ヒーロー&ヒロインの絵が浮かぶほどの描写がある
貴重なご意見、ご感想をたくさんいただいております。
ありがとうございます!!
ランキング上位にのし上がる作品は、ヒーロー&ヒロインの描写に力が入っていると思います。それはもう、絵が浮かぶほど。
外見描写が秀逸だったり、それが少なめでも、心情描写に力が入っていて、『人物像』をありありと思い浮かべることができます。
では、具体的描写があるとどう良いのでしょう?
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①『記号』ではない、生きている『キャラ』
②想像の余地が狭く、頭が疲れない
③その他大勢とは違う『特別感』
④着せ替えというエンターテイメント
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①『記号』ではない、生きている『キャラ』
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読者に物語を、主人公を気に入ってもらうには、共感できる=没入できる『キャラ』でなければなりません。そのためには、ある程度『リアルな』心を持った、生きているキャラである必要があります。
髪や瞳、肌の色のような外見の特徴だけでなく、表情や仕草、心情描写などがあると、より具体的で現実の人物像に近い――リアリティのあるキャラになります。
逆に、描写がとことん少なくなると、『血の通った人物』というよりは『無機質な記号』のような印象を抱きます。抽象的な描写ばかりでも、共感するには遠く感じます。
リアリティを感じる描写が少ない=おとぎ話の印象が強くなるからでしょうか。
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②想像の余地が狭く、頭が疲れない
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描写がない部分は、読者の想像に任せることになります。つまり、頭を使わせるわけです。
例えば『絶世の美女』というワード。それだけしか手がかりがないと、どんな雰囲気(高飛車なのかおっとりなのか……等)の人物なのか、読者は物語の内容と照らし合わせて、手探りであれこれ考えなければなりません。
疲れます。
金髪碧眼のおっとり系美女だと思ってたら、物語の中盤あたりで『黒人部隊を従えた曹長の娘』、途中から『喧嘩殺法で大暴れ』とか書いてあった……イメージ大混乱、嫌になります。
ヒーロー&ヒロインの描写は、具体的且つ登場シーンに、そして主人公ならば性格についても定義しておいた方が混乱を招かず、無駄に頭を使わせずにスイスイ読ませることができると思うのです。
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③その他大勢とは違う『特別感』
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ヒーロー&ヒロインは、言わば読者の分身――『アバター』に近いものだとた~にゃんは考えています。
彼らを表す『描写』は、リアリティを感じさせるモノであると同時に、ある意味『賛辞』でもあります。
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声を変え、服で体型を誤魔化していても、不意に見せる表情は年頃の無邪気な娘そのもの。成長につれ、メリハリの出てきた身体は程よく引き締まり、陽射しに恵まれぬ気候のせいか、その肌は雪のように白く、染み一つない。
十年前は子供らしく可愛かった顔は今や美しく整い、凛とした意思の強そうな眉に、快活な光を宿した大きな空色の瞳、すっと通った鼻筋に、瑞々しい薄紅色の唇、血色のよい頬――男装していてすら、街に出れば道行く人が振り返り、女性なら頬を染め、男性なら落胆する姿を何度見てきたか知らない。
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これは拙作『RISE!~男装少女の異世界成り上がり譚~』中の主人公の描写です。
(なんと10行もあったぜ。長っ!)
褒めちぎっております。
でも、このキャラに没入していれば、たぶん『気持ちいい』文だと思うんです。長いのが玉に瑕ですが(笑)
その他大勢と違って特別=優越感
ランキング上位作品だと、ヒーロー&ヒロインの描写を、多くても4~5行くらいの塊で、表現を変えつつ繰り返しています。
このくらいでしたら、読んでいて煩わしさは感じませんし、何より繰り返し『特別感』を味わえ『礼賛』されるのは美味しい。そう思えませんか?
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④着せ替えというエンターテイメント
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これは女子向け小説特有のことかな。
主人公がドレスアップしたり、制服を着たり、はたまたメイドに扮したり――具体的な描写があればこそ実現できる、ご褒美シーンだと思います。
女子は服飾が大好きです。
リアルではドレスなんか着ませんし、そもそもどんな服でも似合うウルトラスーパー美女でもないですし(笑)
でも、着飾るのは好きだし夢なんです。
女子ならドレスを着せてみたいし、男子なら鎧とかタキシードを着せてみたい……ついでに半裸にしてみたい(←)のです。
いかがでしたでしょうか。
次回は、⑤中弛みがなく、テンポよく話が進むについてです。