指揮官機ばかりだった。

 それは、これから行う戦法が極めて精密な操作を要するため。

 まずは数体のゴーレムが円陣を組み、その中心に立った1体を腕に乗せて持ち上げる。騎馬戦の騎馬を組むような構成だ。

 さらに周囲に追加の円を描いたゴーレムたちが、この集団を嵩上(かさあ)げする。

 そうして、枯葉の魔人によるピラミッドのようなフォーメーションが出来上がった。

 これが空中に陣取るメイリを引きずりおろすために組んだ陣形であることは多言を要しないところだろう。

 しかし、上空に待ち構えるメイリには依然として手が届かない。

 そこでゴーレムたちは、内側の個体を支える腕を下げ、足を曲げ――

 外側から一息に持ち上げて、中央の1体を空中へと放り投げた。

 胴上げのように、組体操のフィニッシュを決めるように、ゴーレムが宙高く飛び上がる。

 着地など一切考慮されていない、片道切符の大跳躍。命の重みを持たないゴーレムだからこそできる挺身(ていしん)の芸当だ。

 ほぼ同時に、まったく同じ編成、同じ動作で、その隣からもう1体、ゴーレムが空に射出された。

 速度も、高さまでも同一に跳ね上がった2体のゴーレムは、ついにメイリに並ぶ高度へと到達する。

 そして鏡合わせのように左右対称に腕を振りかぶり、無防備に滞空するメイリへと叩きつけた。


「っ、<ヘッドウィンド>」


 激しい風の逆噴射。

 枯葉の剛腕が体をへし折る寸前、メイリは自身の方へと向かってくる強烈な逆風を発生させて、その風に突き飛ばされるように乱暴に後方へと離脱した。

 殴打を空振ったゴーレムは体勢を維持できず、そのまま直下へと急落して砕け散る。

 危機一髪の、華麗な回避だ。

 しかしメイリにとっても、これは苦渋(くじゅう)の決断に等しい緊急脱出(ペイルアウト)だった。

 とっさの判断では退(しりぞ)く方向も速度も完全には調節できず、メイリは斜め下の地面へと――その地点に(うごめ)くゴーレムたちを蹴散らしながら、半ば墜落するように叩きつけられていたのだ。

 幸いにも魔法の制御が間に合い、風を全身に(まゆ)のように(まと)いながら着地には成功。身を打ちつけることこそなかったが、急加速と急制動による肉体への負担が、ただでさえ身体能力の弱いメイリをどうしようもないくらいに追いつめる。

 加えて落ちた場所も悪く、今<テンペスト>を起動したところで攻撃を防ぎきれないほどに、ごく近距離にゴーレムたちが溢れていた。

 もはやゴーレムが一歩踏み出すだけで勝敗が決する状況。

 勝利を確信し、ベーゼルは得意げに高笑いを上げた。


「キヒョヒョヒョヒョ! どうやら決着がついてしまったようですネェ?」


 すぐにはゴーレムを動かさず、メイリを嘲弄(ちょうろう)するかのごとくベーゼルがまくしたてる。


「1人にしてはよく粘った方デスが、残念無念! ワタクシの勝利にございマス。(あわ)れですネェ? (みじ)めですネェ? 大方ワタクシ1人にならば勝てると息巻いて来たのデショウが、(ふた)を開いてみればこの無様!」


 返す言葉もなく、メイリはただ黙って(うつむ)いている。


「まったク、シリウスサマが脅威とおっしゃられルので警戒したのニ、とんだ肩透かしデスヨ。マァ、風の魔法の使い方には目を見張るものがありマシタカラ? そこだけは評価シテ――アナタを殺した後、その亡骸(なきがら)はワタクシが有意義に使ってあげマショウ。魔導士の、それも異界人の死体を利用して造るゴーレム……アァ、どんな傑作が出来上がるのか今から(たの)しみでなりまセン! おっト、心配には及びまセンヨ? 人体実験は違法とされていマスが、アナタ方異界人に我が国の法は適用されまセンノデ!」


 完全に沈黙したメイリの耳には、ベーゼルの誹謗(ひぼう)などとっくに届いていなかった。

 耳に入る音は遠く、視界に映る砂粒は(かす)み、肌を撫でる空気が冷たく体温を奪っていく。

 思考を埋め尽くすのは、敗北への絶望感。これからこの身が蹂躙(じゅうりん)され、命を絶たれることへの恐怖のみ――

 ――否。

 絶望? 恐怖? この程度で?

 生ぬるい。

 これが絶望の光景だというのなら、少女が生きてきた()()()()は地獄の最下層に他ならない。

 これが恐怖の結末だというのなら、頭にこびりついた()()()()は紛うことなき致命の苦悶(くもん)だ。

 ゆえに、少女の脳裏に開く思考はただ1つ。

 茶番に等しきこの状況を締めくくる手段を。

 ()い寄る有象無象に終わりを告げるその時を。

 完膚なきまでに逆転するための一手を、導き出すことのみだ。

 無論、その程度の思考など、目の前の男が何事かを語りだした時にはすでに終着させていた。

 必要だったのは、その手法を実行に移す覚悟だけである。

 なぜなら――


(……疲れる、けど)


 (ひど)く個人的な抵抗感。それだけがメイリの行動を(にぶ)らせていた。

 けれど、事ここに至っては仕方がない。今は目先の悪感よりも、目の前の小うるさい雑輩を黙らせ先に進むことが先決だ。

 踏ん切りをつけたメイリは、鈍る足を(ふる)い立たせて立ち上がった。


「キヒョヒョヒョヒョ! 観念しましたカァ?」


 それを何と捉えたのか、ベーゼルは勝ち誇った笑みで口角を最大まで釣り上げる。


「安心してくだサイ! 苦しまないよう一瞬で殺して差し上げマス! アァデモ、実行するのはゴーレムデスカラ、加減に失敗するカモしれまセンが……マァ、原型さえ残っていれば問題ありまセンよネェ?」


 表情はおろか、言葉の端からも(にじ)み出る性悪さ。

 介錯(かいしゃく)する気などさらさらなく、(なぶ)(もてあそ)ぶつもりでいるのは火を見るより明らかだ。

 最も、当のメイリには(よし)なし事であったが。


「サァそれでは魔女サマの解体ショーと参りマショウ! 最後にせめて断末魔くらいは聴かせてくだサイヨォ? 声帯がちゃんと復元できるかはわかりまセンからネェ!」


 末期(まつご)の刹那さえ愉しもうと、緩慢(かんまん)な動作で指揮棒を振りかぶるベーゼル。

 歪みきった眼光が、無形の構えで立つメイリを()めるように見定める。

 その視線の先で、メイリはおもむろに右腕を持ち上げた。

 肘を曲げ、胸の前に掲げた腕を、風を切って横薙ぎに振るう。

 それはある種の敬礼にも見えたのだろう。

 かくてベーゼルは、死に際の辞儀と受け取ってこれ以上ない高笑いを上げた。


「キヒョヒョヒョ! ヒョヒョヒョヒョヒョ!」


 しかし、次の瞬間。


「ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョッ!」


 メイリの目前には、堂々たる円形の魔法陣が浮かび上がっていた。


「ヒョ?」


 素っ頓狂な声を上げながらも、魔法陣がマナではなく――メイリの腕から立ち上った、マナのような()()を媒体として生み出されたことを見抜いたのは、ベーゼルが優れた魔導士であるがゆえだろう。

 しかしながら、そこまでだった。

 死に体と思われていた少女が成す一挙一動を理解することはできなかった。

 眼前に立つ小娘が、自身など足元にも及ばない叡智(えいち)を有する『賢者』であることなど、知るよしもなかったのだ。


仮想演算(エミュレート)省略。術式鍵語(エフェクトコード)――」


 思考に一瞬の空白を挟んだベーゼルをしり目に、メイリは迷いなく魔法陣の起動に移る。

 (あお)く。

 開いた左目に翡翠(ひすい)を宿し、新緑の極光を揺らめかせながら。

 捧げた言葉は退廃の調べ。

 終わりを告げる、極致の勅諚(ちょくじょう)



「<払え。掃滅の狂風よ>」



 放り込まれる薄闇の鍵。

 そして吹き荒れる、黒き風。

 すべてを否定し、浸食し、無へと導く――闇を纏った瓢風(ひょうふう)が、縦横無尽に虚空を(むさぼ)る。

 飢餓(きが)の具現――などという生易しい景色ではない。

 ()らうでもなく、愉悦(ゆえつ)を満たすでもなく、ただ消し去ることだけを目的として、風が触れる万物を蹂躙していく。

 森を支える草木が、風化するように砂となって消えていった。

 偶然迷い込んだ羽虫が、生の痕跡さえも残さず塵芥と化した。

 有象無象に等しき木っ端の魔人など、存在ごと無へと帰した。

 後に(たたず)むは終焉の残滓(ざんし)

 あらゆる存在を否定する、冷徹なまでの砂海だけだった。


「馬鹿ナ……そんな馬鹿ナアアァァァァァァァ――――ッ!?」


 受け入れられるはずがない。

 徹底的な掃滅の残痕に、ベーゼルは頭を抱えて慟哭(どうこく)した。

 優位に立っていたはずだ。勝利は確定していたはずだ。

 それなのにこんなものが、こんな終局がワタクシの迎えた幕引きだと?

 ありえない。認められない。

 ――そうだ。これは悪い夢なのだ。

 目を覚ませば、見苦しく泣き叫ぶ少女の姿が――

 ――などと(おご)っていなければ。

 否。仮に万難を排して挑んでいたとしても、この結末は変わらなかっただろう。

 それほどまでに、少女(けんじゃ)と二流の魔導士では、存在そのものの格が違いすぎた。


「うるさい」


 勝利への感慨も敗者への敬意もない平坦な声で、メイリがこれまでの不満を凝縮した一言を告げる。

 その手から無造作に風が放たれ、無様な男の広い額を痛打した。


「ギャフンッ!?」


 くるくるときりもみするように回転して宙を舞い、頭から地面へと突き刺さるベーゼル。

 滑稽(こっけい)なその姿にさえなんの反応も示さずに、賢者(メイリ)は――


「<テイルウィンド>」


 再び風に乗り、浮遊して、開けた道を悠々と飛び去っていくのだった。

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