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一章「ギルド交戦勃発」

面白いと知人に言われたので、モチベーション上がりました。だから、最新話書きましたw みなさんも良かったら感想ください。そしたら、更新速度が上がる……かも。

「私、ユリア・コルストル!よろしくね!」

 そう言って、にっこり微笑んだ少女。フワンと揺れた水色のポニーテールがそのかわいさを際だたせる。

 

 あの後、俺はユリアに連れられてギルド[闘龍の古証]、通称[ガルグイユ・クレスト]のマスターに会いに行った。

 マスターの名は、アレキウス・ドロイアといい、白髭まみれのダンブル○ア先生みたいな人物で、林を吹き飛ばした件について「元々、来月あたりに撤去する予定だったから」と咎めることも無く許して頂けた。また、説明はしたがそれ以上理由諸々を詮索もされなかった為、内心ほっとしている。だってよ。力がある気がして、やっちゃったぜ!なんて、本音言えるわけねーだろ。

 説明としては、ギルドに入ったにあたり模擬戦闘を行った結果、魔力諸々の暴発で事故が発生したことにしておいた。 嘘では無い。実際、あの筋肉男フラック氏が魔法使ったわけだし……。


 と、まぁ、そんなところで今に至る。

 ユリアの自己紹介を受け、俺も改めて名乗り握手を交わした。……この手は、死んでも洗わない。

「でも、魔力0って、信じられないなぁ~。それに自力であのパワー。凄すぎだよ!」

 ギルド内のテーブルに身を乗り出す彼女に俺は、ツイーっと視線を逸らす。……あのね。そうやって乗り出すと君の素敵な谷間が気になるの。わかる?大きいのに無意識って罪よ?

 とかなんとか考えつつ、俺は適当な返事をする。

「……ん~。まぁ、魔力無い分の力だしよ。あれくらい取り柄ないと辛いぜ」

 そう言って俺は、周囲を見回す。

 時間は、夜の8時を回っており、ギルド内には一部の酒を飲んでいるベテランらしき魔導師が数人残っているだけだった。

「ユリア。明日ギルドについてとかいろいろ聞いていいか?」

「もちろんよ。なんなら、今でもいいけど?」

 そう答えるユリアに俺は首をふる。

「たとえ魔導師だって言っても、年頃の女をこれ以上遅く帰らすのは気が引ける」

「ふーん。なんかコウヤって、おじさんみたいなこと言うね」

「うるせーよ」

「ふふっ。ごめんごめん。……でも、私ギルドの寮に住んでるから関係ないんだけどねっ。 まっ。せっかく気遣ってくれたら、今日はかえるけど!」

 そう言って、ユリアはふわりと席から立ち上がると、手を振りギルドから出て行った。……つかよ。紅哉って、いきなり下の名で呼ぶな。なんかむず痒いわ!しかもカタカナで呼ばれると、なんか名前が格好良く聞こえちまう。

 至らぬ思考を巡らせ、ふわぁ と欠伸をした時だった。

「…………は……晴島さぁーん」

 不意に背後から低い声で呼ばれ、俺はビクリと体を震わせる。

 振り返ると、そこにはスタッフさんがいた。

 さっきの一件で延びてたが、ようやく目が覚めたようだ。

「あぁ。大丈夫ですか?えっと……」

「イリカーナです」

「あっ。そうですか。大丈夫ですか?イリカーナさん」

 俺の問いかけに彼女は、金髪のショートヘアをサッと払い、クルリとその場で回ってみせた。

「この通り、ピンピンしております。お騒がせしました」

「いや……まぁ。無事で良かったです。…………ところで何かご用ですかね?」

 俺は、元気といいつつもどこかゲッソリとした顔の彼女に、複雑な笑みを浮かべる。

 すると、彼女は「あぁ。そうでした」と言って、俺に封筒を差し出した。

「晴島さん。遅くなりましたが、クエストの報酬です。確認お願いします」

 なるほど。そう言われれば、まだ早急の報酬もらってなかったな。

 俺は、封筒を開けて中の金額を確認する。

「…………25500ディア。……おい。多すぎだろ。1500ディアじゃねぇーのかよ」

 意外な大金についツッコミをいれる俺に、イリカーナは説明を始めた。

「えっとですね。24000ディアであの林を撤去するクエストを来週あたりに解禁予定でしたが、さっき晴島さんアッサリ終わらしてしまわれたので、今回の報酬をその金額分、上乗せいたしました」

 あー。そういうね。何にせよ、ラッキーだわ。儲けたぜ。

 予想外の収入にニンマリしてしまう俺に、イリカーナは付け加えるように言った。

「それとなんですけど……」

「はい?」

 笑みを消した俺に、イリカーナは続ける。

「我々ガルグイユ・クレストは、仕事上仲の悪いギルドや勢力がいくつかあります。ですので、遠出のクエストに出られる際は、十分気をつけて下さい」

 仲の悪いギルドねぇ……。

 良くファンタジー漫画やラノベで、ギルドや勢力同士の魔法対戦が描かれるが、リアルにあるわけか…………。めんどくせーな。

「あぁ。了解です。気をつけます。……ちなみに一番関係ヤバい連中って、どちらさんですか?」

 すると、イリカーナは少し考えると、俺の耳元でそっと囁く。

「ギルド[怪鬼夜行]。通称[ゴースト・メルギネント]です。いろんなギルドに因縁や喧嘩を売る危険な方々です」



 へぇ……。[怪鬼夜行]ゴースト・メルギネント。もっぱら、妖怪の悪性とでも言ったところか…………。



×××



 そして、俺は奴らと予想以上に早く出会うことになった。


 翌日の昼。

 ギルド内でユリアに一通りギルドの説明や、周辺地域のことを聞き終えた時だった。


「みんな聞け!!ヤバいことがっ!!」


 そう叫び、ギルド内に一人の男が飛び込んで来た。

 見たイメージから、如何にもモブキャラ感がいさめないソイツに、ギルド内にいた全ての魔導師の視線が集まる。

「どうした。フルト」

 マスターがゆっくりと奥から顔を出す。

 フルトと呼ばれたその少年は、慌てた様子で報告した。

「マッ…………マスターの孫娘さんが!!!メルギネントの奴らにさらわれたっ!!!」


 !!!


 ギルド内に衝撃が走る。

 皆が言葉を失い、険しい顔になる中、俺だけがよく分からず欠伸をかみ殺していた。

「なぁユリア。メルギネントって、[怪鬼夜行]?」

 その質問にユリアは、コクリと頷く。

 見ると、マスターは腕を組み考え込むような仕草をしている。

「フルトよ。奴らの要求は?」

「それが――――――」


《よく聞け!!トカゲのシルシ共っ!!!!》


 フルトの言葉を遮り、爆音がギルドに響く。

 その声に全員、慌てて外に出る。

 俺もユリアにならい、外に出た。

《俺達は、[怪鬼夜行]ゴースト・メルギネントだ!!》

 声のする方角に目を向ける。

 すると、そこにはメガホンのような道具を手にしたチンピラが一人。

 その遥か後方に、ものすごい数の魔導師の一団がいる。

「来やがった……」「やるしかねぇのか」「人質のつもりかよっ」

 ギルドのメンバー達が口々にメルギネントへの愚痴を吐く。

 チンピラの男がメガホン片手に叫ぶ。

《良く聞けトカゲ!お前らマスターの孫娘は、預かった。返して欲しけりゃ、ギルドを解散させろ!さもなくば、娘は今夜の遊びの奴隷になる!そして、俺達全勢力を持ってして一斉攻撃をギルドに仕掛ける!》

 その一方的な発言に俺達の中から一人の少年が飛び出した。

「んな一方的な要求のめるかってんだよ!それよか、テメェらが俺達に勝てると思ってんのか!!!」

 そう叫んだ少年は、チンピラに向かって飛び上がる。

「フレイム・メイル!……ブレイク・ハンマー!!!!」

 少年が詠唱すると同時に火炎が少年を包み、少年を巨大な火炎のハンマーに変える。……フレイム・メイル……炎武装か。

「つぶれろっ!!!」

 一気にチンピラに向かって振り下ろされる火炎のハンマー。が、チンピラはニヤリと笑った。


 次の瞬間。


 パンッ!


 乾いた音を立てて、少年の炎が打ち消される。

「何っ!?」

 目を剥く少年にチンピラは、ヒラヒラと首に下がるアクセサリーのような宝石を振って見せた。

「魔壊石か!?」

「そう言うことっ!!」

 言うなりチンピラは、落下して来た少年に魔力を帯びた脚でキックを叩き込んだ。

「がぁっ!!!」

 吹き飛ばされた少年が、ギルドの中に突っ込み瓦礫の下敷きになる。

「テメェ!」「卑怯だぞ!」「野郎!」

 魔導師達が口々にチンピラを罵倒するが、チンピラは意に介す様子は無く、ただニヤニヤと笑っている。

 なるほど。見たところ、あの魔壊石ってのがあると魔法を無効化できるようだ。

 遥かのメルギネント本体でチラチラと何かが光っていることから察するに、奴ら全員があの石を持っているのだろう。卑怯な連中だ。

 チンピラは、再びメガホンを構えると叫ぶ。

《さぁて?どうするよ!魔法が使えねぇんじゃ。俺達には勝てねーだろ?あ゛?大人しく解散しろよ。女だけは全員こっちで引き取ってやるからよぉ!!!》

 その言葉に、ユリアを始めとする全員が悔しげに歯噛みした。


 そして、俺はと言うと――――。


《あ?なんだテメェ?》


 チンピラは、いつの間にか目の前にいた俺に疑問の声を漏らす。

 俺は、無言でその額に手をやる。

 突然のことにチンピラは、疑問符を浮かべて動きを止めた。俺は、その無防備な額に思い切りデコピンした。


 刹那。


 爆風が吹き、チンピラがデコピンに弾かれ彼方に飛んだ。

 チンピラは、遥か後方のメルギネント本体を掠め、その遥か先にある山へと消える。

 その直後、爆音が響き、その山が崩壊した。

 崩壊した山は、土煙を上げ、地に沈んでいく。


 敵、見方の誰もが、目をむき、言葉を失う。


 沈黙の荒野で、俺はチンピラの落としたメガホンを手に取ると、腰に手を当て息を吸い込んだ。


 そして、全力でこう叫ぶ。


 

《全員ぶっ殺してやるから、かかってこい!!!!俺一人で相手してやる!!!!》






ブックマークしてくださった方、ありがとうございます。

次回、ガチバトルです。魔法めちゃくちゃ出てくる予定です。

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