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第5話 賢者の秘密…?(Ⅲ)

「……と、ところで、極魔の在処ってのはまだ先なのか?」


 これ以上メイリのすごさを語られると恐怖で心臓がどうにかなりそうだったので、俺はわざとらしくも話題を変えた。

 魔物との戦いで足止めを食いはしたが、それにしたって結構な距離を歩いたはず。なのに景色には依然としてまったく変化がなく、うっそうと木々の生い茂る森が続くばかりだ。

 それについてはシリウスも気になっていたのか、手にした計器を操作しながら思案顔をする。


「位置的にはとっくに見つかっていてもおかしくないはずなのだけどね。……少しデータの打ち直しをしてみる。君も、何か気がついたら遠慮なく申し出てくれたまえ」


 って言われてもな……

 シリウスもわからないみたいだから仕方ないんだが……極魔が隠されてる場所にもその形状や状態にも、手がかり1つないんだぞ?

 地面に埋められてたり、魔法で何かしらの隠蔽(いんぺい)がされてたら俺では探しようもないし。どうしろと。

 とはいえ、黙って待っているだけというわけにもいかない。ので、ザッと周囲を見回してみる――

 ――と。


(……なっ……!)


 そこで早速、見つけた。見つけてしまった。

 極魔――ではないが、ある意味ではそれ以上にとんでもない光景を。


「お、おいっ、シリウス!」

「むっ、何か見つけたか?」

「あれ……!」


 俺が指さした先にあるのは、1本の木。

 その幹に、コインサイズの小さな穴が空いている。


「木に……穴? あれがどうかしたのかい?」

「あれは、俺がさっき銃で開けた穴だ……ッ!」


 最初の戦いでガルムを撃ち抜いたときに、勢い余った銃弾が貫通した痕跡。それが今、なぜか俺たちの目の前にある。

 

「……バカな」


 信じられないとでも言いたげにシリウスは首を振る。

 ……俺だって頭を抱えたいくらいだよ。

 何時間もかけて歩いたはずが、気付いたら振りだしに戻ってきてしまっていた――なんて示されたらな。


「何かの間違いではないのか? 別の誰かが同じものを使ったとも――」

「俺以外にこんなもん持ってるやついねえよ」


 基本的に、異界人は着の身着のままこの世界に転移してくるからな。イリアさんやロブみたいな戦闘経験者でもなければ銃なんてまず携帯してないし、実際に村にはイリアさん以外の帯銃者はいなかった。

 村に定住しなかった別の異界人が過去に発砲した可能性もあるが……それにしてはこの銃痕は新しすぎる。最近銃声を聞いたという話も聞かない。このセンは無視していいだろう。


「では、本当に戻ってきてしまったというのか? ――ありえない。我々はずっとまっすぐ進み続けていたはずだ」

「可能性なんていくらでもあるだろ。どっかで道を間違えたとか、道自体が曲がってたとか」「結界」「とか……ん?」


 投げやりに言う俺に被せて、メイリがぽつりと口に出した。相変わらず日本語なんでシリウスは聞き取れなかったみたいだけど。


「今、彼女はなんと?」

「なんか、結界とかって……」

「む……? ――そうか! そういうことか!」


 アッシュ語に直して伝えてやると、シリウスはハッとしてリアカーに駆け寄っていった。

 積み込んである演算機の側面についているボタンやらレバーやらにしがみつき、必死の形相で操作し始める。

 その壮絶な様子に俺とマルクが揃ってドン引きする中――

 ヴィィィイン――と鈍い駆動音を上げて起動する演算機、その隙間から露出するプレート状のエクリスが青白い光を放つ。

 光はシリウスの操作に合わせて明滅を繰り返し、やがて一点に収束して細い光線を放出した。

 光線が注がれているのは木々の隙間、完全な虚空。だがその線は、俺たちから数メートル先の宙空でなぜかぱったりと途切れている。まるで見えない何かで(さえぎ)られているかのように。

 そんな不可思議な光景を目の当たりにして、シリウスは、


「見つけた……!」


 と目を輝かせて、ッターン! 大きなキーの1つを指で軽やかに弾く。

 次の瞬間。

 ――パァァァァァァァアアアッ!

 光線が根を張るように、空間に無数の光の回路を走らせて――目の前に、巨大な光の網が出現した。

 網は半球のドーム状に展開されていて、俺たちの側からは曲面の一部しか見渡せない。凄まじく精巧なプラネタリウムを外側から見ているみたいだ。推測されるサイズは――で、デカいぞ。東京ドームくらい余裕であるんじゃないか?


「な……なんだ、これ……」

「『結界』だよ。侵入者除けと認識阻害の効果がかけられている。おそらくその影響で、我々は直進できずこの周囲をグルグル回り続けていたんだ」

「…………!」


 これには俺も「そういうことか……っ」だ。

 この世界における結界とは、複数の魔法陣をつないで立体的な空間を作り、その内部、あるいは境界面に効力を発揮させる広域魔法の総称だ。魔法ではないがロブの能力(バリア)がいい例で、メイリの<テンペスト>も形式としてはこれに近い。

 基本的に座標固定型で移動はできず、攻撃に転用するのも難しいが、その分効果範囲内での影響は絶大。防壁として使う、空間を隔離する、内部で発動する魔法の性能を高める、などなど様々なことができ、応用も効く。周囲にマナがある限り稼働し続けるので維持も容易く、戦略的な拠点に配置されるのはもちろんのこと、こういった無人のエリアを守るためにも使われることが間々あるらしい。

 ……とまあ知識としては参考書を読んだりして軽く知ってたが、まさかこんなところで初めての実物を見ることになるとはな。

しかも、俺みたいな素人でも、一目で超一流の――それこそリベルのような――魔導士が仕掛けたとわかる、とんでもない規模と完成度だ。どうりでメイリとシリウスの2人がいても気付かないわけだよ。いや、メイリは最初から気付いてたのに言い出さなかっただけ説あるけど。


「でも、これで……!」

「ああ。これほどの結界が仕掛けられているなら間違いない。極魔は、この先に眠っている……!」


 感極まっているのか、シリウスは拳を握って口元を怪しく歪ませる。もしかしたら俺も似たような顔をしてるかもな。

 だが、諸手を上げて喜ぶにはまだ壁が残ってるぞ。文字通りな。

 侵入者除けの結界は、大まかに分けて認識を撹乱(かくらん)するものと直接侵入を妨害するものの2パターンがあるが、これはその両方の特性を持つもの。

 認識阻害の効果こそシリウスが打ち消したが、内部を探索するには残るもう1つ――この実体化したマナの隔壁を除外しなければならないのだ。

 手段としては、3つ。

 1つは、物理的にブチ破ること。結界には耐久度のようなものがあり、武器でも魔法でもなんでもいいから攻撃し続ければいつかは壊れる。

 ただし結界は往々にして魔法への耐性が高く、メイリやシリウスでも傷つけるのは容易じゃない。ロブの絶対無敵バリアほどではないにしろ、物理的な耐性ももちろんあるだろう。突破には年単位で時間がかかる。ので、これはパスだ。

 次に、基点となっている魔法陣を破壊する方法。空間に刻まれている魔法陣をかき消すだけなので一番手っ取り早い――が、そういう核の部分は一番安全な内側に隠されているのが常だ。この結界にもエネルギーの発信源のようなものは見当たらないので、やはりパス。

 こうなると、残る手段は1つだけ。


「解除できそうか?」

「ここまできて諦めるはずがないだろう? してみせるさ」


 結界を構築するマナに魔法で干渉し、結合を解除する。ネットワークにハッキングしてファイアウォールを無効化するみたいにな。

 強気に答えたシリウスは、カタカタカタッ……演算機で計算を始める。

 だが……


「……なんということだ」


 わずか数分で手の動きが止まり、頭を抱えて立ち尽くす。


「極魔に……リベルに挑むとは、これほどなのか……? いや、まだだ。この私の挑戦が、こんなところで終わっていいはずがない……!」


 歯噛みし拳を打ち据えながらも、シリウスは再びキーボードを叩く。

 その苦しげな様子から、俺はこの先の展開を悪い方に予想してしまったのだが……


「…………?」


 ふと気が付くと、メイリがリアカーを降りて結界の前にぼんやり立っていた。


「メイリ?」

「日が暮れる」


 文句なのか感想なのか予想なのかは判別がつかないが、そう言ったメイリは――ススススッ。目の前に、ティッシュ箱くらいの大きさの長方形をマナで描いた。

 そこに両手の指を、キーボードの上に乗せるみたいに置いて――


仮想演算(エミュレート)開始(スタート)


 タンッ、タンッ、タタタッ、タタタタタタタッ……

 叩き……始めたぞ? 本当に、キーボードみたいに。

 しかもその手の動きは、恐ろしく速い。まるで打つべきキーが最初から頭に入っているかのような、タイピングの世界王者顔負けの速さだ。


「第一隔離障壁接触。照合フェイズに移行。パターンAからCに設定――エラー。パターンB連結端子をFbb2に変更して再定義――承認有り。第73虚数回路掌握。流動回線侵食濃度5を維持し模倣展開。解析術式接続完了。観測値に0を代入しコンタクト。シンクロ率34.8%。判別術式、1番から6番まで同位成功」


 どうも無意識に出てしまっているらしい早口の呟きも、優秀なプログラマーが喋っているかのように難解で聞き取れない。

 さらにメイリは、片手で前のキーボードをタイピングしながら、もう片方の手で上下左右にキーボードを増設する。

 総数5つ……あっ、また増えた。6つ、7つ……常人では間違いなく頭がパンクするであろう数のキーボードを、腕の軌跡を残像のように残しながら同時に操作していく。

 そのうちのいくつかはマナの輝きが変化し、底面から光線を放ってシリウスの演算機と同様に結界に接続。境目から侵食するように根を下ろしていた。キーボード同士も連結するように、あるいは空間に根付くように、メイリの周りに光の回路を縦横無尽に張り巡らせていく。

 そのあたりでようやく、俺もメイリが結界の解除に取り組んでいることに気付くが……

 メイリは唖然とする俺たちの様子などまったく意に介することなく、淡々と、機械的に、無心で手を動かしていた。


「リンケージ正常値。ディビエーション更新。ん……手が足りない」


 少しだけ眉を寄せたメイリは、手元でマナを小さく収縮させて――ヒュンッ! ナナメ後ろに放り投げた。

 凝縮されたマナは逆三角形をしたプラグのような形になっており、シリウスの演算機に吸いつくようにくっついた。接着部分の反対側からはしなるコードが伸びて、キーボードの1つに直結している。

 そのコードを辿るようにメイリの側からマナが送り込まれると、ヴィィィイイン――シリウスが手を止めたにもかかわらず、演算機がうなりを上げて勝手に動きだした。

 さらには機械内部のエクリスから全周囲へマナの光線が放たれ、長方形――数式のような文字の羅列が無数に流れていくディスプレイ――や、ハードウェアのような立体を形成して浮かび上がらせる。気付けばメイリの周りにも、似たような立体が複数現れて空間に固定されていた。

 さながら、近未来の光り輝く管制室だ。オペレーターはメイリ1人だが。


「なんという……しかし、これなら……!」


 完全にあっけに取られていたシリウスだが、負けじと(ふる)い立って演算機の操作に戻った。

 そのおかげか、マナの明滅が少し安定してきた感じがする。心なしかメイリの作業にも余裕が出てきたようだ。


(……いける。いけるぞ)


 結界の解除も、その先にある極魔の入手も。メイリとシリウス――この2人がいれば、夢じゃない……!

 と、固唾を飲んだ矢先――ガサガサッ。


「――!?」


 物音に振り返ると、ガルムにボア、さっきは見なかった豚頭の人型魔物(オーク)まで……新たな魔物の群れが草葉の陰から姿を現した。


「ちょっ、このタイミングで!? おいマルクッ、なんでもっと早く言わなかった!」

「くっ……ボクとしたことが、ご主人に見とれていて気付かなかった……!」

「お前ってやつはぁ――――ッ!」


 俺も似たようなもんだからあまり強くは言えないけどさあ……!


「ふむ……どうやら、この場に凝縮したマナにつられてやってきたようだね」


 手は演算機に向けたまま視線だけそっちに向けて、シリウスが考察する。


「マナに? なんでだよ」

「魔物はマナを過剰に取り込んで突然変異した生物だからね。生態こそ変異前をなぞるが、中心的な主食はマナになる。彼らにとって今のこの場は、さながら宮廷料理のフルコースに見えていることだろう。周囲にやたらと魔物が多かったのも、結界が集めるマナに引き寄せられていたと考えれば納得だよ」

「は――はああああぁぁっ!?」


 さらっと言ったけど、なんだよその重要情報!

 こちとら今の今まで世界を脅かす魔王の手先だと思って戦ってたんだぞ!? それがただの突然変異って――帰ったら即役場行ってカケルたちと情報交換だよちくしょう!


「話なんか後にしろ! 来るぞ!」


 すでに剣を抜いていたマルクが、群れへ突撃していきながらそう声を張り上げる。

 しまった。メイリがしばらく動けそうにないんだから、魔物の迎撃は残りの面子だけでやらなきゃならないんだ。

 しかもこいつらの狙いがマナってことは、ただ倒すだけじゃなく、メイリが展開してる近未来フィールドを食われないようにも気をつけなきゃならないということ。

 ……何気に大ピンチじゃねえか。主に俺のカバー範囲が。


「シリウス! そっちは一旦中断して、お前も――」

「今私が離れては、魔女殿の演算に支障をきたす! すまないが、君とマルクでどうにか持ちこたえてくれ!」

「なっ――」


 この期に及んで魔導士No.2まで出撃不可、だと……!?

 なんてこった。絶望しかねえ……!


「だああああクッソオオォォォッ! 依頼料割り増しだかんなコンニャロオオォォ――――ッ!」


 直後。俺は思考の一切合切を投げ出して拳銃を抜いた。

 そして撃鉄を起こし、発射。続けて発射、発射。引き金を引いたまま左手で撃鉄を連続して起こすことで連射する、ファニングという技だ。

 当然初めてなのでテンポもフォームも狙いもグチャグチャだったのだが、全弾魔物の体のどこかに命中している。奇跡だね。それだけマトが多いって証明でもあるけど。

 だが、4発目。さらに引き金を引いたところで――カチンッ!

 不吉な音が、鳴った。鳴って……しまった……!

 もう一度、今度はゆっくり撃鉄を起こして引き金を引くが……やはり、カチンッ。同じ音。銃口から飛び出すはずの弾も、もちろん出てこない。


(た、弾切れ――!?)


 やっちまった――!

 将軍に1発。さっき1発。今3発。発砲したのは計5発。この銃の弾倉(シリンダー)に入るのは6発だから、てっきりあと1発はあると思ってたのに……残ってるこの1発、発砲済みの空薬莢じゃん! 来る前にもっとちゃんと確認しとけばよかった……!

 って、ヤバいッ、ボアがもう目の前にまで――!


「わあああああっ、ちょっ、タンマタンマ! せめて魔法陣描くまで――!」


 などと言って止まってくれる魔物じゃない。ボアはむしろ鼻息を荒くし、さらに速度を上げて迫ってきて――

 ――ストン。……ドサッ。

 どこからともなく飛んできた矢に頭蓋(ずがい)を貫かれて倒れた。

 ……え? 矢?


「2時の方向! ガルム1! 距離20!」

「えっ……えっ!?」


 立て続けにそんな声も飛んできて、俺はわけもわからないまま言われた方向に<フレイムⅡ>を放つ。

 本当にその地点にいたガルムが燃え尽きていくのを確認してから、俺は声が聞こえた方向に目を向けた。


「なんで、ここにいるんだよ――()()()!」


 よく聞いてる声だったので誰なのかはすぐ察しがついたが……

 すぐ横にある太い木の枝の上――そこではやはり、リセナが中腰になって横に倒した小型の弓を構えていた。

 なぜか目を閉じたまま、リセナは眼下に向けて狙いをつける。放たれた矢は普通に目視して射ったのと同じように――いやそれ以上の正確さで離れたガルムの背に突き立った。

 その成果を一瞥(いちべつ)すらせず、リセナは開いた目でこちらを見下ろす。


「私だってみんなの力になれるってところを見せたかったの。助けられてばっかりなんて、嫌だもん」

「気持ちはわかるけど、今はそれどころじゃ――」

「正面!」

「ッ!」


 話している間にもリセナは矢を放ち、完全に死角にいたはずの魔物を撃退する。どうやらリセナには俺には見えない景色が見えているらしい。

 これはもう、何かあった時に――なんて言ってる場合じゃないな。むしろ、頼りにさせてもらうしかなさそうだ。


「ナユタ君、お願い。今だけでいいから……私を信じて」

「~~~~危なくなったらすぐ逃げるんだぞッ!」

「ありがとっ! 大丈夫!」


 満面の笑みを浮かべて頷いたリセナは、腰に下げていた細長い道具に手を伸ばした。

 棒状の金属をU字型に曲げて取っ手をつけたような、シンプルな形状。あれは確か、音叉(おんさ)という調律器具だ。

 フィィィィイン――

 リセナが太ももにくくりつけた金属のプレートを音叉で弾くと、耳にキーンとくる鈴の音のような甲高い音が一帯に鳴り響く。

 目を閉じ、耳を澄ますリセナは――その反響が収束する間際に、腰に下げた矢筒から数本の矢を取り出して弓につがえた。

 ヒュンッ、ヒュンッ――ヒュンッ!

 間髪を入れず、連続で放たれる矢が魔物の急所を正確に捉え、駆逐する。

 その間も、やはりリセナは目を閉じたままだったが――

 何回も見せられたおかげで、ようやく理解できたぞ。そのメカニズム。


反響定位(エコーロケーション)、ってやつか――!)


 地球じゃイルカやコウモリなんかが持つ、音の反響を聞き分けて周囲の様子を探る能力だ。エルフィアの並外れた聴力をもってすれば、それと同じことができるらしい。

 ああやって目を閉じて聴覚に集中している間は、死角も暗がりも関係なし。音の届く範囲すべてが、リセナにとっては目で見るよりも鮮明に見えている索敵範囲なのだ。まるでソナーだな。

 そこに加えて、リセナのこの卓越した弓術。不安定な足場で片膝立ちしてるはずなのに、足の速いガルム相手にさえ百発百中どころじゃないぞ。そんなに実力があってよく衛生兵なんてやってたな。


「2時、10時、0時の順、3秒間隔で迎撃! お願い!」

「了、解……ッ」


 軍隊式に告げられるリセナの指示通りに、俺は<フレイムⅡ>を連射する。

 それから数分。

 結果として、背後の魔法陣やメイリたちに傷がつくことはついぞなかった。戦力の半分が欠けていたというのに、文句なしの大勝利だよ。

 ……いや、あの。

 俺だけボロボロなのは、ほんと、見ないでください……

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