第2話 擬似聖剣
お待たせしました!
半年ぶりですね
では、本編をどうぞ!
「訳の分からねぇ事言ってんじゃねぇよ!!」
怪人は怒りを露わにして俺に殴りかかってきた。
怪人の攻撃は俺の腹に直撃したが、なんと痛くも痒くもない。
「手加減してくれてんのか?」
そう言って俺はお返しに怪人に軽く回し蹴りをお見舞いしてやった。
「ぐっ……!!」
すると今度は怪人が吹っ飛んでいったのだ。
先程の俺のように瓦礫の中に突っ込んでいく怪人を見て、俺は自身の力を実感した。
「手加減してくれたから、俺も手加減して蹴ったんだけどな。大丈夫か?」
「本当に素晴らしい素質だよ。ここまでのパワーアップが見込めるとは、私の計算をことごとく凌駕している」
怪人が瓦礫の中から立ち上がり、俺の事を目を真っ赤にしながら睨みつけた。
「舐めた真似しやがって!!お前は俺が確実に殺してやる!!」
折れたパイプを手に持ち怪人が突っ込んでくる。
「頭の中に次にどうすればいいのかが流れ込んでくるわ」
俺は先程と同様に胸に手を当てる。
すると今度は胸が青く輝き、胸からサファイアらしき宝石が出てきた。
すかさずベルトにセットしレバーを引く。
"サファイア!"
ベルトからまた先程と同じ待機音が鳴り始める。
「お前は必ず俺が止める」
そして、俺は思い切りレバーを引いた。
"擬似聖剣システム起動!"
"カリバーン!"
すると、天から一本の剣が俺の真横にの地面に突き刺さった。
「これは……」
「かの昔、ブリテンに君臨した王アーサーが所持した剣だ。宝石サファイアは君が生まれる以前の伝説、神話に登場したいわゆる聖剣をこの世に現界させるものだ。あくまで擬似聖剣なので能力はかなり小さいものなっているが、十分に戦えるだろう」
ベルトからそう声が聞こえ、俺はカリバーンを手に取る。
「行くぞ化け物」
「たかがそんな剣を持ったくらいで強くなった気になるんじゃねぇよ!!」
そういって、鉄パイプをもった怪人が俺に突っ込んできたのだ。
振り下ろされた鉄パイプがカリバーンとぶつかる。
「力込めてもらっていいんだぜ?」
「くっ……力がつえぇ……」
「込めないならこっちから行かせてもらうぞ」
俺は少し力を込めて鉄パイプを怪人のてから弾きとばす。
「がら空きだぞ……?」
武器を失い唖然としている怪人の横腹をカリバーンで思い切り斬り裂く。
斬られた怪人は血液に似た緑色の液体を吹き出しながら後ずさりして俺から距離を取る。
傷口を抑えながら自分になにが起きたのか分からない様子だ。
「どうだ?人生で初めて体に傷ができる感覚は、生きてる感覚するだろ?怖いだろ?俺たち人類はその恐怖にずっと耐えて、そしてお前らの残虐な行いすらも耐えてきたんだ」
「お前らが……弱いからだろうが」
かなり傷口が深かったのかまだ体液が傷口から溢れてる。
「今の俺は強いぞ。これから俺はお前ら怪人の敵になる」
また脳内に俺がやりたいことが流れ込んできた。
「痛みは一瞬さ。お前らとは違うからな」
俺はベルトのレバーをまた引っ張った。
"必殺!"
"勝利を称える黄金の剣!"
機械音声と共にカリバーンが輝きだす。
「かつてひと振りするだけで戦闘を勝利に導いた黄金の剣技だ、勝利を称えよ」
ベルトが意気揚々にそう話した。
「ちょっとまて!もう人間は襲わん!!だから許してくれ!!」
怪人も自体の重大さに気づいたのか、慌てながら俺に助けを求めた。
「……俺の同僚が怪我してんだ。もうしゃべるな」
体のスピードも上がったのか、怪人との距離を一気に詰めて俺は剣を構える。
そして、黄金に輝いたカリバーンで怪人を真っ二つに斬り裂いた。
怪人は声を出す暇もなく、灰になってその場に崩れ去った。
それと同時に手に持っていたカリバーンが同じように灰となり崩れた。
「役目を終えたってことか……」
「Congratulations!素晴らしい勝利だ。戦士として申し分ない。君を選んで正解だったよ」
ベルトから嬉しそうな機械音声が聞こえる。
「それで説明してくれよ。お前は何なんだ?」
「そんなことよりも先に同僚のところに行かなくていいいのかね?」
その言葉を聞いて俺はハッとし、そのまま西野が待っている瓦礫のところに向かった。
「西野無事か!?」
俺に気づいた西野は俺のことを変な目で見ている。
「お前……岡田……か?」
「どう見ても俺だろ」
「変身したままだね。とりあえず同僚を助けてから変身を解きたまえ」
急いできたせいで変身したままだったのに気づかなかった。
俺は瓦礫から西野を引っ張り出し、自身の変身を解いた。
「助かったよ岡田。ところでさっきの姿は何なんだ?」
「私が説明しよう。先程の姿は戦士ホーリーワンだ。かつて時代を駆け抜けた王たちがなることができた宝石の戦士さ」
しゃべるベルトの話を特に疑問も持たずに淡々と聞く俺たち。
旗から見たら異様な光景だろう。
「そして、君岡田誠司を次期ホーリーワンに私が選んだというわけだ」
「なんで俺がそんなとんでもないものに選ばれたんだよ」
純粋な疑問だった。だって俺は、対して偉くも大層立派なこともしていないし、王ですらないただの一般人だ。
そんな俺にその戦士に選ばれる要素なんて一つもない。
「君が寿命を残して死にかけていたからだ。戦士ホーリーワンは自身の寿命を宝石に変えて戦う。まさに逆境を覆すための命をかけた最終手段なんだ」
「寿命…… 俺はあと寿命が何年残ってたんだ?」
「君は百歳前後まで生きる予定だから約70年近く残っているね」
百歳まで生きれたのか、そりゃまだ死ぬには早すぎるわけか。
「で、その力を俺にくれるのか?」
「もう私と君は一心同体さ。ベルトを外すことはできても一定の距離が離れたら君は死んでしまうよ」
淡々と話すベルトだが、つまり俺はこいつを使って変身して戦うことから逃れられないってことか……
「死ぬ!?岡田が死んじまうのか!?」
「私が離れた場合だ。特に離れなければ問題はないさ。誠司、選びたまえ。私と一緒に戦士ホーリーワンとなり、今の世界を救うか。ここで死ぬかだ」
そんなことを聞かれる前から俺の答えは決まっていた。
サラリーマンなんかより断然楽しそうじゃないか。昔の俺が聞いたら泣いて喜ぶぞ。
「やるよ、ホーリーワンやらせてくれ」
「OK!いい返事だ。やはり私の見込みは間違ってなかったようだね」
子供の頃の夢、今叶えさせてもらおうか。
「おい!岡田!!本当にいいのかよ!」
「誠司、西野君をまず病院に連れて行ったほうがいいんじゃないか?私はもう治療をする能力を使えないんだ」
てっきり俺はこのベルトがまた傷を直してくれるものとばかり思っていた。
「それを早く言ってくれ!西野!!医者行くぞ!!」
俺は西野を背負い、病院に運ぶことにした。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回更新は未定です。
では、また