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082◆大陸へ渡る方法(その1)


◆大陸渡る方法(その1)


あたしは、海に落ちて溺れたはずなのに、なぜ桟橋の上で倒れていたのだろう?

あの触手だらけの人は、とても泳げそうになかったし、それなら誰が海の中で意識を失った状態のあたしを桟橋まで運んでくれたのか?

いくら考えても、この謎は解けなかった。


あたしがすっかり元気になったので、皆でそろそろ次の旅のことについて考えようということになった。

居心地のよい町なのだけれど、ここにずっと住むつもりは無いし、ここに居てもあたしの目的は叶わない。

あたしは、自分が居た世界に早く戻りたいのだ。


今いる大きな島から大陸を目指すためには、そこへ行く手段を見つけなければならない。

メイアに乗って空を行くには、次の大陸までの距離があり過ぎる。


モッフルダフが居ない今、港に停泊している航路便に乗船するか、ヘリウムガスで飛ぶ飛行船で空を行くかのどちらかを選択することになる。

ただし、どちらを選んでも何か月も乗船しっぱなしになるので、運賃が相当な額になってしまうのが悩みの種だ。


メイアは子供料金、シルフはこっそり無賃乗船でも、リアムとエイミーとあたしは大人料金だ。

これで、みんなが持っている宝物の3分の1は消えてしまう。

それに乗船期間中の食事代とかなんやかんやで、もう3分の1も無くなるだろう。

これでは大陸に着いた後、旅を続けるための資金に不安が残る。


もしモッフルダフが此処に居れば、あの大鮫に一緒に乗せてもらえたのになあ・・ と自分の都合のいいように考えてしまう。

そういえば、大鮫を探してモッフルダフの事を伝えるのを忘れていた。

もしも、まだこの港近くにいるのならば探して出して、教えてあげなければいけない。


シルフに大鮫をどうやって探したらいいかと聞いてみると、シルフはメイアなら良い方法を知っているのではないかと言う。

で、メイアに聞くとシルフならきっと知ってると思うと言う。

結局、たらい回し状態で何も解決しないため、しばらく港町を散歩して気分をリフレッシュすることにした。


途中、嵐の日に結局パンを買いそびれたことを思い出し、あの看板のお店に行ってみることにした。

お店に向かって歩いて行くと、桟橋の前で船乗りらしき男達が、大声で騒いでいるのに出くわした。


おい、見たか?  俺はあんなに大きな鮫を見た事がねぇぞ。

あの鮫なら、ここにある一番大きな船を5隻は曳けるんじゃないのか?

いやいや、10隻はいけるだろ。


大鮫? もしかしたらモッフルダフの鮫のこと?


すいません。 大きな鮫って聞こえたんですけど・・ それは、どこで見たのでしょうか?

恐る恐る船乗りの男達に尋ねてみた。


お姉ちゃん、鮫なんかに興味あるのかい?  それより俺たちと遊んでいかない?

おぅ、うまい魚を食わしてやるぞ。


いえ、知り合いが大きな鮫で航海してたので、もしかしたらその鮫かなっと・・・


鮫で航海だって!  それって、モッフルダフと違うんか?

そういえば、あの鮫はモッフルダフの・・・


なんだか男達の様子がおかしくなって来たので退散しよう。

そろそろと男達から離れて、再びパン屋の方へ歩き出すと。


おい、お姉ちゃん。 どこへ行くんだ?  話しはまだ終わってねえ。

あ、あの~。 いま、パンを買いに行く途中だったので、これで失礼しようかと。


ちょっと待てよ。 まだ話しの途中じゃねぇか。

姉ちゃん、モッフルダフを知ってるのか?


あちゃー  この前の嵐の件の反省が全く出来てないよ。 あたしのばかばか!  ←心の声


その人と話をしたことは、たぶんあります。 (嘘は言っていない)


そうか。 モッフルダフは、今この町にいるのか?

いえ、たぶん居ないと思います。 (本当のこと)


なんだ。 居ないのか・・  もし、モッフルダフに会ったら、此処に来るように伝えてくれ!


はい。 わかりました。 (わかっただけです)

失礼ですが、お名前は? (一応聞いてみた)

おっ、そうだった。 肝心な事を忘れてた。  俺はアルビン。 でっ、こっちのはスヴェンとラッセだ。


そ、それでは、失礼します。 (ふぅ~ なんとか逃げれた~)


あたしは振り向かずに、ひたすらパン屋に行くことだけに集中するようにした。

でも緊張しすぎて、右手と右足が同時に出て、変な歩き方になっていた。




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