表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隣の席のヒーロー  作者: 由妃
1/1

私、見えてる?

プルルルルルルルルルル

 (眠い…誰だこんな朝早くに)

 携帯を手に取る

 「もしもし…」

 『あっ!もしもし、幽梨です。今日一緒に登校してくれませんか?』

 「へっ!?」

 ♠

 「お待たせ幽梨ちゃん」

 「すみません、でした、望君。今日は1人で行こうと思ったんだけど、なんで学校休んだか聞かれたらどうしようと思って。意見聞ける人ってあなたくらいしかいないから…」

 「体調が優れなくって遠い病院に行っていてやっと体調がよくなったってことは?」

 「いいかもしれませんね。それでいきましょう。私達は買い物中に会ったことにしましょう」

 学校の前につく。校門を開け、また閉める。

 教室に着きカバンを置く。

 「あれ?幽梨ちゃんどこ行くの?」

 「花の水替えです。日課なんですよ」

 「手伝おうか?」

 「結構です。余計時間がかかります」

 スタスタ歩いていき行ってしまった。1人は寂しいな…

 「おう、望!朝から早く来てるな」

 「おはよう。お前も朝から元気だな」

 「朝練が始まる前に自主トレしとこうかなってな」

 「大会頑張れよ」

 「お前なんで何の部活にも入らねーんだよ。レギュラー確定の運動神経なのに」

 「しんどいからかな」

 「なんだよそれ」

 ガラガラガラ

 水替えが終わったのか帰ってきた幽梨。

 隣でカタカタと文字を打つ音が聞こえる。

 「「「「美少女だってーーーーーー!」」」」

 クラス全員がいっせいにドアをいきよいよく開けて入ってきた。

 ビックリしたのかドアが開いた瞬間望の後ろに隠れる。

 「ゆ、幽梨ちゃん?」

 顔面蒼白で首を横に振る。クラスの女子がうずくまってる幽梨を発見する。

 「いたーーー!美少女!」

 叫ぶと皆一斉にそっちを向く。後ろから服を引っ張られる。ギブアップかな。

 「皆落ち着いて。困ってるよ」

 我にかえったのか、落ち着きを取り戻す。

 「え、えーとはじめまして。赤咲幽梨です」

 「幽梨さんって始業式から休んでたよね?なんでなんで?」

 「私、病気があってやっと完治したから今日学校に…」

 「そうなんだ!よろしく!」

 「よろしくお願いします!」

 やっと緊張がほぐれたのか話すようになった。一安心して落ち着いているとおもいっきり服を引っ張られた。

 「おい望!幽梨さんとどんな関係だ!」

 「買い物してたら偶然会っただけたよ」

 「本当にそれだけか?」

 「それだけ」

 「マジかよ…羨ましい」

 ガックリと肩を落とす。

 キーンコーンカーンコーン

 「ヤベ!朝練遅れる!」

 皆急いで準備する。一気に誰もいなくなる

 「嵐のようでした…」

 「うちのクラス皆仲がいいからね…」

 「私、今のうちに如月先生の所に行きますけど付いてきますか?」

 「うん、行く行く」

 皆朝練に行って静かだ。

 「失礼します如月先生」

 「いらっしゃい。朝から男子達がうるさいと思っていたけど、見えるようになったのね」

 「はい、それでこれを」

 紙を差し出す。

 「はい、承けたまわりました」

 「何ですかそれ?」

 「入部届け」

 「へぇー何に入るの?吹奏楽?陸上?バレー?」

 「入るのでわなく作ったの。園芸部」

 「俺も入りたい!」

 「嫌です」

 「まあまあいいじゃない幽梨さん。その分部費は上がるし」

 「……わかりました」

 「それじゃあそろそろ戻りなさい」

 「失礼しました」

 ♠

 休み時間になるたびに幽梨の席に人が集まってくる。さらには昼休みには幽梨の連続告白がやられていた。

 「如月先生」

 「何、幽梨さん?」

 「何で皆彼女が欲しいと思うんでしょう?」

 「さあ?」

 「そうですか…」

 ♠

 放課後になり文化祭の準備が始まった。

 「幽梨ちゃん、私たちのクラスは和風喫茶をやるから着物着るんだけどまずサイズ図らして、その後着てもらうね」

 「分かりました」

 そのまま着替え室に入ってく。

 「幽梨ちゃんヤバ!めっちゃ細いじゃん!」

 「肌、白!」

 大声で言うたびクラスの男子が色目つくから止めてくれ。

 「望君!衣装持ってきたから着て!」

 「わかったー!」

 着替えて外に出る。すると隣も出てくる。幽梨は長い髪を簪でくくっている。

 「似合ってるね」

 「ありがとうございます…」

 歩こうとした幽梨がもつれ転けそうになる。とっさに手を背中にまわす。

 パシャパシャパシャパシャパシャ

 クラスの女子が連写を初め男子も写真を撮り始めた。

 「えーと、大丈夫?」

 「はい、ありがとうございました」

 そのままムードはおさまらずに撮影会が始まった。

 ♠

 「やっと終わりました…」

 「なぜかポーズまで撮らされたからね…」

 撮影会が終わりげっそりとしている2人。約30分かけて幕が閉じたのだ。

 「進路指導室で今のうちにかいてくるから。売る花は揃ったし文化祭まであと一週間だしね」

 「俺も手伝うよ…」

 そんな風に時が過ぎていった…‥

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ