第1頁 ルシファーd(以下略
何も考えずに書いた。
「お主には転生してもらう」
突然のハゲ。後光放つハゲ。神々しいハゲ。
「チートもやろう」
話聞かないハゲ。
「誰もお前の三段活用とか反応したくないわい。………チートはどうする?」
ボクが何もしなくても勝手に相手が倒れていくチート。
「そんなもんねーよ」
じゃあ、それに一番近いヤツをプリーズ。
「わかった。ではな」
足元抜けた。落とし穴か………雲の感触気持ちよかったのに。
◇
ボク、異世界に立つ。
転生とかどうでもいい。ひじょーにどうでもいい。
チートはちょっと興味あるけど、多分敵がいないと意味がないから今はどうでもいい。
問題は辺り一面荒野で何もないという事だ。
地平線まで真っ平ら。驚く程に何もない。
…………寝よう。
◇
……………体痛い。
まぁ、ごつごつした地面に寝たのだから当たり前だが。
起きたら大変な事になった。
周りに鬼がいる。
ゴブリン?オーガ?オーク?
とりあえずそんなヤツ。
ふがふがフーフー言いながらボクを食べようと今にも襲いかかろうとしているようだ。
数は50。
…………こんなのどうしろっちゅーねん。
……………寝る。
◇
起きた。
地味に朝日が拝める事に感謝しつつ周りを見ると、なぜか鬼さんが血だまりに伏していた。
…………なんでやねん。
チートか? チートなのか?
そういえば、異世界転生といえば恒例の『アレ』をやっていなかった。
『アレ』を見ればチートが何なのかわかるかもしれない。
地味に鬼くんが倒れた理由も知りたいしな。
それではさっそく。
ーーー『ステータス』!
◇◇◇◇◇
名前:オー久
性別:雄
種族:オーク
立場:元・魔王軍親衛隊
LV:896
HP:21/85263
MP:0/0
《渾身の一撃》《食いしばり》
◇◇◇◇◇
………違う違うそっちじゃない。
というかレベル高いな。
なんでこんな死に体なんだ。
まるで訳がわからんぞ。
お前元とはいえ魔王軍親衛隊だろ。
もっと頑張れよ。
それとも、ボクのチートがそれほど強いのか?
もう一度自分を意識して
『ステータス』!
◇◇◇◇◇
名前:ルシファード・シュバルツ・アンダーソン・グレイプニル・エルドバラード
…………………長いよ。
………名前長いよ。
しかも『とりあえずカッコいいフレーズ貼っつけてみました』と言わんばかりの雑な名前だよ。
絶望した。
神さまのネーミングセンスに絶望した。
これからボクはこんな名前を名乗らなくちゃいけないのか。
絶望した。
これからの人生に絶望した。
性別:女
種族:大魔王
立場:捨て子
魔王軍何やってんの?
大魔王さまここにいるよ。
早く来いよ。
大魔王が世界の最底辺にいるとか今日日流行んないよ。
魔王軍はいったい誰がトップなのか。
大魔王がいない魔王軍とか笑い話にもならんのですが。
…………というかボク女なのね。
地味に性転換してる事実。
LV:1
HP:1/1
MP:0/0
あっ、ダメだコレ。
ボク大魔王になれないわ。
誰もこんな雑魚を大魔王とは言わないわ。
足挫いただけで死ぬよ。
賭けてもいい。
《ボス特性》《常時『物理反射』展開》
◇◇◇◇◇
…………この豚が死に体なのはコレが原因か。
物理反射。
つまり、この豚は自分が瀕死になるまでボクを殴り続けたのか。
………………もしかして、魔王軍ってバカなのか?