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099◆メイアのお母さん


◆メイアのお母さん


この世界を1周するのには、5年かかるとモッフルダフから聞いた。

このまま旅を続けて世界を1周してきたら、あたしは22歳になってしまう。


むこうの世界にいたら大学を卒業して、就職してる歳だぞ。  あぁ、花のOL生活、イケメン男子と大恋愛して幸せな結婚生活が・・・

いかん、いかん。 まだダメになったわけではない!  もしかしたら、明日突然もとの世界にもどっているかも知れないじゃないか。


結構、夢落ちってこともあるかも知れないし。 ちょっと長い夢をみてましたぁ・・・とか?

でもそうか、まりあ先輩は、まさしくこっちの世界で5年も暮らしてきたんだなぁ・・・ マジかよ・・あああああ!



・・・

あたしは、また船に乗って広い海を航海している最中だ。

こんどの船は、クジラ君が曳航してくれている。 船速は、フィアスの半分くらいなのだけど、それでも十分早い。 


ここ2週間は天気もよく海は穏やかで、特に何もすることが無く、ネガティブなことばかりを考えてしまう。

あたしは、眠りから目が覚めたらこっちの世界の草原に居た。

そういえば、まりあ先輩も学校の裏庭で居眠りをしていて、目が覚めたらこっちの世界に来てたって言ってたなぁ・・・

あたしは目が覚める前、向こうで何をしてたんだっけ?

ここが思い出せれば、何か手がかりになるかも知れないのに、ずっと思い出せないままでいる。


独り言をブツブツとつぶやいていると、メイアがトコトコ走って来て、あたしのスカートに小さな手でしがみつき、あたしの顔を見上げる。

その仕草が超可愛い。 もしかしたら、あたしの胸キュンを知っての行動なのか。


メイアは人間の歳でいうと2、3歳くらいだったっけ。

確か幼女に変化した時に、同じくらいの歳恰好になったと言っていたので、おそらくそんな所だろう。


メイアどうしたの?  また遊んで欲しいの。

だっこ~  だっこがいい~

グヘッ  カワイイーーー  可愛すぎるーーー♪♪♪

よし、よし。  はい、だっこーー。


この大きさとスベスベ・モチモチのほっぺ。  本当に食べちゃいたいくらいだ。

でもね、実際はドラゴンだし、お肌もゴツゴツ・バッリバリなんだよなぁ・・・


ねぇ、メイア。  あなた、お母さんとかいるんでしょ?

おかあさんは、セレネ。

ズッキューーーン   もうダメだ、完全にハートを撃ち抜かれてしまった。

って、そうじゃなくてさ。  本当のお母さんだよ!


ドラゴンは卵から生まれるんだよ、セレネ知らないの。

えーーっと  あれっ、そうだったけ?  じゃあ、お母さん見た事ないの?

ううん。 一度だけ見た。  おっきくて、強そうだった。

そっちかい!  でもそうだよね。  でもさ、大人のドラゴンでも、メイアとあんまり変わらない大きさじゃないの?


普通にしてたらそう。  でも、自分の好きな大きさになれるから、自分で決める。

あっ、そうか。 じゃあ、大きさは自分で決めるんだったら、メイアももの凄く大きくなれるんだ。

なれるけど、動くのがたいへん。

なるほど~


メイアを抱っこしてスリスリしてたら、やって来ました嫉妬深いシルフさんが。

もうね、右手にメイア、左手にシルフだよ!  両手に花と言うか、みんな女なんだよなぁ。 可愛いんだけど・・・


ねぇ、ねぇシルフ。  シルフのお母さんって、どこにいるの?

聞いてはいけない事だったのか、シルフはプイッと顔をそむけるとそのまま船首の方へ飛んでいってしまった。


あちゃー またやっちゃった  あたし・・・   あとでちゃんと誤っておかなくちゃな~。


実は船首像フィギュアヘッドの先端に座って泣いていたシルフの事には、全く気付かなかったダメなあたしだった。





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