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055◆1階層目(その6)


◆1階層目(その6)


まだ陽は高いが、1階層を制圧してから宿に戻ることを考えると、これ以上グズグズしていられない。

それにセクメトやアナンタ以外の魔物が1階層に居ないとも限らない。

もっと手ごわい魔物が出現すれば、長期戦になるやも知れないのだ。


エイミーは、目の前に聳え立つ塔の入口も火薬で爆破すると言う。  城壁の入口の扉よりは板の厚みも薄く破壊しやすそうなので、ダイナマイトを使うようだ。


エイミーが武器を沢山持って行きたいといった時に反対した自分が、ここでもまた恥ずかしくなる。


ダイナマイトは入口の扉の下3か所に仕掛けられた。

エイミーが導火線に火を点けて、城壁の内壁までいったん退避する。

退避すると同時に、あたりに轟音が鳴り響き、扉が木端微塵に吹き飛んだ。


いや~ 爽快 爽快。  カイルやマーブルがいたら、こんなところ見せられないものね~。 叔母さん家に預かってもらって正解だったわ~。


吹き飛んだ扉を見ながら、もしエイミーが仲間に加わっていなかったら、こんなにスムーズに要塞の中に入れなかっただろうと思った。


エイミーは、辺りに飛び散った瓦礫ガレキの上をジャリジャリと音をさせながら入口へと向かって行く。

アサトライフルを構え入口左右の安全を確認して、みんなに手招きをする。

その合図でみんなして、入口まで全速力で駆けた。


これでようやく、1階層目に突入だ。


この要塞の主塔は、螺旋らせんの二重構造になっていて上階に行くほど、スペースは狭くなる。

1階部分は外周に銃眼が等間隔に開けられていて、通路上に守備兵が配置される作りになっていた。

もっとも魔物たちは銃は持っていなので、せいぜいこの穴から外の様子を覗くくらいだろう。


事前に打ち合わせていた通り、入口から左右に分かれて、魔物の制圧を開始する。

右からはモッフルダフとエイミー、左からは、あたしとシルフとメイアで進む。


どうか、左ルートの魔物が少ないようにと祈るが、メイアがドラゴンの姿になったのがよかったのか今のところ魔物の姿は見えない。

入口から20mくらい進んだところで、床の所々に穴が開いているのに気づく。

かなり古い建物なので、仕方がない。 もしかしたら、この所為で魔物がいないのか?


と思った途端、ドラゴン姿に戻ったメイアが重かったのか、一番大きな穴の周りがバラバラと崩れ始めた。

メイア、危ない!  こっちまで下がって!

 

そう叫んだあたしの方の足元の床が、先にズボッと言う大きな音を立てて崩れた。

あっ・・・


あたしは、小さく驚きの声をあげただけで、そのまま真っ逆さまに落下していった。


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