043◆火の山の洞窟
◆火の山の洞窟
密林を抜けるのには3日ほどかかったが、エイミーに言わせると普通なら最低でも5日は必要なようだ。
あたしたちのパーティーは、それだけチームワークと戦闘能力が高かったのだろう。
途中、魔物との戦いは8回ほどで、あとは底なし沼や大鮫の背中に生えていた人食い植物みたいなものにも悩まされた。
あとで気が付いたのだけれど、エイミー達が一緒でなければメイアの背に乗り、あっと言う間に目的地に着けたはずだ。
それでも良い経験ができたと思うし、念願であったお肉もお腹いっぱい食べることができたので結果オーライだ。
あたし達の次の試練は、火の山の洞窟だ。 この島は複数の巨大火山からできている。
そのうち最も大きな火山の洞窟を抜けて行かなければ、目指す目的地には着けない。
また、洞窟を抜けた先には鉱山があって、そこの鉱夫達が荒くれ者ばかりなのだそうだ。
魔物は戦って倒せばよいが、人間相手ではそうはいかない。 拳が勝負のカギを握るが、このパーティーにはマッチョがいない。
まぁ、出たとこ勝負。 O型のあたしとしては、ケセラセラだ。
その山は火山というより、やっぱり火の山と呼ぶのが相応しい姿をしていた。
噴火している状態ではないのだが山全体が赤く、ところどころに開いた穴から炎が噴き出している。
おそらく発火性の強いガスが地中から湧き出て、それに火が点いていると思われる。
それで遠くから眺めると山全体が燃えているように見えるのだ。
そんな状態なので、地表を歩いて進むことができないため、洞窟を通って山越えをするしかない。
構造としては幾つかの溶岩性洞窟があって、それを人が手掘りでつなげていき、山の中をトンネルのように抜けられるようになっている。
岩は硬くこの作業をした人の苦労は、さぞかし大変なものだったろう。
あたし達は、昼過ぎに火の山の洞窟の入口に着いた。 ここからは長い洞窟を進むことになる。
エイミーが洞窟の中を好んで住み着く魔物や魔獣も潜んでいるので、今まで以上に注意が必要だという。
洞窟の中は狭いので、戦う場合に間合いが取れないのと皆が使う武器や魔法が他のメンバーにも影響を与えてしまう。
この対策として、フォーメーションを変更したのと一人ひとりの間隔を十分にとるようにして、戦いやすくした。
先頭はモッフルダフ、次はあたしとシルフで、シンガリは変わらずエイミーとした。
エイミーのショットガンやM500は、壁が硬い岩のため洞窟内では弾が壁に弾かれたとき、流れ弾となって味方に当たる可能性があるためだ。
洞窟に入った途端、想像以上に中が暑いことに驚く。 考えてみれば、山全体が燃えているのだから、その内部も暑くて当然だ。
モッフルダフが大量の水を用意していたのを今になって理解する。 各自がこの重い水を背負っているので当然動きも悪くなる。
奥へ進むに連れて、洞窟内の温度もグングン上昇する。 とにかく汗の出る量が半端ない。
全身びしょりになって気持ちが悪い。 しかも風が無いので汗はかくが気化しないので、ぜんぜん涼しくならない。
体力がどんどん奪われていく。
あ゛ーー もうあたし限界だーー! 暑くて死にそうだよーー! カイルもマーブルもいるのに一番最初に音を上げる。
そういえば、あたし以外はあまり暑がっていないのに今更ながらに気づく。
みんなは暑くないの? えっ、なんで?
そうか・・・ シルフもメイアもモッフルダフも人ではない。
エイミー達もこの世界に住んでいる人間だ。 汗はそれなりにかいているけど、それほど辛くは無いようだ。
濡れたブラウスが気持ち悪いので思い切って脱いで、ブラと制服のスカートだけになる。 これで少し楽になった。
(ちなみに、ショーツは履いている)
ついでに、水分補給をしようと水筒を手に持った途端、先頭を行くモッフルダフの鞭がうなりをあげた。




