勇者死亡、そして仇討ちを決意するまでの軌跡
この世界の事についてわかった事を話しておこう。
不運な事故で死亡し、転生? した世界。此処は、ほとんどが地球と変わらなかった。
相違点は、凶暴な生物が存在している事と、その生物を退治する機関がある事。
機関の名は、モンスターハンターズ。略してモンハンズ。
先日俺の弟子となった自称勇者も、そのモンハンズに所属しているらしい。
モンハンズは世界各地に拠点があり、本拠地はアメリカニューヨーク州となっている。
「で、勇者さんはモンハンズではどれくらい強いの?」
俺が問うと勇者さんは得意げに答える。
「私は、モンハンズ世界ランキング87位です! あ、ちなみにモンハンズの
メンバーは世界中で100万人はいますからね」
100万人中87位ねぇ。まぁ、強い部類に入るんだろうけど。
「勇者という称号はモンハンズ世界ランキング100位以内に与えられる
名誉ある称号な訳です。あ、太郎さんもモンハンズに登録してみては?」
申し遅れたが、俺の名前は太郎という。以後お見知りおきを。
と、それはさておき、モンハンズかぁ。暇つぶしに登録してみるかな。
「ちなみにですね、モンハンズランキング上位三名は真勇者の称号が与えられており
太郎さんでも勝てないと思いますよ」
勇者さんは、ふざけたことを言っている。俺に敵う奴なんている訳がない。
そうやって期待させて、実は俺と比べると全然大したことない奴でした、なんて
オチが待っているに決まっているのだ。
「そのランキング上位三名と戦ってみたいなぁ」
「あっはっは、太郎さん本気で言っているなら本拠地に乗り込みますか?」
という訳で今俺はモンハンズの本拠地に来ていた。勇者さんを片手に担ぎ
韓国からアメリカまでダッシュしたのだが、勇者さんは風圧に耐えられずに
到着した頃には、肉が全て吹き飛び一部の骨だけしか残っていなかった。
「くそっ!」
俺は悔しくて叫んだ。せっかく友達になれそうな奴に出会えたというのに
モンハンズのせいで、勇者さんは……。俺は心に誓った。モンハンズを滅ぼし
必ず勇者さんの敵討ちをすると。
つづく