世界を滅ぼす側から守る側へと決意する軌跡
モンスターハンターズ世界ランキング上位7名を紹介する。
世界ランキング10位:疾風のマドモァゼル(アメリカ)女性。
マドモァゼルの動きは鋭くしなやかで、スピードだけならば全世界で四位の位置付けとなる。彼女のスピードから突き出される槍を避けられる者は数える程しかいない。
世界ランキング9位:筋肉のダーシム(インド)男性。
筋肉を自在に操る、変幻自在の男。パワーファイター。
世界ランキング8位~5位:総合的になんか強い。
世界ランキング4位:只野 林(日本人)女性。
素性はあまりわかっていない。ただ、林が現れた先には無数の凶暴生物の死体が転がっている。という噂話が囁かれている。
以上の7名が外套の者達の前に現れた。ほとんどのモンハンズと凶暴生物は事切れている。
「モンハンズ上位7名勢揃いとは、これは少し骨が折れるかもねん」
2mはありそうな背の高い外套の者が7人を見て言う。逆に150cmもなさそうな小さな外套の者が一歩前に出る。
「ねぇねぇ、僕がひとりでやっちゃっていいかなーいいかなー」
「あぁ、好きにしろ……ぷっ、クスクス。今の発言格好良くね? な?」
小柄な外套の者に中ぐらいの外套の者が答え、一人大笑いをしていた。
そんな三人の外套の者の様子を観察していた六人は、隙が生じたとみて一斉に外套の者達に襲い掛かった。ただ一人、ランキング四位の林は防犯カメラをじっと見ていた。
そこで映像は途切れていた。その後、モンハンズ本拠地を調査した団体の発表によると、林を除く上位6名の死体が発見され、林の行方は不明だという。外套の者とは一体何者なのか。また林は何処に消えたのか。謎は深まるばかりだ。
「しかし……」
そんな重大な事件が起きているにも関わらず、世界中の注目は俺をこの世界からどう消すかを最も重要視しているようだった。今、俺を消す方法で最も可能性がある方法としては、モンハンズ世界ランキング上位三名を俺にぶつける事だという。だが、可能性が高いというだけで、短時間で国を物理的に滅ぼしてしまう悪魔を倒せるのか、疑問視の声が多数だった。
「結局世界で一番の脅威は俺なんだよな……。はぁ……、悪役になんかなりたくなかったんだけど。……あ、そうか」
良いことを思い付いてしまった。俺は世界から嫌われている。それは俺が今までやってきた事を考えれば仕方ない。だが、今後俺は大人しくして尚且つ人類の役に立つという事を証明出来れば許して貰えたりするんじゃないだろうか。全人類から許しを乞う事は無理としても、わかってくれる人は必ず出てくる筈。では、何をすればいいのか。簡単だ。俺という存在の次に世界が脅威に感じている外套の者達を俺が退治すれば良い訳だ。単純明快、素晴らしい!!
俺は決意した。世界を滅ぼす側ではなく守る側に付くと。
つづく