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シリウスはこう語った  作者: SHIPPU
第一章 転生
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第7話 この世界について1

「……新しい一日だ。」


 マーサさんの手伝いを始めて数日が経った。


 毎日が新鮮で、村での生活に少しずつ慣れてきた気がする。


 部屋を出ると、マーサさんはいつも通りに台所で朝食の準備をしていた。


「おはよう、シリウスちゃん。」


 マーサさんはにっこりと笑いながら私に声をかける。


「おはようございます、マーサさん。今日は何か予定がありますか?」


「今日は、村の神官さんに会いに行こうと思っているの。」


 マーサさんはそう言いながら、フライパンを振る。


「シリウスちゃんはこの付近のことあまりよく知らないみたいからね。」


「神官さん……ですか?」


 少し驚く。


「ええ、この村で唯一魔法が使える人よ。」


 マーサさんはにっこりと笑う。


「魔法……。」


 魔法ってあったんだ、誰も使ってなかったからこの世界にはないかと思ってた。


「彼は物知りだし、あなたのこともきっと興味を持ってくれるわ。」


「そうなんですか……。」


 少し緊張する。


「でも、ぜひ会ってみたいです。」


「さあ、朝食ができたわ。食べたら一緒に行きましょう。」


 朝食を終えると、マーサさんは私を連れて村の神殿に向かう。


「ここが、村の神殿よ。」


 マーサさんはそう言いながら、大きな木の扉を開ける。


 中に入ると、静かな空気が漂っていた。


「おや…マーサさん、お久しぶりです。」


 中から、穏やかな声が聞こえる。


「こんにちは、エルモンさん。」


「今日は、どんなご用件ですか?」


「今日は、あの子を連れてきたよ。シリウスちゃんよ。」


 マーサさんはそう言いながら、中に進む。


「はじめまして、シリウスです。」


 私は少し緊張しながらも、挨拶をする。


「よろしくお願いします。」


「はじめまして、シリウスさん。」


 エルモンさんは優しく微笑む。


「私はエルモンと申します。この村の神官を務めている者です。」


 エルモンさんは、長い白いローブを身にまとい、その姿はどこか神秘的だった。


「マーサさんから、あなたのことを聞いていたよ。」


 彼はそう言いながら、私をじっと見つめる。


「あなたは、この辺りが初めてかい?」


「はい、そうです。」


 私はその言葉に、少し驚く。


「だから、村やこの国のことを、もっと知りたいと思っています。」


「それなら、私が教えてあげましょう。」


 エルモンさんはそう言いながら、椅子に座る。


「まず、この村は『ウィンドリルの村』と呼ばれている。アルテリア王国の東部に位置し、『風の谷』と呼ばれる広大な平原の中心にある。」


「風の谷……?」


 私はその言葉に、興味を引かれる。


「どんな場所なんですか?」


「風の谷は、草原が広がり、風が常に吹き抜ける場所だ。」


 エルモンさんは地図を広げながら、説明する。


「この村は、その谷の中心にあり、東には『エルダの森』、西には『クリスタル湖』がある。」


「エルダの森……クリスタル湖……。」


 私はその名前を口にしながら、地図を見つめる。


「どんな場所なんですか?」


「エルダの森は、古くからある神秘の森だ。魔物が多く生息しているが、貴重な薬草や鉱石も採れる。」


 エルモンさんは真剣な表情で説明する。


「クリスタル湖は、その名の通り、湖底に美しいクリスタルが眠っている。湖の水はとても清らかで、村の水源にもなっている。」


「そうなんですか……。」


 私はその話に、少し興奮する。


「でも、魔物がいるんですね。」


「ええ、最近は特に魔物の活動が活発だ。」


 エルモンさんは頷く。


「この村は、アルテリア王国の東の端にあるため、王国の守りが手薄になっている。そのため、魔物の襲撃が増えているのだ。」


 草原を彷徨った夜を思い出して、少しゾッとした。


 あの時、もし魔物に遭遇していたら……


 ふと、そんな考えが頭をよぎる。


「それは大丈夫なんですか?」


「村には結界がある。私が魔法を使って、村を守っている。」


 エルモンさんはそう言いながら、窓の外を見る。


「しかし、私一人では限界がある。村の人々の力も必要不可欠です。」


「……私も、何か役に立ちたいです。」


 私は心からそう思う。


「この村を守るために、何かできることがあれば……。」


「その気持ちだけでもとても嬉しいです。」


 エルモンさんは静かに頷いた。


「さて、今日はここまでにしよう。また今度、ゆっくり話す機会を作りましょう。」


「はい、ありがとうございます!」


 心から感謝する。


「また、お話を聞かせてください。」


「もちろんです。」


 エルモンさんは優しく微笑む。


「よろしくお願いします!」

第7話を読んでくださりありがとうございます<(_ _)>


魔法ってあったんだ

とてもファンタジーですね(棒)


次回は、アルテリア王国の歴史、魔法や魔物について!



誤字脱字&誤った表現があれば優しく教えていただければ幸いです。

感想&レビューお待ちしております。

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