だれか、からとどいた。おくりもの。
あるひ
ぼくがおきると、まくらのところに
あかいはこが、おいてあった
ぼくは、なんだろうとおもって
そのはこをあけてみた
すると、そこには
ぼくがほしがっていた
おもちゃが、はいっていた
すごくうれしかった
ぼくは、はこのなかのおもちゃで
おうちのなかで、たくさんあそんだ
ヒーローごっこしたり
いっしょに、ごほんをよんだり
おふろにいっしょに、はいったりして
おふろは、おかあさんに
おこられたけど、たのしかった
ぼくに、たからものができた
でも、だれからのおくりものなんだろう?
おもちゃの、はいっていた
はこをよーくのぞいてみると
てがみが、はいっていた
ぼくは、そのてがみを
よんでみた
『これは、すこしおとなになった
きみへの、おくりもの』
てがみには
ぼくへのおくりものってかいてあった
だれからおくりもの?
かってに、もらちゃったらわるいことかな?
かえしたほうがいいかな?
おかあさんに、きいてみた
おかあさんが、いうには
このひとは、ぼくにたいせつに
おもちゃであそんでほしくて
ぼくに、おくりものをくれたんだって
なら、ぼくもこのひとに
おくりものをかえさなきゃ
さがさなきゃ
まだ、ちかくにいるかもしれない
おうちのなかを、さがさなきゃ
かぞくみんなで、かざりつけた
おおきな、きのうらにも
おくりものをくれたひとは、いなかった
ぼくのうちの、えんとつのなかを
とおってきたのかも、しれないと
おもって、ぼくはえんとつのなかを
のぞいたけど、おくりものをくれたひとはいなかった
そとには、つめたいゆきがつもっている
おくりものひと、さむくないかな?
おかあさんに、きいてみた
おくりものの人、つぎにいつあえるのって
おかあさんは、いってた
いいこにしてたら、らいねんまたくるって
そうなんだ
でもぼくは、はやくあいたいなぁ
ぼくが、そうおもっていたら
おかあさんが、ぼくにてがみをくれた
おかあさんは、おくりものをくれた人から
ぼくが、さがしてるとおもって
てがみをもらってたみたい
ぼくはそのてがみをよんだ
『ぼくくんへ、
わたしは、とてもはずかしがりやなんだ。
いつもかくれてないと、かおがまっかになっちゃう
だから、ぼくにはあえないけど
わたしは、ぼくくんがまたおとなになったら
たいせつなおくりものを、またとどけよう
これは、わたしのおねがいだけど
おかえしは、ぼくくんがおとななってから
じぶんより、こどもたちにおくりものを
してくれたなら、わたしはうれしいよ
あかいぼうしをかぶった、わたしより』
おくりものをくれた人は
あかいぼうしを、かぶっているんだ
ぼくは、たいせつに
そのてがみを、ひきだしにしまうと
おくりものをくれた人が、いってたように
おとなになったら
おくりものをくれた人みたいに
やさしいひとなりたいと、ぼくはおもった
つぎのひ
ともだちに、ぼくのたからものを
みせにいったら、ともだちも
たからものをもっていた
かっこいいくつだったり
かわいいふくだったり
みんなであそべるボールだったり
おくりものをくれた人は
たくさんのこどもたちに
おくりものをおくっていた
みんながえがおに、なっていた
おくりものをくれたひとは
みんなのえがおが見たかったのかな
って、ぼくはおもった
ぼくもみんなも、しあわせなきもちだった
おくりものをくれた人は
つめたいゆきが、しずかにふりはじめる
きせつのころの、はなしのことだった
おしまい。