表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命(アニマ)の声が聴こえる  作者: 和本明子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/49

14 「なんですか、エシって?」

   14


 さっそく幸一は、先ほど志郎から訊いた話しを薫たちに説明した。


「有名な“エシ”に描いて貰う? なんですか、エシって?」


 馴染みの無い言葉に薫が首を傾げつつ訊ねた。


「つまり、有名なイラストレーターや漫画家とかに、伊河市をモデルにしたオリジナルキャラクターを描いて貰う、という事だよ」


「ああ、なるほど。キャラクターが使用できないのなら、私たちでオリジナルのキャラクターを創る訳ですか。それは面白いですね。でも、有名なイラストレーターか……。その有名なイラストレーターって、どんな人がいるんですか? 私、その辺は疎くて」


「んー、それは、これから……」


 幸一たちがこれからの方針を決めようとしていると、


「そ、そうだね。今だったら、TOMYさんや夕顔さん、それにからあげさんとかも人気があるね」


 平岡が話しに割って入る。


「と、とみー? ゆうがお? からあげ?」


 話しに出てきた珍妙な名前を薫が復唱した。


「ペンネームだよ。そういったペンネームで活動しているんだよ。最近だと、からあげさんの人気が出てきているね」


「へ、へぇ~……」


 普段と違う平岡の饒舌に語る様に、幸一と薫は意外そうな視線を返した。

「平岡さんって、こういうの詳しいんですか?」


「いや、まぁ……その。な、なんて言うかね……」


 薫に問われると、いつものの平岡に戻ってしまった。そして幸一が、平岡の話しに付け加える形で続ける。


「そういったイラストレーターでも良いし、有名な漫画家とかにも依頼するのもアリだよね。とりあえず、この方向で計画書を書き直さないとな……」


 袋小路にハマりかけていた幸一たちだったが、今後の方針が決まった。


「それで先輩。私たちはどうしたら良いんですか?」


「そうだね。今度は出版社じゃなくて、プロやアマチュアの絵師さんに直接依頼する方向だな」


「でも、どこに。それに、誰に依頼すれば良いんですか?」


「それは、え~と……」幸一が返答に悩んでいると、代わりに平岡が答える。


「そ、それだったら、直接本人に依頼すれば、い、良いんだよ。絵描きさん達は、ブログとかで自分のサイトを持っている人が多いんだよ。そ、そこに大抵はメールとかの連絡先が記載されているから、そこから連絡が出来ると思うよ」


「へ~、そうなんですか。それで、そういった絵師さん達は、何処で探すんですか?」


「そ、それなら、ピクシブとかを、利用すれば良いよ」


「ピクシブ?」


「う、うん。そういった絵師が、たくさん集まっているイラスト投稿サイトだよ」


 薫、そして幸一も首をひねると、平岡はおもむろにパソコンのマウスを操作して、自分のディスプレイを幸一たちに向けた。そこには、色とりどりのイラストが表示されていた。


「へー、こういうのがあるんですか」


 興味津々にそれらを眺める薫と幸一。


「なるほど、ここで絵師さんの目星を付けられますね」


 世の中には自分が知らないことが一杯有るものだと、自分の無知を少し恥いてしまう。それと薫の疑問に、平岡が次々と答えていくことに、初めて平岡が頼もしく思えた。


「それで、た、高野くん。絵師さんの選考も大切だけど、伊河市のイメージキャラクターを描いて貰うのなら、そのモチーフを決める必要になるよ」


「モチーフですか?」


「た、単純に、伊河市をモデルに描いてもらうのは、ざっくばらんし過ぎているから、ある程度、描いてもらうものを絞った方が良いかと思うよ」


「そうですよね……わかりました。今回の結果とそれに対する対応策をまとめて、今度の報告会にて話します。その後に伊河市のモチーフを決めたり、各自で依頼する絵師さんを決めましょう」


 まだ手探りの状態ではあるのが、今後の方針と方向性が一通り見えてきたことに、幸一は一歩ずつ進んでいると実感したのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ