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045◆ブ、ブラが・・・


◆ブ、ブラが・・・


火の山の洞窟でのことは、二度と思い出したくない。


洞窟は奥に進むにつれ、温度が上昇し続けてピークには50度を超えていたと思う。


あたしだけが全身汗まみれで、髪もベタベタになり、それは惨めな状態だった。


メイアは涼しげな顔で余裕だったし、モッフルダフは全く変化なし。

エイミー、カイル、マーブル、シルフの4人は、暑さバテはしたものの、そもそも汗をかく体質ではないようで見た目の変化は感じられない。


それに引き換え、あたしは海で泳いで浜に上がった直後のようだ。

これが4日間つづいた。


いつもは、あたしにべったりなシルフもさすがに近寄って来ない。

頭に来たので、そぉっと近づいて捕まえてやったら、ピィーピィー大騒ぎだった。


面白いので、汗まみれの胸の谷間に放り込んだら、大泣きされてしまった。

これ以上怒らせるとあとが面倒なので、素直に謝った。


そうだ、シルフ。 あたしに水を噴きかけてよ!  そうすれば涼しくなるじゃん。 グッドアイデアーー!

しかし、この一言が余計だった。


シルフは、小悪魔のようにニヤリと笑みを浮かべ、あたしの方に向きを変えると結構な強さで水を噴き出したのだ。


あたしは、予想外の水圧で20mほど吹き飛ばされ、洞窟の壁面に激突して気を失ってしまった。


「殴ったね! オヤジにもぶたれたことないのに!」 一瞬、頭の中にこんなセリフが浮かんだような気がした。



この一件は、もともとあたしに非があったので、シルフを責めるようなことはしなかったのだが、妖精が土下座するのを初めて見てしまった。


シルフは手加減したつもりだったそうだが、脱皮してパワーアップしていたので、力配分が狂ったらしい。


それよりも、水圧でブラが外れていたのに気づかず、しばらくセミヌード状態のままでいたのが修羅場だった。



地獄のような4日目の朝、やっと前方に出口の明かりが見えた。


「洞窟を抜けるとそこは鉱山だった」 どこかで聞いたようなフレーズだが思い出せない。


いくら荒くれ者のオジサンだからと言っても、うら若き乙女のこのような姿は決して見せられないので、シルフにお願いして水浴びをさせてもらう。


あの件がトラウマになったようで最初は渋っていたが、両ほっぺにKISSしたらOKしてくれた。

で、今度は上に向かって水を噴きだしてもらい、落ちて来る水で体と服を洗った。


こうしてサッパリしたところで、あたし達は鉱山の町への第一歩を踏み入れたのだった。


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