14 ブラコン
お兄ちゃんは何かを思い出す様に、遠くへ視線を向ける。
「案外、血のつながりのない赤の他人同士だったかもな」
「えー、それはないでしょ。それだったら、なんで私の前世をみて後悔するの?」
「いや、無い事はないだろ。ほら、(ごにょごにょ)の関係だったりしたらさ」
「えっ、今なんていったの?」
「ごほん、お子様は考えなくてよろしい」
咳払いしたお兄ちゃんが頭をかるく叩いてくる。
何だか誤魔化された気分。
「あーもうっ、ふっきれた。私とうぶん、彼氏いなくていいやっ」
「まじで!?」
「なんでそんな嬉しそうなの、お兄ちゃん?」
「あっ、いやっ、そのっ。ほら、他意はないんだぞ、他意は。家族として寂しいってだけで」
「? それ以外何かあるの」
「ぐっ、しまった墓穴ほったか。とにかく家族として寂しいって事だ。お兄ちゃんとしてまだまだお前にしてやれる事があるのが嬉しいんだよ」
「そ、そっか」
お兄ちゃんは慌てた様子で、早口になった。
でも、やっぱり私の事はちゃんと考えてくれてるみたい。
なんだか、そんな真面目な事言われると照れくさいな。
「和沙だったら、大丈夫さ。きっといつか良い人が見つかる。お前の良い所はたくさんあるんだからな」
「うっ、うん。ありがとう」
そういうお兄ちゃんの方こそ。
今日は本当に恰好良かった。
妹じゃなかったら、ちょっときゅんときちゃってたかも。
まいったな。
お兄ちゃんっ子、やっと卒業出来たって思ってたのに。
当分は、まだ兄弟仲良しでもいいかなって、そう思えてきちゃう。




