裏の顔
「ルイ起きて、ルイ!」
「うぅん…ん?ここは体育館か?」
「うん、そうみたい…」
ルイとアカリは学校の体育館で目が覚めた。
手首を縛られた状態で。
「な、何で手が縛られてんだよ!それに何で体育館に…?」
ルイが今の状況を整理しようと必死に頭の中を巡らせてると目の前から歩いてきた連中がいた。
「おはよう、土岡君。」
そう言って声をかけてきたのは連中の先頭を歩いている男。それは月影だった。
「つ、月影!?」
「今の状況は整理できたかい?土岡君?」
ニヤニヤしながらこっちへ向かってくる月影の後ろには50人ほどの明らかにまともでは無さそうな奴らがいた。
「何を企んでやがる?」
「まずは自分のことよりこちらのことが気になるとは肝がすわってますねー」
ルイとアカリはヒカルと別れた直後に後ろから何かを嗅がされ、拉致され、この体育館に軟禁されていた。
「ルイー?」
「大丈夫だ!アカリは絶対に守る!」
「おやおや、これは微笑ましい光景ですねー。ですけど、あなた達にはこれから想像も出来ないようなことが待ち受けているんですよー」
月影は今にも高笑いしそうな顔で2人を見下ろしていた。
「何をする気だ、月影!お前、何か裏でやってんのか!」
ルイは今にも殴りかかりそうな剣幕だが、手を縛っている縄がそれを許してはくれなかった。
「それは教えられませんねー。まぁもう少しすれば分かりますよ。自分の体でね。」
「自分でこれから殺そうとしてる奴にも言わねぇのかよ? イケメンさんよ。」
体育館の扉がガラガラと音を立てて開いた。
そこにはヒカルが立っていた。
「ヒカル!?」
「だからオレに近付くとろくな目に会わないからやめろって言ってただろうが」
ヒカルは呆れながら、ルイに半年前から言い続けてきたことを再度言った。
「さすがヒカル!助けに来てくれたのか!」
「まぁこうなったのはオレのせいだしな。こいつを放っておくわけにもいかないからな。」
ヒカルの目線はルイから月影へと移った。
「さてと、色々とゲロってもらうぞ。3代目の神隠し執行人さんよ。」