第5話 ウィンドリルの村
朝の光が窓から差し込み、部屋の中を優しく照らす。
「……んぁ…朝だ。」
私はゆっくりと体を起こし、ベッドから出る。
「ここは…マーサさんの家……。」
昨日の出来事を、少しずつ思い出す。
「マーサさんが、朝食を一緒に食べようと言っていたね。」
部屋を出て、階段を下りる。
「おはよう、シリウスちゃん。」
マーサさんは台所で朝食の準備をしながら、私に微笑みかける。
「よく眠れたかしら?」
「はい、とても快適でした。」
私はそう答えながら、テーブルに座る。
「何かお手伝いできることはありますか?」
「まあ、ありがとう。でも、もうすぐできあがるわよ。」
マーサさんはそう言いながら、朝食の準備をしている。
「今日は、村のことを少し案内してあげようと思っているの。どう?」
「ぜひ、お願いします!」
その提案に、心から喜ぶ。
「村のことをもっと知りたいです。」
「よかったわ。」
マーサさんはにっこりと笑い、テーブルに朝食を運ぶ。
「さあ、食べましょう。」
朝食を終えると、マーサさんは私を村の案内に連れ出してくれた。
「ここは、村の広場よ。」
マーサさんは広場の中央にある噴水を指さす。
「昔は、ここで村人たちが集まって、お祭りをしたり、話をしたりしていたの。」
「そうなんですか……。」
私はその噴水を見つめる。
かつては水が勢いよく吹き上がっていたのだろう、その姿からは美しさが感じられた。
しかし、今は水は止まり、静かに佇んでいる。
「……もう、動いていないんですね。」
「ええ、残念ながらね。」
マーサさんは少し寂しそうな表情を見せる。
「昔は、この噴水が村のシンボルだったの。子供たちが水遊びをしたり、恋人たちがここで出会ったり……。でも、今はもう、誰も使わなくなってしまったわ。」
「そうなんですか……。」
噴水の周りをゆっくりと歩き、その彫刻をじっくりと見る。
「でも、すごく美しいです。この噴水、きっとまた動く日が来ると思います。」
「ありがとう、シリウスちゃん。」
マーサさんは優しく微笑む。
「でも、それを動かすには、村の力が必要なのよ。今の村には、その余裕がないの。」
「……村の力、ですか。」
その言葉を胸に刻む。
「きっと、いつかまたこの噴水が動く日が来るはずです。私も、そのために何かできたら……。」
「本当に優しい子ね。」
マーサさんは満足そうに頷く。
「さあ、次は市場に行きましょう。」
市場には、いくつかの店が並んでいた。
「ここは、村の市場よ。」
マーサさんはそう言いながら、一軒の店に近づく。
「こんにちは、トーマスさん。」
「おお、マーサさん。こんにちは。」
店の主人は、にこやかに挨拶する。
「おや、見ない顔だね、旅人さんかい?」
「ええ、シリウスちゃんよ。この子はしばらくこの村で過ごすの。」
マーサさんは私を紹介する。
「シリウスちゃん、この人はトーマスさん。村の市場で野菜や果物を売っているのよ。」
「はじめまして、シリウスです。」
私は少し緊張しながらも、挨拶をする。
「よろしくお願いします。」
「はじめまして、シリウスちゃん。」
「おう、何か必要なものがあったら、いつでも来てくれよ。」
「はい、ありがとうございます。」
その言葉に、心から安堵する。
「……村の人たちは、みんな優しいんだな…。」
市場を後にし、マーサさんは私を村の外れにある小さな丘に連れて行ってくれた。
「ここからは、村全体が見渡せるのよ。」
マーサさんはそう言いながら、丘の上に立つ。
「……すごい。」
私はその景色に息を呑む。
村の家々が小さく並び、その向こうには草原が広がっている。
「ここは、本当に素敵な場所ですね。」
「ええ、ここは私のお気に入りの場所なの。」
マーサさんはそう言いながら、遠くを見つめる。
「シリウス、あなたはこれから、この村で何をしたいの?」
「……そうですね。」
私は少し考えてから、答える。
「まずは、村の人たちと仲良くなりたいです。そして、何か役に立つことができたら……。」
「それは、素敵な考えね。」
マーサさんは微笑む。
「きっと、あなたはこの村に新しい風を吹き込んでくれるわ。」
「……ありがとうございます。」
私はその言葉に、心から嬉しくなる。
「これから、頑張ります。」
「さあ、そろそろ帰りましょう。」
マーサさんはそう言いながら、丘を下り始める。
「今日は、夕食に特別な料理を作ってあげるわ。」
「楽しみにしています。」
私はそう言いながら、マーサさんについて村に戻った。
第5話を読んでくださりありがとうございます<(_ _)>
うーん…書きながら、
平凡な文章、と思いました(文才のなさ)
次回も、作者が苦手な日常回、マーサさんの手伝いをします!
誤字脱字&誤った表現があれば優しく教えていただければ幸いです。
感想&レビューお待ちしております。