表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/572

085◆大陸へ渡る方法(その4)


◆大陸へ渡る方法(その4)


フィアスが、なかなか水面に現れないので試しにもう一度、呼び笛を吹いてみる。

ピィーーー  ピィーーー  ピィーーー


すると今度は、すぐに海面が渦を巻き始める。

あたしは、さっきリアムが流された場面が頭に浮かんで来て、また係船柱(bollard)にしがみついた。


ザッバーー

今回フィアスは、そっと顔をのぞかせてくれたようで、それほど大きな波は立たず安心した。

きっと桟橋の近くに潜っていたのだろう。


近くでみるとフィアスの頭は、とんでもなく大きい。 例えるなら体育館が海の中から出て来たみたいに見える。

なにしろこの子は全長が300mくらいあるのだ。


シルフとメイアに通訳できるか聞くと何とかなるという。

どちらかというと竜族のメイアの方がよいと思うとシルフが言うので、メイアにお願いする。

でもメイアは、あたしとやっと話しができるようになって来たくらいなので、少々不安はあるのだがやってもらうしかない。

シルフも居ることだし、なんとかなるだろう。 そう、ケセラセラ精神だ!


あたしは、フィアスに伝えて欲しい事を整理して、まずはメイアに説明する。

そしてメイアがそれを十分に理解したのを確認してから、フィアスに伝えてもらう。

この時、伝言ゲームのようにならないよう、文章を短くしてキャッチボールすることにした。

なにしろ、違う言語を3つ挟むのだから失敗は許されない。


頭の中で、文章を組み立てていると、シルフがケタケタ笑い始めた。

シルフ、少し静かにしてくれないかな!


シルフの方を振り返ると、フィアスとメイアが、もう何かを喋っているではないか。


シルフがあたしの肩に止まって、通訳をしてくれた内容は、

「この先の灯台で大きな魚を食べた。 すごくおいしかった」←メイア

「沖の方には、もっと大きくて美味い魚がいっぱいいるぞ」←フィアス

「自分にもその場所を教えて」←メイア

「お前、海に潜れるのか?」←フィアス

「あまり得意じゃないけど大丈夫」←メイア

「だったら、あとで俺が獲ってきてやる」←フィアス

「わ~い」←メイア


なんだかなぁ・・・ いまさぁ、一生懸命考えてたんだよ、あたし・・・


そんなわけで、ダンジョンのラスボス戦で、モッフルダフが最終兵器を使って自爆した事をメイアからフィアスに説明してもらった。

フィアスは、しばらくの間黙って聞いていたが、例え爆発に巻き込まれたとしてもモッフルダフは、そのくらいでは死ぬはずは無いと言う。


そういえば思い出した。 前に自分は不死身だって言ってたっけ。

でも、爆発の後、確かに跡形もなくなってたし、近くも探したけどモッフルダフは見つからなかったんだよ。


ファイアスは、過去にも何回か同じような事があったけど、しばらくすると復活して戻って来たという。

その時は、どうやって復活するのか考えても見当もつかなかったけど、あとでモッフルダフがこっそり教えてくれた。

でもこの事は、復活の方法を敵対する者に知られると本当に死んでしまうから絶対内緒と言われた。

それなら、女子高生に内緒の話しなんかしないで欲しかった。 ある意味これは拷問だよ。


あたしは、モッフルダフが生きているかも知れないというフィアスの言葉が嬉しかった。

嬉しくて、知らない間に涙が溢れていた。 鼻水も出ていた。  シルフが飛んで逃げて行った。


その後、フィアスと色々話しをしたのだけれど、モッフルダフは必ずこの港にやって来るので、それを待って皆で大陸へ渡ろうということで落ち着いた。


あたし達はフィアスにいったん別れを告げ、エイミー達が待っている宿へ帰ることにした。

帰り道は、モッフルダフが生きている可能性が大きいと分かったことで、足取りも軽やかだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ