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027◆モッフルダフ 


◆モッフルダフ 


黒い毛糸玉のように見えるそれは、じわじわと近づいてくる。

あたしは、それに合わせジリジリ後退せざるを得ない。


そんな状態が続き、とうとうメイアが居るところまで戻って来てしまった。

メイアは毛糸玉男を見つけると、ゆっくりと体を起こした。

あたしは、メイアの体にピッタリと身を寄せて短剣を構える。


これは驚きました。 ドラゴンを見るのは久しぶりですよ。

そのドラゴンは、あなたのお友達ですか?


毛糸玉男の声は、どことなく不気味な感じがする。 こいつは、ヤバイやつか?


おやおや、もしかしたら警戒されてますか。

そういえば、自己紹介もせずに失礼しましたね。

わたくしは、この巨大鮫のあるじ、モッフルダフと申します。


巨大鮫・・・ この島のようなものって鮫なの? こんなに大きいのに生き物だなんて・・


そうです。 もう2百年近く、こいつと一緒に旅をしております。


2百年・・・ そんなに長い間・・・


ホホホ この星の大海を一周するのには、約5年はかかるのです。

だから、まだ40周ほどしかしていません。


あちこちの港に寄りながらの旅は結構楽しいですよ。

各地の名産品を仕入れて、他所で高く売る。  商いは、ほんとうに楽しい。

ところで、そのドラゴンですが、是非わたしに売ってはくださいませんか。 特別に高く買い取らせてもらいますが。


この子・・ メイアは売り物なんかじゃありません!  あたしの大切な友達です。 


おやおや、そうでしたか。  それでは仕方がありませんね。

モッフルダフは、残念そうにドラゴンを見つめている。


油断はできないが、それほど危険なやつではなさそうだ。

モッフルダフさんは、商人なんですよね?


はい。 手広くやらさせていただいております。


それじゃ、水とか食料も売っていますか?


もちろんです。 少し先に倉庫があるので、ご案内しましょうか?


お願いします。 でも、友達がもう一人いるので、帰って来るまで待っていただいてもいいでしょうか。


ええ、構いませんよ。 で、お友達はどちらへ?


ちょっと島・・いえ、鮫さんの背中の様子を見にこの先まで。


ほぉ・・ そうですか。 だったら、無事に戻って来れるといいですね。


そ、それは、いったいどういう事でしょうか?  何か危険な場所とかあるんですか。

あたしは、急にシルフの事が心配になった。


空はいつの間にか、薄暗くなって来ていた。


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