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第4話 憂鬱な休日

「休日ですよー!」

 朝からハイテンションなバカ天使。日本中の高校生は昼頃まで安眠しているのに朝の5時に起こしやがった。普段はウザイの一言で終わらせるのだが、時間が時間だけにバカ天使にも処罰を科さねば…フフフフフ。

「しょ、処罰なんて、て、て、て、天使にしても良いと思ってるんですか。」

 俺の思考を読んだのか、声が震え後退し始めた。

『さらに思考まで読むことはコレは重罪だな。』

 わざと念話でバカ天使を追い込む。当の本人は顔面蒼白で十字を切りなにやらブツブツ祈っている。が、今さら神に祈ったところで俺の怒りが収まるはずもなく、防音処理を施した地下室に連れて行き閉じこめた。中は完全な暗闇で逃げ場などなく、本やで見つけた魔法封じの魔法陣・呪符などを貼り付けておいたので魔法対策もカンペキ。後は二度寝するだけ。


 携帯の着信音で起きた音は時計を見た。13:00、ふむ起きる時間だな。

「何だ?」

「今からカラオケ行こうよ。」

「嫌だ。」

「昼と夜は僕がご馳走するよ。」

「場所を言え、すぐに行く。」

 一人暮らしが長かったせいか、妙に貧乏性の俺は”タダ・無料・特売日”に弱いのだ。おっと、今朝閉じこめたバカ天使を開放しなければならんな。

「大丈夫か?」

「怖かったです!!」

「なら二度と休日の安眠を妨害しないことだな。それと俺は今から出かけるから留守番を頼む。メシは外で喰ってくるから用意しなくても良い。」

「分かりました。あまり遅くならないで下さいね。」

 地下室から出てきたバカ天使は少女趣味の白いゴスロリドレスは呪符の影響で黒焦げになっていて、それはそれは見るも悲惨な状態だった。

「反魔の呪符の効力は絶大でした。」

 そう言い残し自室へと消えた。多少やりすぎたとは思ったものの、普段の恨みを晴らせた爽快感が今の俺の心の大部分を占めていた。

「お、そうだメシ、メシ。」

 さっさと行かなければメシにありつけないような気がしたので急いで向かう。


「昼メシ喰いにいこうぜ。」

「到着早々の人間が言うセリフかい?僕は大輝の財布じゃないんだからね。」

「寝起きだし軽くマックにでも行くか。」

 お財布に優しく高カロリーな食事が出来るマックは学生の生命線とでも言うべき存在だろう。

「約束守ってね。」

 渋々といった感じて俺が注文したメニューの料金を支払い、釘をさしてくる。

「夜まで付き合ってやるから心配するな。」

「ご飯食べるまでの間違いでしょ! 本当にお金のかかる人だな。」

「そう文句を言うなって。」

「カラオケは僕たちだけじゃないからね。委員長と僕の彼女が来る。」

 ……。委員長とお前の彼女が一緒!? 冗談じゃねぇ。

「何で余計な者まで付いてくるんだ?」

「以外に冷静だね。やっぱり男二人じゃ寂しいと思って女の子を呼んでみたんだ。」

「お前の彼女はまだ分かるんだが、何で委員長なんだ?」

「他の子に電話してみたんだけど繋がらなくてさ。唯一繋がったのが委員長だったんだよ。」

 あ、あの野郎…。中でそういうことしてやがったのか。やってくれるんじゃねぇか。

「そ、そうか…、仕方ないな。」

「何怒ってるの?」

「誰も怒ったりしてないじゃないか。」

 満面の笑みで返したのに勘違いされたようだ。

「イヤ、イヤ、イヤ。人殺せますよ、その顔。」

 失礼なことに友樹のやつはガタガタ震え出すわ、ガラの悪いお兄ちゃん達も下を向きながらお帰りになられた。まぁいいさ、後でたっぷりとバカ天使にお仕置きをしてやるからな。

「何に対して怒ってるアkら分からないけど、取りあえず時間だから店に行こうか?」

「そうだな。」

 激しい怒りを後の楽しみの為に置いて、気持ちの切り替えが大切だ。今は夜に食う飯のメニューでも考えておこう。


 色々美味しそうな想像に浸っていると目的地が見えてきた。店の前には女の子二人が楽しそうに笑っていた。

「早かったんだね。」

「友樹遅いよ〜。女の子待たすなんてサイテー。」

「待ち合わせの時間には間に合ってるんだから無効だよ。」

「ハルカもそんなんい怒らない。大森くん困ってるよ?」

「優奈が言うなら…友樹、今回だけだからね!」

「ハイハイ。んじゃ、入ろうか。」

「その前にやることが一つあるんじゃないの?」

「え?」

「え、じゃないわよ。コッチの男、誰だよ。」

「あぁ、僕の小学校からの親友で林 大輝。彼女は僕と付き合ってる合田 ハルカ。」

「小学校からの知り合いだ。」

「ブッ……アハハハハ。友樹〜、林くんってユーモアあるね。」

 ふん。友樹の彼女と言うから待機して会ってみたらこの様かよ。俺なら願い下げの下品な女だ。メシがかかってなきゃ帰ってるとこなんだがな。

「ハルカ、その位にしときなよ。さ、入ろう。」

 6時間というかなり長い時間を頼んでいた。そりゃ覚悟はしていたが実際になるとかなりツラく感じる。

「さぁ、歌うぞぉー!!」

 まぁ女の子は歌に燃えるのは理解できるんだが断りもなく一曲目を入れるって自己中すぎるだろ。

 まぁ、そんな調子で”ハルカの一人ライヴ”は2時間におよんだ。

「私はもういいわ。流石に痺れた。」

 当たり前だろ! バカヤロー!

「僕、いっていいかな?」

 友樹は遠慮がちに尋ねてきた。もちろんOK。始めから俺は歌う気なんてないからな。オイ、部屋代無駄とか言うな! ディナーできっちりと還元させてもらうんだよ!


 残りの4時間は委員長と友樹が熱唱して終了。俺はメシをおごらせて帰宅。いや〜喰った、喰った。でも、なんか無駄に体力使う一日だったな。

 あぁ、そうそう。あのバカ天使が見ていないところで何かしないように魔法をかけておいた。これからもっと迷惑すると思うが保険だ。気持ちを察してくれ。

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