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追憶

作者: 蒼咲 悠雅

花の名前を恋人に教えておくといいって聞いたことがある

その花は別れてからも毎年同じ季節に咲いては、相手にあなたを思い出させてくれるから

そんな意味合いらしいって


そういって君は日陰に咲く白い小さな花を指差した

一輪草っていうの

二輪草とか似てる花あるけど間違えちゃだめよ

って笑ったんだ


君のいう通りだった

その花は春の季節に、日陰のあたりに咲きだして

今でも君のことを思い出させてくれる


あの時、見分け方は? 間違えたらどうする? 

なんて話してるうちに話題が花言葉になったよね

でも二人ともわからなかったっけ


それからきっかり二週間 (あと)、君は白い部屋に閉じ込められた。

その(あと)、すぐに青い部屋に移されて

君は花になった


こんどは美しいあの笑顔が永遠に記憶だけに閉じ込められてしまった


……悪いな、そろそろ行くよ

君の前では泣きたくないからね

一輪草はここにおいて行くよ

それじゃあ


立ち上がるとあの日と同じ優しい風が、そえた花とYシャツをゆらして、消えた。


『一輪草の花言葉は久遠(くおん)の美』



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