日本が滅ぶまでの軌跡
北海道最北端、宗谷岬に俺は現在いる。辺りは猛吹雪だ。
だが、全く寒さを感じない。これもチート能力のおかげだろうか。
何故俺が現在、こんな辺鄙な所にいるかというと、全世界に俺が指名手配され
至上最悪の犯罪者との異名を付けられてしまったからだ。
人類史上最大の人数を殺害した男、それが俺という訳だ。別に俺は悪意があって殺した訳ではないのに。運が悪かっただけなんだ。
「はぁ……」
白い息と共に溜息が出る。腹の虫も鳴いている。何故俺がこんな目に。
なんだか腹が立ってきた。街を二つも不可抗力とはいえ破壊してしまったから
文句も言わずに逃げて来たが、もう逃げるのは辞めにしようか。
向こうから攻撃してきたら反撃しよう。そうだ、いつまで逃げても埒があかない。それに向こうも俺にどう足掻いても勝てないと分かれば諦めるだろう。
「よし」
俺は頬を二回叩くと、足に力を入れて地面を思い切り蹴った。東京へ向かって。その刹那、北海道という大陸は俺の思い切った蹴りによって粉々に砕かれ
日本から消え去った。
北海道から東京までに要した時間は0,2秒程。うん、我ながら早いな。しかし、さすがに光速は超えられないか。ま、空気抵抗もあるしな。それにしても……。
「チートにも限度ってもんがあるだろうに」
俺がやってきた方向の大陸が俺の超速の移動によって発生した爆風により
大きく削られ、恐らくほぼ全ての生物は死滅してしまっているだろう。
なによりも、俺の北海道蹴りの影響でかつてない程の大地震が発生し、北日本の
ほとんどが巨大な波に飲み込まれる形となってしまった。
さらに、東京に到着した際にも超速から急なストップを掛けた為に、前方に
激しい衝撃波が発生し、東京のビル群を衝撃波が破壊尽し、更にその衝撃波は収束する事なく、西日本全てを破壊し尽くした。(沖縄含む)
現在俺は日本大陸が消え去ってしまった為、遥か上空を飛んでいる。
空気を強く蹴る事で空に滞在出来る事がわかった。しかし、このまま上空に
いる訳にもいかない。この腹減り状態をなんとかしなくては。
「あー俺の馬鹿……」
もう純粋な日本食が食えないじゃないか。俺はがっくりと肩を落としたが、いつまでも落ち込んでもいられない。俺は空気を蹴り、お隣の韓国へと向かった。
キムチと焼肉でも食べよう。あと力は本気でセーブするようにする。このままじゃ、世界から食べるものが消え去って餓死してしまう。そういえば、韓国のお金はウォンだっけか。そんなもの持ってないから、また食い逃げしよう。
いざ、韓国へ。
日本が損失した金額。103兆円。死亡した人数:1億2730万人
残り世界人口:68億7270万人。
つづく
つづく