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史上最強の俺 ー俺vs70億人ー  作者: あやかぜ
第一章 俺vs70億人編
1/25

全人類を敵に回すまでの軌跡

 俺は子犬がトラックに轢かれそうになっている場面に遭遇し、子犬を助ける為に飛び出しトラックに激突。

死んだかに思われたが、目を覚ますとそこは俺の知らない異世界だった。

異世界には、見たこともない巨大で獰猛な生物が存在しており、俺はすぐに巨大生物の巨大な鋭い牙によって

噛まれたのだが、牙は俺の皮膚を通さすぴたりと止まった。まるで子猫に甘噛みされているような感覚だった。

巨大生物は俺を必死に噛み砕こうとしていたが、それは叶わない。というか、怪物の唾液が俺の体に纏わりついてきて気持ちが悪い。不思議なことに未知の巨大生物に襲われているというのに、俺の思考は至って冷静だった。

恐怖心が全くない。そもそも、何故俺は無事なのか? ……考えてもわからん。という訳で俺は巨大生物を

軽く小突いた。つもりだったのだが、巨大生物は遥か彼方へと吹き飛んで消え去った。

どうやら俺は異世界に来てチート能力を手に入れたらしい。しかし、何故だろうか。全然嬉しくない。

ぎゅるると腹の虫が泣く。腹が減った、何か食いたい。辺りを見回すと10km程先に街があるのが見えた。

うん、滅茶苦茶視力が良くなっているみたいだ。これもチート能力のおかげか。どれ、10kmの道のりを

どれくらいの時間で辿り着けるか試してみよう。

俺は地面を蹴り、街に向かってダッシュした。俺の蹴った地面が隕石が衝突したかのように

爆発し、巨大なクレーターが出来るのと同時に俺はすでに街に到着していた。

いや、街だった場所に到着した。

「……申し訳ないな」

 街は俺が到着したと同時に発生した爆風によって吹き飛んでしまっていた。跡形もない。

街の規模はそれなりに大きく、多くの人が生活していたであろう。その人々を俺が殺めてしまった。

そんなつもりは毛頭なかったのだ。だから起きたことは仕方がない。大事なのは、同じ過ちを起こさない事。

俺は次の街を見つけ、今度は力をセーブして向かった。


【サイショ街】


 破壊してしまった街から20km程離れた街、サイショに俺は到着した。

街には、美味しそうな匂いが漂っている。ようやく飯にありつける。

適当に街をブラブラして、定食屋を発見。街を見ながら気付いた事がある。

この異世界の文明は俺がいた世界と然程変わらないようだ。街には、電気もあり自動で動く乗り物(自動車とは形が異なるが)も走っている。ただ地球と違うのは、外には凶暴な生物が多くいる為か、街の周りには10mは

ある壁で囲まれている。(俺は壁を軽く飛び越えて来た訳だが)

「はい、いらっしゃい」

 定食屋に入ると、気の良さそうなおばさんが席に案内してくれた。テーブルの上には、メニュー表がある。

一体どんな未知のメニューがあるのか、俺は多少わくわくした。

・牛丼 350円

・カツ丼 400円

・蕎麦 300円


「……な、なんだと」

 俺は思わず呟いた。俺の住んでいた日本と変わらぬメニュー。羅列された日本語。そして「円」

そういえば、店主も普通に日本語を話していたし、街の前にあった看板にも日本語で「サイショの街」って

書いてあった。どういう事だこれは。

「すいません、つかぬことをお聞きしますが。ここって日本ですか?」

 俺は店主に率直に聞いてみた。すると店主は笑いながら答えた。

「あはは、やだねぇお客さん。何かの冗談かい? どっからどうみても日本でしょうに」

 日本。間違いないようだ。という事はあれか。猿の惑星みたいに、未来の日本に俺はやってきたとか。

はたまた、別の世界線の日本にやってきたとか。まぁ、チート能力授かっている時点でこんな程度では

驚いていられない。

「それじゃ、カツ丼と蕎麦のセットで」

 俺は取り敢えず注文した。まずは腹ごしらえだ。細かい事は考えなくていい。意味ないし。

食べ慣れたカツ丼と蕎麦がやってくると、俺は腹が減っていたせいかあっという間に平らげた。

「それじゃ、700円になります」

 店主に言われ、俺はズボンのポケットに手を突っ込む。

しまったぁーっ! 財布がねぇーっ! やっべぇーっ!

俺があたふたしていると、店主が俺の異変に気付く。

「お客さんもしや……」

「は、はい……申し訳ありません」

「仕方ないですねぇ」

 店主は優しく笑ってくれた。よかった、皿洗いとかなんでもして食事代分働こう。

「防衛隊を呼ぶので待っていて下さいねぇ」

「え?」

 防衛隊? 何それ。警察みたいなもの? ていうか、それは勘弁して欲しい。

「あ、あのっ。皿洗いでもなんでもするので許して下さい」

「駄目ですよぉ。お金ないのにご飯食べて許される訳ないでしょう?」

 顔は笑っているけど目が笑っていなかった。どうする? 俺のチート能力があれば逃げ出すのは容易だ。

しかし、犯罪は犯罪。罪を償わなければならないのではないか。いや、そもそも知らなかったんだ。

そう、金がないなんて知らなかった。これは不可抗力であり、俺の意思でやった犯罪じゃない。

よし、逃げよう。

「ごめん、おばちゃんっ!」

 俺は足に力を込めて床を蹴り逃げ出した。と同時にまた爆発が起き街が崩壊した。

慌てていた為、力をセーブするのを忘れていた。


 二つの街を破壊した悪魔。世界中にこのニュースが飛び交った。

街が破壊され、日本が損失した金額。1兆3800億円。死亡した人数:500万人。

残り人口:69億9500万人。


この物語は、俺が全人類を敵に回し全人類と戦い滅ぼすまでの道のりを描いた物語である。


つづく



一つでも感想が付く限りは、続きを書いていきます。

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