どっぷり浸れる恋愛要素
女子ウケする小説に、恋愛要素は必須です。
サラッとした恋愛では物足りません。どっぷり肩まで浸かりたい――。
具体的には、カレと出会っていろいろあって付き合って、さらに結婚するところまで。そのなっが~~~い工程を、全部余すところなく描いてある。ランキング上位や書籍化作品は、この傾向が強いと思います。
絵に描くとこんな感じでしょうか↓↓↓
どうしてでしょうね。
私は①で、読者は『主人公を疑似体験したい』という話をしました。読者が女性の場合、この欲求に、『主人公を通して理想の恋愛も疑似体験したい』という欲求もあるのではないでしょうか。
サクセスストーリーも美味しいけど、恋愛も美味しいから味わいたい。
それは、まあわかる。
でも、『どっぷり浸る』恋愛の必要ある? そう思いますよね? なんで出会いから結婚までのクソ長い工程を事細かに描かなきゃならんのだ。
下手したら10年以上引っ張る場合もある……。
長ぇよ(怒)!
その答えは、女性特有の恋愛観にあると思います。
【女性の恋愛観】
女性の恋愛観について調べてみると、次のような特徴があるとわかりました。
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①何より大事! 信頼感と安心感
②恋愛のゴールは結婚
③欲しいのは愛の言葉
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順番にみていきましょう。
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①何より大事! 信頼感と安心感
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女性がパートナーに求めるのは、信頼と安心――強固な心のつながりです。これがないと、逆に不安になってしまいます。
例えばLINEのやり取り。
男性からすれば、LINEは業務連絡の手段。用事があるときに使います。
一方女性にとって、LINEは相手と繋がるアイテムです。特に用事がなくても彼氏にLINEします。「ねぇ、今何してる?」みたいに。
傍にいて――女性サイドのラブソングによくあるように、『カレ』と心情面で繋がっている時間が、女性にとって何より安心できる時間なのです。連絡もマメでないと不安になります。
信頼も安心も、一朝一夕には得られません。また、女性は男性を総合点で判断していると言われています。見た目だけではなく、性格や能力なども考慮します。
だから、女性は恋に落ちるまでにとても時間がかかります。逆に一目惚れは少ないと言われています。
女性にとって、『出会って好きになるまで』は、とても重要な部分です。
そして、関係が深まるにつれて、恋心はじわじわと高まっていきます。なので、『付き合い始めるまで』の描写に厚みがないと、リアリティの薄い恋、なんとなく『嘘くさい』恋になってしまいます。
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②恋愛のゴールは結婚
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女性にとって、恋愛のゴールは結婚です。(生物としての本能的なゴールは、結婚して優秀な子供を産むこと)
小説の中でも、ヒーローとヒロインが結婚してめでたし! と終わるパターン、多いですよね。で、エピローグや番外編で結婚後を描いたりする。
結婚は強固な心のつながりを得るもの――ある種の夢であり、妊娠・出産で人生を大きく変える結果をもたらすセックスは現実です。(男性の場合、セックスが夢で、結婚は現実――責任や束縛)
女性は未婚だと焦ります。
結婚という強固な心のつながりが得られない、また妊娠・出産にはある程度の年齢制限があるため、不安になるのですね。
(対する男性は、童貞(=一人前でないと認識する)だと焦る)
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③欲しいのは愛の言葉
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女性は感情表現が得意です。考えていることをうまく言葉にすることができます。そして、①の安心感と信頼感を『言葉』から探り、確認しようとします。
『カレ』からの思いやりの言葉や気遣いの言葉で、自分への気持ち――どのくらい自分を大切にしてくれるかを測っているのです。
片想い中の女性は、好きな人の気持ちをとにかく知りたいと思います。LINEなどで『カレ』からのレスポンスを深読みしたり、何気ないひと言に浮かれたりするのです。
(注意!)
念のため言っておきますが、あくまでも『傾向』です。女性(男性)の性質を決めつけるものではありません。
いかがでしたでしょうか。
女性の恋愛観における特徴は、これだけではありませんが、ひとまず置いておきます。
(資料として、男性の恋愛観と合わせて箇条書きにしたページを作りましょうか?)
多くの女子にとって、『理想の恋愛(成就)』は美味しいものです。故に共感できる内容でなければ、彼女たちの琴線には触れられません。
ヒーローとヒロインの掛け合いの回数があり、且つ間隔があきすぎない、じわじわ進む(一喜一憂したり、じれじれ感のある)恋模様が好まれるのかな、と思います。
これはた~にゃんの所感にすぎませんが、エロいシーンがあるからウケるというわけではなさそうです。壁ドンや顎クイ、ハグに押し倒すなど密着度の高いラブハプニングは数あれど、キス(但し事故チュー、一方的なものを除く)までにえらい時間がかかる物語がほとんどです。