第1話 目覚め
初めて書く作品です。練習作です!
温かい目で見て頂けると幸いです。
…
……
………
意識がゆっくりと現実に戻ってくる。
まぶたの裏にちらつく光が、次第に形を成した。
「ここは…」
どこか違和感を覚えた。
それは柔らかく、澄み渡り、まるで鈴を鳴らすような響きだった。
「……え?」
もう一度、声を出してみる。
今度は意識的に、耳を傾ける。
「これは……私の声?」
驚きと混乱が一気に押し寄せる。
頭の中が騒ぎ立て、心臓が高鳴る。
ふと、自分の手を見る——それは細く、しなやかで、まるで別人のものだった。
顔を触り、体を確かめる。
かつての自分とは明らかに違う、柔らかな曲線と、滑らかな肌。
「まさか……転生したのか?」
声は、その疑問をさらに際立たせる。
「……これが、今の私…」
声を出すたびに、その響きが自分の中に染み込んでいく。
慣れない感覚に戸惑いながらも、どこか新鮮さも感じる。
しかし、ふと疑問が浮かぶ。
「……でも、私は……前世では、誰だったんだろう?」
頭を掻きむしりたくなるほど、記憶が曖昧だ。
前世の自分が男だったのか、女だったのか——それさえも、はっきりと思い出せない。
「確か、私は……いや、何だったか……」
記憶は薄い霧の中に溶けていく。
断片的な映像や感情が浮かんでは消えるが、それを掴むことはできなかった。
「もしかしたら、前世でも女だったのかもしれない……いや、男だったのかもしれない……」
その曖昧さが、さらに自分自身への疑問を深める。
新しい体、新しい声——そして、失われた過去。
「でも……」
声を出しながら、自分に言い聞かせるように呟く。
「これが、私の現実なんだ。」
第1話を読んでくださりありがとうございます<(_ _)>
一見典型的な転生ものですが、個人的に一捻りがある作品にしようと思います。
誤字脱字&誤った表現があれば優しく教えていただければ幸いです。
感想&レビューお待ちしております。