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ウォントビーアヒーロー  作者: 紐育静
第三章『あるいは小鳥遊という名の雛鳥』

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3-2『偶然の積み重ね』



 翌日。鷹取穂高は腕にはギブスを、そして体中包帯グルグル巻き、頬には数枚のガーゼとまさに満身創痍という格好で登校していた。転校二日目で何があったんだと一年校舎は騒然としていたが、彼は用水路に落ちて流されただけだと説明しているらしい。確かに昨日は台風の接近による大雨で水辺は危険だったかもしれないが、昴は心苦しく思っていた。

 光輝は入院が必要なほど重傷ではなく、病院で一晩治療を受けただけで自宅で静養しているらしい。もっとも穂高は入院が必要そうな見た目だが、昴が何よりも気になるのは光輝を暴行していた不良グループのリーダー、三年の栗原勇人という男子のことだった。


 昨日栗原達がいなくなったあと、結局警察は現場に来なかったが(どうやら偶然近くを通りがかっただけらしい)、光輝から警察の届けないよう言われていた。昴は光輝に何があったのか説明を求めたが、彼は何も言おうとしなかった。

 光輝が面倒事に巻き込まれていたのは事実だ。栗原勇人という三年生についてはこそこそと学校で生徒達に聞き込みをして情報を集めた。他校の生徒と問題を起こして二度の停学処分を受け、殆ど学校にもおらず来ていたとしても生徒指導室によく世話になっているという評判の悪い生徒だ。出灰に入学した頃は大人しかったらしいが、母親の死後にグレるようになったとのこと。

 問題なのは栗原だけではなく、彼のバックにいる暴走族の存在だ。関東一帯で活動する『鬼武蔵』という結成されてから比較的新しい組織とのことだが、急速に勢力を広げているという。

 ひたすら情報収集に励んでいるとあっという間に時は過ぎて放課後を迎える。HRを終えた昴の姿は校舎三階の図書室にあった。彼が務める図書委員の仕事で、カウンターで本の在庫を台帳で確認する作業をしていた。

 カウンターに座る昴の隣では、ふわふわとしたボブヘアーの少女、津島(つしま)和歌(わか)が天井を眺めながらボーッとしていた。

 和歌は昴と同じクラスの同級生で、皆には『眠り姫』と呼ばれている。その名が表す通り、彼女は午前中の殆どの時間を睡眠に費やしている。朝は寝ぼけていて席についた途端に眠り始め、目を覚ますのは昼食を食べる昼休み頃。昼からはちゃんと起きているが、起きていてもこうしてボケ~としていることが多い。ちゃんと図書委員の仕事はしてくれているので昴に不満はないが、そんな学校生活を送っていて大丈夫なのかと心配している。

 和歌のゆるふわな雰囲気は男子にも人気だが、彼女が眠り姫たる所以が毎晩オンラインゲームばかりシて夜更かししているから、というから驚きだ。それを本人から直接聞いた時、昴の和歌に対する印象は二百度ぐらい変わったのである。


 「ねースバくーん」


 どこからか取り出した漫画を読みながら和歌は昴に問いかけた。昴のことをピヨちゃんとかピヨ助とか呼んでこない友人は珍しい。図書室には来客も無く、本の整理ぐらいしかすることがない。調べ物のためにたまに生徒が訪れるぐらいだった。


 「どうしたの、津島さん」

 「一組の転校してきた人と知り合いってい話はホントー?」

 「ま、まあそうだったけど」


 まさか和歌の口から穂高の話題が出てくるとは思っていなかった。転校初日に増水した用水路に流されて(という設定で)ボロボロの姿で登校してきた彼は話のネタが尽きない。


 「でも、穂高君は僕のことを覚えていないみたいで……」

 「そうなんだよねー、何だかミステリアスって感じ。ねぇねぇスバ君、昔のあの人ってどんな感じだったのー?」

 「え? えぇっとね……」


 長らく誰にも語ることのなかった昔の記憶を脳内の引き出しから取り出して、昴は話し始めた。


 「穂高君は、僕が福岡に住んでた頃の友達だよ。穂高君は地元のサッカークラブに入ってて、とてもサッカーが上手かったんだ。背はそんなに高くなかったんだけど、なんだったかなぁ……何か異名がつくぐらいには有名だったよ。

  それに穂高君は昔から見た目が女の子っぽくて体も小さかったから、皆に可愛がられてたんだ。本人は女の子扱いされるのを心底嫌がってたけど」


 昴も当時は穂高と大して身長は変わらなかったが、成長期を迎えても昴はあまり背が伸びずコンプレックスを抱えている。

 昔の穂高少年は、未だに写真を見ても本当に男なのか怪しいぐらいの出で立ちだ。しかし成長期を迎えた穂高は流石に身長も伸びていて、顔立ちはあまり変わらないが昔に比べれば大分男子っぽくなった。しかしサッカーをやっている人間の中では、今もやはり背は高い方ではない。


 「僕、運動はあまり得意じゃないんだけど、穂高君はいつも僕と一緒に遊んでくれてたんだ。穂高君の妹と三人で色んな場所に行って、たくさん遊んでたなぁ。

  だけど、五年前……」


 昴はそこで言葉を詰まらせた。五年前、その後の言葉が続かない。思い出すだけで体が震え心臓の鼓動が早くなる。思い出したくない、だが経験してしまった以上、向かわないといけない出来事だ。


 「五年前って、福岡事変?」


 今の日本人の殆どは、今から五年前というワードで大方の出来事を察することが出来る。それ程に衝撃的で、四月デストラクション以前の戦後世界では最も大きな事件だった。

 

 一般的に『東亜危機』と呼ばれる東アジアでの武力紛争での一つの事件が『福岡事変』だ。その事件が起きた日付から11.11と呼ばれたり福岡戦争と呼ばれることもある。

 二〇二〇年十一月十一日、韓国釜山、対馬、そして福岡市を戦場とした、たった一日だけの戦争。釜山と博多を結ぶ高速船を対馬近海でロシア軍が攻撃したことを皮切りに、自衛隊と韓国軍がこれに応戦。偶発的に起きた戦いが広がっていき戦場が福岡へと変わるとさらに中国人民解放軍やアメリカ軍まで加わり、福岡市を中心に日・米・中・露の四カ国が戦いを繰り広げる事態となった。

 結果として日本人だけでも三万人以上の死者行方不明者を出した大惨事となってしまった。一連の騒動の原因は、ロシア軍の高級将校が一部部隊を率いて反乱を起こそうとしており、関係各国が鎮圧のため出動し戦火が拡大したということになっている。それが韓国も含めた五カ国が出した公式発表だ。

 だが大国間で軍事的緊張が走ること、さらには核戦争の危険性があることもわかりきっているのに、どうして各国が強硬的な手段を取り福岡を戦場に戦うことになったのかは今も多くの謎が残っている。そのため今も様々な陰謀論が囁かれている事件だ。


 「あの日、僕は何とか助かったんだけど、それから穂高君とは音信不通になっちゃってさ。僕は父さんの仕事の関係で東京に引っ越してきたんだけど」


 事件当日、昴自身は戦闘に巻き込まれずに自衛隊に保護されたが、医師として戦場の中心で救護に当たっていた母親を失っている。同じく医師だった父親は海外に出張していたため無事で、今は福岡を離れて東京に住んでいる。当時の昴の友人達は殆どが事件に巻き込まれて犠牲になってしまっていた。その中に穂高も入っているものだと昴は思っていた。事件後、彼とは一切連絡が取れなかったからだ。


 「へー、それで再会できるってすごいめぐり合わせだねー」

 「僕もそう思うよ。僕のことを覚えててくれないのは、ちょっとショックだったけどね……」


 昴は穂高のことは勿論のこと、彼の妹である鷹取椛のことも、何よりあの日のことは忘れられない。あの日は本当に……いいや、思い出してはいけない。昴は首を横にブンブンと振って、後ろ向きな思考回路を断った。


 廊下の方から話し声が聞こえてきたかと思えば、側の図書室のドアが開かれる。久しぶりの来客だと思って昴は目をやった。


 「ここが図書室、数は少ないけど漫画とかも置いてある。時期によっちゃ自習室が激混みだからこっちで勉強してる奴もいる」


 入ってきたのは、立花斬治郎と包帯グルグル巻きの鷹取穂高の二人組だった。転校してきたばかりの彼にまだ学校を案内して周っているようだ。そんな体の状態で校内を歩き回るつもりか。


 「やーやーザンジローくーん。まだ学校周ってるのー?」


 軽く手を振って和歌が斬治郎に声をかけていた。


 「そういや今日は若様も当番だったか。まだ部活も紹介しきってねーんだよ」

 「ダッカ君は部活入るのー?」


 穂高にはバングラデシュの首都みたいなあだ名がついていた。


 「帰宅部かなー」

 「それは入るもんなのか?」

 「でも部室あったし」

 「あるのかよ!?」


 この高校は部活どころか同好会も盛りだくさんだ。スポーツコースが設置されているため運動部も盛んだが、数で言えば文化系の部活の方が多い。斬治郎も和歌も、部活に入っているとは聞いたことがない。


 「えっと、穂高君」


 彼らの話が終わったのを見計らって、昴は穂高に声をかけた。穂高は怪我だらけでとても痛々しい姿だが、昔と変わらない優しげな表情を昴に向けた。


 「昨日はありがとう、助けてくれて」


 昴がそう礼を言っても、穂高は首を傾げていた。


 「昨日? ごめん、覚えてないや」


 いいや、そんなはずはないと昴は昨日の記憶を振り返る。昨日あの現場に駆けつけた穂高に昴と光輝は助けられたはずだった。

 どういうわけか穂高はしらを切るつもりらしい。そもそも昨日どうしてあの場所に穂高がやって来たのかも謎だ。しかし昴は本人に追求する気にもなれず、きっと何か理由があるんだと、カウンターから彼らを見送っただけだった。


 委員会の仕事を終えて昴は家への帰途につく。出灰の最寄り駅である池袋駅に向かって通りを歩いていくだけなのだが、道中で背後から嫌な気配を感じていた。


 「若様っていつもあんな感じなの?」

 「そーだぜ、いつも寝てる。夜中までオンゲーしてたりアニメ見たりしてるからな。先生も呆れて怒らなくなったみてーだけど、それにしては成績も悪くないんだし良いんじゃね?」

 「授業態度に難があるなら問題だと思うけど」

 「午後は起きてるから大丈夫なんだろ」


 彼らも一緒の通学路なのだろうか、校門を出た時からずっと穂高と斬治郎の二人が昴の後ろをついてきていた。彼らの会話が耳に入る程の距離で。


 「あーあ、進学コースは勉強づくしだからつまんねーんだよなー」

 「自分で選んどいて何言ってんの」

 「成り行きだよこんなもの。俺は文系も理系も嫌なのに」


 いっそのこと会話に混ざろうかとも昴は迷っていたが、変に関わらないようにしていた。

 穂高が出灰に転校してきてから、斬治郎と行動を共にしているのを頻繁に見かけている。東京での彼の友人なのかかなり親身に接しているように見える。

 だが彼は知っているのだろうか、穂高に降り掛かった出来事を。だが昴も知っているわけではないのだ。下手に喋ると彼を落ち込ませてしまいそうで、その件には中々触れられずにいた。

 

 池袋駅に着くとJRの改札を抜けて湘南新宿ラインのホームへ。昴の後をつける穂高達もJRの改札を抜けて同じ大宮方面のホームにいた。わざとなのかは知らないが、昴と少し距離をとって。

 電車が到着して乗り込んでも、彼らは昴と一定の距離を保っている。尾行されているのではと昴は考えたが、これは偶然だと思うようにした。たまたま同じ方向に用事があるのかもしれないし、自分が尾行される意味が全くわからなかったからだ。昴は英語の単語帳を眺めながら、彼らの話に耳を傾けてみる。


 「穂高はずっと電車通学だったのか?」

 「ううん、中学も高校も徒歩だよ。定期もカードも持ってないし」

 「え? それって不便だろ、カードぐらいは作っとけよ」

 「よく失くしちゃうんだよ」

 「それは意外だな……」


 どうやら穂高が物を失くしがちなのは昔から変わっていないらしい。大事なものは『大事なもの』と書かれた木箱に全部彼が詰め込んでいたのを昴は思い出す。その中に入っていたのは大体彼の妹である椛が映っている写真で、このシスコンは本当に狂ってるなと昴はかつて思ったことがあった。

 穂高には椛という妹がいたはずだ。彼ら兄妹は共に相当な頑固者で一度喧嘩が始まるとお互いに全然譲らない戦いを始めるため、その度昴が仲裁しなければならなかった。しかし決して仲が悪かったわけでもなく、二人は一緒にいることが多かった。

 出灰高校を運営する学校法人は幼稚園から大学まで運営しているため、穂高が東京にいるなら妹の椛もいるはずだと昴は考えた。彼らなら一緒に下校していても不思議ではないのだが、単に別の中学に通っているのか、とうとう反抗期を迎えた椛が穂高に近寄りたがらないだけなのだろうと昴は思うことにした。


 同じ駅で降りて同じ改札を通り、同じ出口へと向かう。転校してきたばかりの穂高はともかく、斬治郎に至っては今まで一度も登下校中やこの付近で見かけたことがない。いや学校の近辺では見かけたことはあるが、同じ通学路だった覚えはない。

 彼らは何が目的だ? 尾行を続けていると断言してもいい頃合いだったが、昴はそれを信じきれなかった。


 「きゃああああああああっ!」


 駅のロータリーを歩いていると、突然女性の悲鳴が昴の耳に入った。その悲鳴は駅前のショッピングモールの方から段々と人々に波状に広がっていき、昴の方へ近づいてきて脅威が目に入る。


 「うっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ! 皆殺しにしてやるううううっ!」


 昴のどこかに宿っていた生存本能が、今すぐ逃げろと昴に訴えかける。だがそれよりも、目の前に現れた白いコートを羽織って太陽の仮面を被った男の、狂気に満ちた声に対する恐怖心が勝ってしまう。男はナイフのようなものを握りしめ、右目に謎の青い光を灯していた。

 噂によく聞くテロリスト達だ。彼らは都市伝説で語られるように、本当に超能力者なのか?

 男が握っていたはずのナイフが宙に浮き、そして一人でに動いて人々に斬りかかる。すぐに交番にいた数人の警官が駆けつけてきたが、拳銃を構える前に体を斬られてしまっていた。斬りつけられた人々が倒れ、周囲の人々が逃げ惑う中、昴は腰を抜かしてしまっていた。

 しかし、昴の背後から二つの人影が側を通り抜けた。彼らは凶刃を振るうテロリストに向かって駆けていった。


 「なっ──」


 一瞬の出来事だった。背中に月の紋章が描かれた黒いコートを羽織り、同じく月が描かれた仮面を被った二人の人物が、その手に持つ光り輝く剣と二本の刀で男に斬りかかり、男はロータリーに倒れていた。白いコートが赤く染まっていき、地面に血溜まりが広がっていく。


 「少し遅れたか」

 「着替える時間が面倒だね。それさえなければコンマ三秒で片付けられた」

 「お前なら本当に出来るんだろうな……」


 一方は煌めく靄のような、キラキラした光を体に纏い、もう一方は腰に二本の鞘を装備して両手に刀を持っていた。常人とは思えぬ風貌の彼らは救世主か? まだ駅前の混乱が収まりきらない中、昴はただただ驚くだけだった。

 二人は昴の方を向いた。仮面を被っているため表情はわからないが、右目辺りから青い光が出ているのが見えた。



 「いやいや~お見事ですねぇ」


 その声がした途端、彼らは正面の方に視線を戻した。昴と彼らの視線の先には、白いセーラー服の上に白いコートを羽織った少女が立っていた。その美しい金色の髪、青色の澄み切った瞳、何よりも目立つ可愛らしい容姿に昴の目は釘付けになる。

 少女はロータリーに停まっていたバスの上で、その華奢な体に不釣り合いな大鎌をグルグルと回しながら笑顔で話し始めた。


 「まさかこんなところにいらっしゃるとは思いませんでしたけど~流石は()()()()()()ですねぇ()()()~」

 「……穂高、君?」


 確かに少女は穂高という名前を口に出した。一方の黒いコートを羽織った人物に言った。名前が一緒なだけだろうか。

 たったそれだけの偶然か?

 彼ら二人が昴をずっと尾行していたことも?

 昨日、昴と光輝の元に彼が駆けつけたことも?

 彼が、昴が通う高校に転校してきたことも?

 今までの出来事全てを、偶然という言葉で片付ける事が出来るだろうか?

 ニコニコと可愛らしい笑顔を見せる少女に対して、二人の少年は深い溜息を吐いていた。


 「面倒なことになったね」

 「やっぱりあいつの口、縛った方が良かったんじゃね」

 「僕らの口が縛られることになるよ」

 「怖すぎだろ。お前のその巻き込まれ癖どうにかしてくれよ、どうすんだよこれ」

 「どうもこういう体質みたいだからしょうがないね。やっぱり僕達にはコードネームが必要だって」

 「今更作るのも面倒だって副メイドさんは言ってたしな……」


 そう言葉を交わすと、彼らは後方で腰を抜かしていた昴の方を向いた。間違いない、この二人は鷹取穂高と立花斬治郎に違いないと昴は確信した。この二人もあの連中と一緒なのか? その人とは思えない出で立ちは何なんだ? 噂の超能力者達なのか?


 「そこの君」

 「え? は、はい」


 穂高らしき少年の呼びかけに昴は慌てて返事した。


 「今日のことは、忘れた方が身のためだよ」

 「そうだな、ろくなことにならないぞ」

 「え、えぇ……?」


 それは妙に圧を感じる物言いだった。「これ以上関わるな」と警告しているようだ。だが怯える昴は逃げ出すことも出来ないまま、アワアワと慌てているだけだ。そんな彼を見て、一方の少年が月の仮面を取った。彼は微笑みながら昴に語りかけた。


 「早く逃げるんだ。そしてまた、いつも通りの日常に戻れば良い」


 彼は確かに鷹取穂高だった。彼は右目に青い光を灯している。それは昴が知らない、今の穂高の実像だった。


 「……うん、わかった!」


 穂高の顔を見て元気を貰った昴は何とか立ち上がり、その場から一目散に逃げ出していた。

 何も怖くない。彼らなら、穂高ならきっとやってくれる。今の状況が何一つ理解できなくても、何も根拠がなくても、昴はそう信じることが出来た。

 穂高のあの笑顔は、昔と変わっていなかった。


 

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