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女にされて異世界へ!?  作者: ゆりかもめ
23/39

恥を忍んでお頼み申す

ちょっと雑なので、後日書き直す確率が高いです。

 とある休みの日、俺は帰って来た。マリアさんの下にな! まあ、定期的に帰って来てはいたんだがな。そろそろお嬢様に付いて学園に向かわなくてはならないのだ。その前の最後の休日だ。


「ただいま」

「おかえりなさい」


 ああっ、ただいま帰りました、マリアさん! 事前に帰ることを伝えていたとはいえ、毎回毎回出迎えて頂けるなんてこのクロエ至極の喜び! その笑顔を見ただけで全てが浄化されるようです!


「朝はもう食べているでしょ? お昼は外で食べましょう」

「はい」


 ちなみに今現在は午前十時です。お昼はピークの時間を外すと思われるので、三時間ぐらいはマリアさんと二人でまったり出来るな!


「クロエちゃん、クロエちゃんの御屋敷での事を聞かせて?」

「はい、この前はですねーー」


 今、俺は、マリアさんの、膝に座っています。ちょこんと表現出来る絵面だろう。肉体年齢は十二歳だし、少しだけ平均よりも小柄なんでな。……少しだけだぞ?


 あぁ、マリアさんの柔らかい肢体に包まれていると、こう……何て言えばいいのかなぁ……幸福感がヤバい。特に後頭部の感触なんてね、ヤバいね。


 勘違いしないで欲しいんだが、下世話な意味ではない。何か温かいものに包まれている安心感。いや待て、この感覚は何かで読んだか、見たかしたことがある気がする。これが愛……なのか? 俺は今、愛に包まれているのか?


 まあ、愛とかよくわからんけど悪くない気分だ。後ろに体重をかけるとある程度は沈んだ後、ふよんと押し返してくるところが最高に楽しい。


 さらにマリアさんは、俺のお腹に手を回している。つまりどういう事かわかるな? 俺は今、マリアさんに抱きしめられているのだよ。


 ああ、睡魔が俺を眠りへと誘おうとしている。俺はこの誘惑に、一切の抵抗なく従った。いやだって、抗う理由がないし。お休みなさい。





「……ロエちゃん、クロエちゃん」


 ぅん? ああ、わりとがっつり眠っていたな。基本的に浅くしか眠れないんだが、マリアさんの近くだと深くぐっすりと眠れるんだよなぁ。


「ふぁ……」

「良く眠っていたわ。御屋敷じゃあ、良く眠れないの?」


 まあ、御屋敷に限らず、深く眠れる事は少ないな。何か物音がするとすぐに動けるようにしとかなくてはいけない。そんな生活が長すぎて、もはや変えられないのだ。


「……うんうん」

「そう、それなら良いんだけど……」


 嘘ではないさ、ここ以外では眠りが浅いからな。それにしても、深く眠ると覚醒が遅くていけないな。まだ頭がボーッとしている。


「ところで、クロエちゃん。そろそろ降りてもらってもいい?」


 うん? ああ、マリアさんの膝の上で寝ていたのか。てか、膝の上で熟睡できる程の安定感って凄いな。マリアさんがずっと抱え続けてくれていたのか。よいしょっと。


 うわぁ……。背中とかマリアさんと密着していたところが蒸れ蒸れで、空気と触れた瞬間のスースー感が凄いわ……。おっと、服が透けるなんてラッキースケベな展開は発生していないぜ? なんてたって服の生地が厚いからな!


 それにしても、マリアさんが苦笑い(いや、困惑顔か?)で動かないな。何故だ? 状況的に考えられる事は……、足が痺れて動けない?


「ク、クロエちゃん? 悪い顔をしているわよ?」

「え?」


 いや、そんな、まさか俺がマリアさんに酷い事をするわけがないじゃありませんかー。口角が上がるのを制御できない程の愉悦を感じているわけではないですよー?


「ね? お願い、その手を下ろして?」


 下から涙目で見つめられていたら最高だったんだが、悲しいかな俺は立っているにも関わらず目線の高さが変わらない。残念だ……。


「クロエちゃんはそんな酷い事をしないわよね?」


 へへっ、そこに足の痺れた人がいればどうする? 俺は突っつく!


「あっ、やめてっ! んっ、お願いっ! ああっ、そこは、ダメっ!」


 オラオラオラオラオラオラオラァ!


「んんっ、あっ、ダメっ、やめてっ、お願いっ……!」


 フハハハハハッ、楽しい、楽しすぎる! 動けない人間を一方的に攻め立てる快楽は何事にも代え難いものがある!


 アハハハハハッ!


 ふぅ、そろそろ痺れが取れる頃だな。ここは名残惜しいが離脱しよう。反撃が怖いからな!


「ク・ロ・エ・ちゃ~ん?」


 な、なにぃ!? まだ動くには猶予があるはずだ! い、いや、顔が引き吊っている! 無理矢理動かしたというのか!


「やめてって言ったのに、突っついてくるなんて!」

「ごひぇんひゃひゃい」


 怒った顔も可愛いですね。でもね、頬を引っ張るのはやめて頂けないでしょうか? 俺もね、一応は女の子なわけなんですよ。頬が赤くなるなんて恥ずかしいじゃないですか。


「でもね、嬉しくもあったの」


 え!? ま、まさかマゾヒスト……? そ、そんな……、マリアさんがマゾヒストだなんて……、最高じゃないかっ! どんなんマリアさんも魅力的ですが、萌え死にしそう……。


「クロエちゃんがイタズラしてくれるくらい、心を許してくれているんだって思って」


 な!? ……俺は、恥じている! マリアさんがこんなにも俺の事を思ってくれているというのに、 マゾヒストなんていうレッテルを張り付けてしまうなんて……!


「でも、今回のような事は二度としないでね?」


 あ、わりとガチで怒ってもいるんですね。


「いひゃい」

「あら、何か言ったかしら?」


 いいえ、何も言っていません。首をブンブン振って、否定しておこう。それよりもそんな顔で責められたら、開けてはいけない扉が開いてしまいそうだ……。


「それにしても、クロエちゃんの頬っぺたって気持ちいいわ~」


 あ、あの、目的が変わっていませんか?


「なに?」


 い、いえ、何もありません。


 こうして、マリアさんが満足するまで頬をこねくり回されました。……悪くない時間だった。ある部分をポヨンポヨンってしたら、また怒られたけど後悔も反省もしていない!


 目の前にあったら気になるだろう? どんな感じなのか試したくなるじゃないか! しこたま怒られたけど……、すごくポヨンポヨンでした。


「もうっ、余所の人にあんなことしたらダメよ?」


 ふっ、この俺が気安く他人に触れるとでも思っておられるのですか? 否、マリアさんだからあのような愚行を敢行したのですよ!


 それにしてもプンスカ起こっているマリアさんは可愛いなぁ。これは実際に怒っているわけではなく、私怒っていますアピールだろう。あれは怒られる事だからもうしちゃダメよ、と言外に伝えているのだ! 俺は学んだんだ。


 ちなみに今はお昼を食べに外を歩いている。なんだかんだ言いながらも優しく手を繋いでくれるマリアさん、大好きです。


「今日は職斡所の喫茶店に行きましょうか」


 ふんふんふんと鼻歌を歌いながら歩いていたら、マリアさんに微笑ましいという感じで見られながら言われたでござる。くっ、不覚! つい気が緩んで、無意識のうちに気分が高揚していたか……!


「皆、クロエちゃんに会いたがっているのよ」


 ふっ、まあそうだろうな。御屋敷から出られるのは月に一回有るか無いか、この五ヵ月でこちらに帰って来たのは今日を含めて二回だ。年末年始のなんてお嬢様のお披露目も合わせたパーティーをやっていたから、護衛やら何やらの計画と調整で大忙しだったしな。


 だいたいお嬢様の護衛が二人しかいないってどういうことだよ! 若様にはあの二人を筆頭に十人以上もいて、ローテーション組んでやってるんだぞ!? 何でこっちは二人なんだ!


 確かにお世話係の侍女は必要な数をなんとか付けてくれはしたが、それでも必要最小限しかいない! 急遽領主一族に付けられるレベルの者は準備できないだぁ? こちとら十何時間勤務、数十日連勤なんだがぁ!!


 あまりにもストレスがたまったので、若様の護衛に模擬戦を申し込んで暴れた。いやぁ、さすが次期領主の護衛を任されているだけあり、わりと本気でいったのに初手を防がれた。


 でもストレスで理性のタガが外れていたからか、野生を解放して千切っては投げ千切っては投げた。体や呼吸からは蒸気のように魔力が漏れていたらしい。


 この魔力が漏れた物を、闘気という。これは魔力持ちが死兵と化したときか、特殊な訓練を行った者のみが纏うことが出来るものだ。


 あのときは頭が逝っていたし、たぶん目も逝った奴の目をしてたと思う。記憶も八割ほどは覚えていない。ただ、チャラ男の張った障壁を一撃でヒビを入れたときは本気で(おのの)いた顔をしていたのを覚えている。


 しかしあの二人は流石と言うか、最後まで倒せなかった。まあ、正面から殴りに行ったし? 搦め手を使えば倒せないこともないとは思いますけどね!


 話しに聞くところによると、若様はあの二人がいない時を狙って抜け出すらしい。そしてあの二人が駆り出されるらしい。御愁傷様です。


 この出来事の後から手の空いた奴等が交代で代わってくれるようになって、休めるようになった。まあ、それでも月に一回ぐらいだが。


 加えて言うと若様の護衛が積極的に代わってくれるように頑張ってくれている。しかし、しばらく目を合わして会話してくれなかった。おう、目ぇ見て話せや。


 だが悲しいかな、俺は護衛だけではなくお嬢様のお世話係の仕事もしなくてはならない。じゃないとそっちを担当している人達が過労で死にかねないからだ。


 掃除や洗濯といったものはさすがに出来ないが、お茶を淹れたり焼き菓子を出したりは出来る。というよりも出来るように仕込まれた。それぐらいはやれって事だろう。


 幸いにも前の人生で紅茶の入れ方は身に付けていたし、お菓子作りは分量を守れば誰でも作れる……はず。まあ、ミセス・オーブリーに合格点を貰えたのでそれなりの腕前ではあるのだろう。個人的にはもう少し腕を上げたいところではある。


 とまあ話しがずれたが、負担は減ったが仕事は減らないという状態だった。そんな俺を見て危険な兆候を感じたのか、チャラ男がどこからか世話係の人間を引っ張って来た。


 最初は不満たらたらで仕事もやる気が無さそうにやっていたが、笑顔でお話ししたところ真面目に仕事をしてくれるようになった。その様子を見てチャラ男が「だから言ったのに、オーガを相手にしている方が気分的にマシだったって」と言っていた。彼は優しく撫でてあげたよ。


 そんなこともあり、ようやっと休みを貰えるようになった。それでもだいたい一月に一回ぐらいだけどね。最後まで人を寄越さなかった侍女長はいつか絞める。


 ミセス・オーブリーの後任とは思えない奴だが、ミセス・オーブリーとは派閥が異なるらしい。お察しである。だがそんなの俺には関係ない。俺を巻き込んだことを後悔させてやる。


 ふぅ、つい熱が込もってしまった。借金返済の為だと我慢しているので、よりストレスが溜まる。人を寄越さない以外にも陰湿な嫌がらせをされているが、すべて物理的にはね除けている。損害の方が多いはずだ。


 だがそんなものは、今現在では小事。手をにぎにぎするとにぎにぎし返してくれるマリアさんマジ天使。溜まりに溜まった不浄なるものが、すべて浄化されていく……。


「今日はずいぶんと甘えん坊さんね」


 くっ……! だが致し方なし……! この癒しがなくては我慢の臨界点を越えてしまう……! 甘んじて受け入れようではないか!


「照れてるクロエちゃんも可愛い。でも止めないのね」


 ええ、止めませんとも! 

おっさんA「ん? どうした嬢ちゃん」

おっさんB「今日はずいぶんとしおらしいじゃないか」

おっさんC「そんなに屋敷の仕事は大変なのか……」

おっさんD「全然休みも無いしな……」

おっさんE「副所長のせいで可哀想に……」

ベルさん 「おい」

マルク  「いやしかし、これはこれで」

ピエール 「可愛いっす!」

野次馬A 「おいおい、そんなこと言ったらまた殴られるぞ……って、あれ?」

野次馬B 「殴られない……だと?」

野次馬C 「いったい屋敷で何が……?」

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