三章「闘龍の実力」
また、一日で書いてしまったww
お気に入りが増えて、非常にテンションが上っております!!ありがとうございます!!
また、増えれば更にテンション上がりますww
「行くよ!みんな!!」
ユリアの一言に俺達は、身構えた。
それを見た敵方も、戦闘体勢をとる。四人全員が手を前方にかざすと、そこに魔法陣が出現する。四人はそれぞれにその魔法陣に手を突っ込むと、そこから武器を引きずり出した。大剣、サイス、銃、ハンマー、と魔法陣から引きずり出しされた武器は、それぞれ個別に魔力を放っている。
「魔法武器か……あの程度になると、相当な値がするもんだな」
「けっ!……これだから金持ちは、いけ好かねぇんだ」
フラックと少年は、そう言葉を交わすと、一気に駆け出した。
「私達も!!」
そう言って、ユリアも駆け出した。見たところ、フラックはハンマー使い、少年は大剣使い、ユリアは銃使いに、それぞれ向かって行く。残りは、っと――――――。
「……あんたか」
そう呟いた時、俺は既にサイス使いの目の前にいた。
サイス使いが目をむく。が、その瞳に驚きの色は無い。
?
その反応に僅かに疑問を覚えるが、俺はその額にデコピンするべく、素早く右腕を突き出そうとする。
しかし、その瞬間、サイス使いが掻き消えた。……魔法!
察するや否や、素早く右肩を引き、半身をズラす。と、それと同時に背後から振り下ろされた巨大なサイスの刃が、俺にあたるスレスレの空間を裂く。
慌てて、飛び退いた俺にサイス使いが言う。
「へぇ。今の避けるんだ……。正直、今ので終わりかと思ってたんだけどなぁ」
そう口にしたサイス使いは、ヘラヘラと笑い額をかく。
そんな余裕の様子のサイス使いに、俺は薄笑いを浮かべて返す。
「空間移動じゃなさそうだな…………なら、はなから幻影だったか?」
すると、その言葉にサイス使いの顔が曇る。
「へぇ……。初見で見破る人、初めてだよ」
え。マジで?アニメとかで有りがちだから、当てずっぽうで言ったんすけど……。正解? もっと凝った魔法期待してたんだけど。
わずかにガッカリしつつも、俺はさも当たり前のように言って見せる。
「まっ……まぁ。特別珍しくはねぇからな。これまで、何人見てきたと思ってる?え?」
……アニメや漫画でな!!
その一言に敵は心底驚いた様子で、一歩後ずさる。
「幻影魔法が珍しくないだと!? この地域じゃ、その存在すら知らねー奴もいるのに!? きっ……貴様何者だ!?まっ、まさか!最近聞く、転生者という奴らか!?」
おや?
俺は、サイス使いの口にした「転生者」という単語に反応する。
そして、そこからの俺は早かった。
先ほどとは比べものにならない速度で、サイス使いとの距離を詰めた俺は、サイスの刃を一掴みで粉々にする。そのまま、息をのみのけぞるサイス使いの顔を持つと地面に軽く叩きつけた。
地鳴りがし、サイス使いが血を吐く。
苦しげに呻く男に、俺は顔を近づけると凄みのある悪そうな笑みを浮かべ、こう言った。
「その「転生者」って奴らの話、詳しく聞かせて貰おうか?」
×××
「フレイム・メイル。バーン・ソード!!」
炎の少年は火炎の剣を振り抜き、大剣使いと激しく打ち合っていた。
「やるな! まともに打ち合える奴に会えて、嬉しいぜ!!!」
そう言った大剣使いが、より強い力で剣を振り下ろす。
「そりゃ!どうもっ!!」
少年はそう叫び、その一撃を炎剣で受け止め、押し返した。
飛び退いた相手に、少年は飛びかかると、宙にいる大剣使いの腹部に火炎の拳を叩き込む。
「おらぁっ!!!」
「ごあっ!?」
もろに入った一撃に相手が苦痛の声を上げ、吹き飛ぶ。
土埃を上げ地面に激突した相手に、少年は追い討ちをかける。
「フレイム・メイル!ブラスキャノン!!!」
炎が少年を包み、空中で巨大な砲台を形成した。
そして、その砲口から高出力レーザーの如く、とてつもない威力の火炎砲が吹き出される。
火炎は、大剣使いを一気にのみ込み、大地を焼きつくす。
しかし、
「なめんなぁ!!!」
怒声と共に、突然火炎が切り払われる。
見ると、全身黒こげになった大剣使いが、剣を振り抜いている。
「炎が使える魔導師は、テメェだけじゃねぇんだよ!!」
そう怒鳴る大剣使いは、着地した少年に向けて大剣を振り下ろした。
刹那。
斬撃とともに大剣の切っ先から爆炎が吹き出し、大地を割る。
斬撃と爆炎は、そのまま少年に直撃し、大爆発を起こした。
「ははははは!ざまぁミロ!!丸焼きにしてやったぜ!!」
大剣使いは、焼けただれた全身を震わせ盛大に笑い声を上げる。
その時だ。
「ぬるい炎だ」
爆炎の中から、白けたような声が響く。
大剣使いは、ギョッとして身構えた。
すると、炎の中から、ほぼ無傷の少年が現れる。
驚愕し剣をその場に落とした大剣に、少年は言った。
「俺は、アルファス・ドルァーガ。炎魔王サイラの弟子だ!!今から、俺はテメェの炎を焼き尽くす!!!」
そう叫ぶなり、少年アルファスは飛び出す。
自らに迫る来る少年と、その素性に、大剣使いは腰を抜かし呟いた。
「……そりゃ、勝てねぇわ」
アルファスは、両手をクロスさせて詠唱する。
「フレイム・メイル!!――――」
炎が詠唱に合わせて、少年の両手に圧縮されていく。その炎の濃さから、高出力の魔法であることがうかがえる。
大剣使いの前で大きく地を蹴ったアルファスは、その両手に握られた火炎の双剣を一気に振り抜いた。
「――デュアル・ブレイザー!!!!!」
二本の炎閃が男を貫き、大爆発を起こす。
見事一撃を決めたアルファスは、背後で失神する大剣使いを一瞥し、小さく鼻で笑うのだった。
一方同じ頃。
「なんだよ。なんなんだっ!あんたら、何者だよっ!」
「強すぎるっ!」
地に伏せるハンマー使いと、銃使いを前に、フラックとユリアは冷ややかな目でその場に仁王立ちしていた。
フラックの両拳は岩に覆われ、ユリアは全身から赤い雷を放電している。
「ここで引くってなら、まだ余興の範疇で済む余地があるが?」
フラックの低い声に、敵方二人は震えあがる。
「待ってフラックさん。まだ、マスターのお孫さんの居場所が聞けてないわ」
無言で拳を振り上げたフラックをユリアが制する。
フラックが拳を下ろしたのを確認し、ユリアが口を開こうとした時、
「もぅ。よい。二人とも。……孫娘は、無事戻って来たわい」
その声に振り返ったユリアは、パァッと笑顔を咲かせると元気よく声をあげた。
「マスター!!」
×××
「マスターの孫娘さんって、幼女かよ……」
事件の後、ギルドで昼食をとっていた俺はため息をつく。
「コウヤ……なに期待してたのよ」
俺の言葉に、向かいに座るユリアが呆れたような声を漏らす。
「いや。だってよ?あいつら、夜の遊びにうんたらって言ってたからよ。一体どんな年頃のお嬢さんかな?って思ってたんだよ……別に、なんか期待してたとか、そういうことだな……」
「はいはい。そういうことにしときますぅー」
ユリアは、言い訳する俺にそう言うとプクーッと頬を膨らませた。 あ。何ソレめちゃ可愛い。つか、なんでイジケるし?
そんなことを考えつつ、俺は先ほどの事件の結末を振り返る。
あの後、マスターの一言でバトルは終結。痛手を追った連中は慌てて逃げ帰っていった。 マスターが言うとこによると、向こうのマスターは始末したとのこと。……容赦ねぇな。このジジイ。
まっ なんにせよ。みな無事で良かった。後で聞いた話だが、うちのギルド結構な実力者が集まってる傾向があるようで、案外俺が始めに飛び出さなくて良かったのかもしれない。
しかし、まぁそれはさて置き、さっきのサイス使いの話だ。
結局、奴はほとんど情報を持っていなかった。しいて言えば、俺以外にも異界からの転生者がいて各地で活躍してとのことくらいだ。
できれば、どこにどんな奴がいるか的な情報も欲しかったが、たかが一話二話分しか出番の無い端役に求め過ぎなのかもしれん。でも、いいさ。こういうのは、少し手間取るくらいが面白くて丁度いい。
俺は、うーんっと伸びをすると席を立つ。
すると、
「コウヤや。ちょっと来てくれ」
不意にマスターが俺を呼ぶ。
どうしたものかと、ユリアを見るが、ユリアは首を傾げる。
仕方なく俺は、一人でマスターのもとに行く。
「マスター。なんでしょう?」
馴れた口調でそう言った俺に、マスターは「うむ」と頷くと用件を告げた。
「今回の事件。見事な活躍だった。……そこでだが、お主にこれから魔導師と同じクエストを受けること許可しよう」
その発言に、しばしの間がある。が、すぐに俺は歓喜の声で問う。
「マジですか!?魔導師のクエスト、受注していいんすか!?」
「いいとも。お主の実力なら、十分に務まるじゃろう。自信を持て」
その言葉に俺は、ガッツポーズをとり、嬉しさを噛み締める。
「く~っ!! はい!ありがとうございます!」
お礼を言うなり、俺はテーブルに戻るとユリアの手を取った。
「ユリア!俺、魔導師のクエスト受けていいってよ!!だからさ!さっそく仕事いこうぜっ!!!」
突然、俺に手を取られたユリアは、急にボッと顔を真っ赤にするが、すぐに落ち着くとニパッと笑う。
「うん! 行こうっ!!」
こうして、俺はまた一歩、魔法の世界に踏み出したのだった。
×××
ギルド[闘龍の古証]より、はるかの海上に一つの島があった。
そこには、一つの巨城がそびえ立っている。その城の最上階にある玉座にて、その若者はしもべの知らせを聞き、笑みを浮かべた。
若者は呟く。
「いいねぇ。新しい転生者か」
その声は、心底喜びに満ちていた。が、それと同じくらい悪意に満ちていた。
「まぁ。準備は出来てる。いつでもいけるよなぁ?アルス」
若者はそう言うと、隣に控える騎士に声をかけた。
すると、騎士はコクリと頷くと、剣の柄に手を添える。
魔力を研ぎ澄ませる騎士。その鎧の胸部には一つの紋章が刻まれている。それは――――、
ギルド[闘龍の古証]のものであった。
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