049◆旅の目的(ダンジョン攻略方法)
第三部
◆旅の目的(ダンジョン攻略方法)
最初に訪れた島の北地域は、鉱業で栄えており、比較的裕福な暮らしをしている人たちが多かった。
島の西側は、北の鉱山の山々とつながった山脈があるため平野が少なく、高地で僅かにお茶の栽培をしているほかは、特にこれといった産業も無く人口も極端に少ない。
また東側の地域は、北地域で造られた合金などを加工して、様々な製品を作る工場があり、大きなものでは鉄の船なども造っているそうだ。
あたしは、自分の記憶を完全に取り戻し、自分の世界に帰るために冒険の旅を続けるのが目的だ。
モッフルダフは6周目の商売の旅、エイミーはこの広い世界を旅して見聞を広め、自分に最も相応しい仕事を見つけることが目的だ。
シルフはあたしの嫁(嘘)、メイアはあたしの娘(嘘)になったので、当然同行する。
あたしたちの次の行く先は、この島の南の端にある大きな港町だ。
ここで、モッフルダフは商品を大量に仕入れ、先周りして待っている大鮫(名前はフィアスというそうだ)に積み込むのだ。
エイミーは、南地域にたくさん点在している銃工場で作られた最新機種に興味があるらしい。
それぞれの目的を持って、それを実現するために力を合わせて進む。
今回の旅の最大の難所は、山賊が出るという山越えだ。
ここを回避する手段もないことはないのだが、その迂回路には昔戦争に使われた要塞の廃墟があり、今では魔物が棲むダンジョンと化している。
近くにあった村は、そのせいで人々が村を捨て去り、今はそこにも魔物が出没するようになっているらしい。
二択ではあるが、どっちの道を進むか、みんなで意見を出し合う。
エイミーは己をもっと鍛えたいという理由で、ダンジョンを攻略したいと言う。
モッフルダフは、もしかしたらダンジョンに見たことも無いようなお宝があるかも知れないという商人らしい野望でエイミーに賛同した。
あたしは戦闘力が皆無に等しいので気乗りがしなかったが、山賊はまがいにも人間なので人を殺めるくらいなら、ダンジョン攻略の方が幾分ましという理由で意見が一致した。
この時は、軽いノリでダンジョン攻略を選んでしまったが、攻略階層が進むにつれ全員が激しく後悔する破目になるのであった。
あたし達は、ダンジョンを攻略するにあたって、情報収集を念入りに行った。
まずはダンジョンに一番近い村の宿屋を拠点として、そこの村人に聞き込みをして回った。
収集した情報はダンジョンの規模、そこに棲み着いている魔物の種類や数、魔物の強さと弱点、有効な攻撃方法などだ。
それらの情報を元に、いろいろな対策を検討した。 もちろん火の山の洞窟での経験もしっかり反映させた。
情報量は多くはなかったが、ダンジョンは地下が2階、地上部分が7階と全部で9階層になっているらしい。
魔物の数はそれほど多くは無いようだが、めちゃめちゃ強いやつがいるようだ。
モッフルダフが期待しているお宝も眠っているらしいが、お宝目当てでダンジョン攻略に挑んだ者は、ことごとく命を落としている。
情報が集まるにつれ、あたしのテンションはダダ下がりである。
しかし、ここを突破しなければ、あたしの旅の目的も叶わない。
あたし達は次に、装備品の準備と点検を行った。
食料や水はもちろんのこと、それぞれの魔物に対する最適な武器と防具、いままでに判明している範囲のダンジョンマップの確認などだ。
みんなしてアレが必要、コレも持っていくなど収拾がつかなくなり、結局荷物が山のようになる。
ハァ~ どうすんのコレ? いったい誰が持つのよ。 あたし力ないし本当に無理だから!
まったく、山のような荷物を見ながら溜息しかでない。
でも、銃と弾薬類は絶対に必要だよね。
どうやらエイミーは、一個師団を壊滅させる気らしい。
こんな量の武器や弾なんて絶対に持てないから! 仮に持てたとしても、重くて動けないでしょっ!
でもさぁ、これは雑魚用でしょう。 それでこれは硬いやつ用だし、これはラスボス対策に絶対必要だし・・・
ほんとに捨てられるのものがないよ~
てか、ロケットランチャー3基もほんとに必要なの?
う~ん、 やっぱりダメかぁ・・・
うん、ダメだよ。 このミリオタ娘が!
こんな具合で前途多難な、ダンジョン攻略が始まったのだった。




