033◆一つ目の島
◆一つ目の島
延々に続くと思われた広大な海にもやがて終わりがやって来る。
眼下には、大陸と見まちがうほどの大きな島が見えて来た。
あたしが知っている島は、海にぽつんと浮かんでいるイメージなのだが、ほんとうに大きい。
さらに接近してみればその大きさは、かなりの高度で飛んでいるにも拘わらず、目の前には地平線しか見えないくらいだ。
地図を広げれば、エリージャ伯爵領(シルフが印をつけた)から、直線でほぼ1cmも離れていない島ではないか。
この世界はいったい、どれだけ広いんだ・・・
いくら滑空しているとはいえ、メイアもだいぶ疲れただろう。
早く陸地に降りて休ませてあげたい。
あたしは、シルフに相談して安全そうな草原に降りることにした。
ここなら外敵が現れた場合にも、すぐに発見することができる。
地上に降り立つと直ぐにメイアに水を飲ませてあげた。
雲から生成した水が結構溜まっていたので、好きなだけ飲んでもらう。
高いところの雲から抽出した水は冷たくておいしい。
シルフには、常温の水筒の水をあげた。 なぜなら妖精は、極端に冷たいものや熱いものを嫌がるからだ。
あたしは、メイアと同じ雲の水をいただく。 南なんとかの天然水みたいで、とてもおいしい。
空のペットボトルが手元に大量にあれば、水でひと商売ができるのにと思う。
これも、商人モッフルダフの影響だろうか。
一息ついたところで、携行食糧をみんなで食べる。
これも栄養バランス食品みたいで、妖精もドラゴンも人間も食べることができる。
食感はモサモサしている。 匂いはちょっとイチジクみたいだった。
ほんとかどうかは分からないが、モッフルダフは角砂糖1つぐらいの大きさで、ドラゴン1日分と微妙な例えで説明してくれた。
栄養価もカロリーも素晴らしいのだけど、空腹感は満たされない。
メイアは1つ、あたしは10分の1、シルフは耳かきに乗るくらいでも多いくらいだ。
明日は、この島を探検して食料を確保しよう。 できれば、お肉が食べたい。
みんな疲れていたので、横になるとあっと言う間に睡魔に襲われた。
ほんとうは交代で見張りを立てないといけないのだが、用心棒にメイアが居れば大抵のものは襲ってこないだろう。
あたしは、メイアに寄り添い前足を枕にして眠った。 シルフはメイアの角の間に陣取ってスーピィー寝息を立てている。
こうして、一つ目の島の夜がゆっくりと更けていった。




